スーパー・チューズデー 正義を売った日のレビュー・感想・評価
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邦題ナイス
「アメリカ大統領選挙の話だな」と、とっつきやすい。
両候補の広報官たちの、駆け引きがメインで。
候補者自体はサブにまわっているのが、見応えある。
それぞれの腹の探り合いや、どうミスリードさせるか。
そこに候補者のスキャンダル、えそっちか?と思いつつも。
セリフから推測させるのもなるほどね。
カトリックだから許されない、とか。
13年前となると、出演者が若い。
フィリップ・シーモア・ホフマン、出てたのか!。
嬉しい誤算。
町山智浩さんのYOUTUBEで、作品の時代背景の解説があったので。
それを見ると、この作品の裏側がわかった。
普段は解説って見ないのだけど。
俳優陣に支えられた、優れた政治ドラマだ。
民主党の大統領予備選でモリス知事とプルマン上院議員が争うなか、モリス陣営の若き副本部長マイヤーズは、プルマン陣営の本部長から移籍を持ち掛けられる一方、モリス陣営の若き女性インターンと関係を持つ、、、。
若き選挙スタッフが、政界の汚れた面に直面するポリティカル・ドラマ。女性インターンの扱い方に、嫌悪感を感じるひともいるだろう。前向きになれる映画では無い。結末は、後味の悪さを思うひともいるかも。
感傷的な所が無く、冷静でシビアな映画だ。といって、雰囲気が重すぎることは無く、最後まで見ることができる。また、俳優陣の演技が素晴らしい。非常に巧みな演技で、本作を大きく支えている。
政治の舞台裏は、誰にも分からない。あくまで架空のフィクションだが、政治的な駆け引き、秘密、裏切り、どんでん返しを興味深く描写した、優れた政治ドラマだ。
観応えありました
ポリティカルドラマというより、選挙戦を通しての人間ドラマ
のし上がっていくには、人の弱味につけ込み脅し、信用していた人でさえ利用する
そうじゃないと生きていけないイメージの政治の世界
良い人じゃ無理なんでしょう
最初はやる気に満ち溢れた明るさの主人公のスティーブンが、ラストでは冷ややかな目の冷たい人間にすっかり変わってしまっているのを演じたライアン・ゴズリング
他のキャストもそれぞれが役にピッタリでした
後味はあまり良くなかったけど、後半から緊張感も面白さも増し増しでした
大統領予備選の裏側を暴いているようだが…
どんなに汚れた政治の裏側を描いているのかと覗き見気分で鑑賞したが、どれもこれも想定内なことばかりで少々期待外れ。
期待していた清濁併せ呑む戦略家はポールくらいなもので、他の登場人物は確かに冷酷ではあるが特段やり手には映らない。
ジョージ・クルーニーとフィリップ・シーモア・ホフマンははまり役とも言えるが、ライアン・ゴズリングをはじめ他キャストはいまひとつしっくりこない。
アカデミー賞脚色賞にノミネートされたようだが、個人的にはつまらなくはないがいたって平凡な作品、というのが率直な感想かな。
勝ちこそが全て
大統領選を陰で指揮する敏腕クリエイター。
凄腕ながらもある出来事をきっかけに解雇されてしまった彼が打って出る、全てにやり返す大逆転の秘策とは。
選挙戦で行われる、勝つためには手段を択ばない裏の攻防に驚愕する一作。
この作品を見ると、否が応でも選挙に対する見方が変わります。
勝ちこそが全て。
表向きだけでは読み切れない政治家たちの内心を我々投票者はどう掴み判断していけばいいのか。
こんな事が当たり前のように行われているのだろうなと勉強にもなった作品でした。
ブルータスは誰だ
大きく掲げられたアメリカ国旗の前で大統領予備選のために演説する知事。その国旗の裏側で言い争う二人の参謀。選挙の表舞台と裏側の駆け引き、そんな政治サスペンスが見られると思っていた。一応、表向きはそれで間違いないが、少し違った見方もできる作品のようだ。
原題の「THE IDES OF MARCH」は3月15日という意味らしい。その日は、カエサルが暗殺された日。
「ブルータス、おまえもか」はアメリカでは親しい人からの裏切りを表す慣用句のようになっているらしい。原作のタイトルからわざわざ変えたのだから製作者からの回りくどいメッセージと捉えていいだろう。
それでは一体、誰が誰を裏切ったのだろう?
一番、誰が誰を信じていただろうか?「おまえもか!」と声を上げたくなるほどに悲しみにくれた人物は誰だっただろうか。
私と妻は意見が割れた。エンディングに何を感じるかでも見解が変わる。
「信念」と「妥協」は印象的なセリフでキーワードでもあるだろうから、一番信念を曲げた人物がカエサルのような気がするけれど、その人物すら観る人によっては違う人物になってしまう。
かなり面白い仕掛けのある作品だと思う。
ジョージ・クルーニーは監督としてはちょっと平凡な人だけど、本作では少しキレのあるところをみせた。
気のきいたタイトル、堅実な構成とカメラ、そして考える余白を持たせたエンディング。いい仕事をしたと思う。良作です。
リアリスティックな政治劇
大げさで作り物っぽい陰謀を排して、敵対陣営の寝返り工作、候補の女性関係の醜聞など、いかにもありそうな設定がリアルで好感が持てます。そのありそうなお話を淡々と展開してゆくのはクルーニー選手の良心でしょう。
知事モリスの最後?ステーブンの倫理観?
政治社会において倫理感は二の次になっているように思う。それをここで暴いているというか大事な点なんだと知らしめようとしている作品だと思う。
選挙戦など政治は私たち一般人はマスコミを通して聞いたり読んだりする。それがどう脚色されているかありのままを伝えているかも、明かされない場合があるだろう。米国はかなり透明性があり公文書も残すが、舞台裏の混乱を見せる映画は面白い。
予備選がもう大統領選挙だとここで言っているところも、ここでの一騎討ち(3月15日)でだれが大統領なれるかどうかが決まるということで面白そうだと思った。それに、民主党のモリス知事(ジョージクルー二ー)の政治見解より、キャンペインマネージャーでボス、ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)、トム(ポール・ジアマッティ)や ポールの直属のスティーブン(ライアンゴスリン)見解やスピーチスタイルで決めていけるというオープンマインドな選挙戦略も面白い。そして、予備選の政治ポリシーは共和党にとっても民主党にとっても、『一般教書演説』と言える
ほどの価値があるということらしい。
最初スティーブンは民主党の候補、モリス(知事でもあった)が社会を変えていけると信じている。モリスのスピーチの指導や言葉選びも的確ではスティーブンは有望株だ。それに高校を卒業して軍に入りその後大学へ入ることにより授業料を無料にとかなりリベラルでありながら理想論を持っている。最終的に、上院議員トムソンがモリス候補を正式に民主党推薦する。スティーブンはモーリーの妊娠をネタにモリスを強請って、ボスを蹴落とし正式な選挙対策委員長になる。悪賢く交渉する能力で出世していきそうだ。
最後のシーンにもっとも感激するのでここに説明を加えて、私の予測を書く。あくまでも、私の判断でそれぞれ人は別なことを考えるかもしれない。 極端にいうと、このシーンを考えると、ほかのシーンがいらなくなるほど強烈なんだよね。
スティーブンはニューヨークタイムズの人に『本当の友達じゃない』と言って入場を断り、会場に一人で入るわけだが、そこにはインタビュークルーが待っている。そこで、ジョン キング(CNN)とのリモートインタビューがある。スティーブンの耳にはイヤホーンが入っていて、そこで聞こえるのモリスのスピーチ。(トムソンが民主党推薦したので、モリスの勝利に決まっている)モリスが『誠実さと尊厳』がいかに大切であるかつにいてのスピーチを終えると、次に、ジョン キングはスティーブンに、予備選を取り巻くイベントがどのように展開されたかについての洞察をと聞く。ここで、映画は終わる。
このあと、どう考えるのはあなたの好きだが、題で答えがわかるね。でもこの映画のラストシーンにはドキドキする。私が、スティーブンだったら、明らかに自分の政治生命を終わせるようなことになっても、全てを暴く。スティーブンも選挙という死活問題を体験しているが、理想論の高い人間にとってモリスのような裏表裏一体の行動は許せないと思う。ここでここで人間性が問われるし、モリスの行動が大統領のモラルになってもらっても困るし、モーリーの仇をと考えているのかもしれないし。(愛し始めたときだったのかもしれない。)インターンモリーの(エバン・レイチェル・ウッド)扱いは誠実だったろうか? 誠実さと尊厳は口だけであるモリスが、これをみなの前で主張するほど『まやかし』はない。この不誠実の人間が大統領になるわけだ。現実にはオバマ大統領がスキャンダルのなかった大統領だと言われるくらい数少ないわけだから、政界では大きな問題じゃないように見える。しかし、スティーブンはこのままモリスを大統領にさせるだろうか? 民主共和両党の選挙対策委員長は明らかに現実主義者だが、スティーブンの先述べた言動からもわかるように、彼は政治に興味があり、才能があり、人より野心はある。青二才じゃないがこの言葉に近い未経験さや人柄を持っている。それにこの『告白』によって彼の生命もかかっている。彼の表情から察すると、結果がどう動くかイチカバチカかけているようにも見える。
あともう一つ好きなシーンがある。モーリーとスティーブンのバーでの会話やモリスと奥さんとのタクシー中での会話。選挙問題と政治スリラーの構成が急にとりとめもない会話で全体が緩み、彼らの選挙政治を離れた一般人の世界を見せてくれる。脚本がいいねえ。
映画を観てジョージクルー二ーが監督が民主党候補のモリソンを務めている。クルー二ーの映画を観たことがなく彼の背景もよく知らないが、父親は米国で有名なジャーナリストでその姉妹は俳優だということは知ってた。脚本もいいのかもしれないが、これは1級の政治スリラーであり、ロマンス、コメディーのようなところもあり、盛り沢山だが、最後が映画『真実の行方』のように圧巻で、私も善悪の判断を間違いたくないと思った。
アメリカの選挙戦の裏側というか、票を集めるためにいろいろと工作をす...
アメリカの選挙戦の裏側というか、票を集めるためにいろいろと工作をするという合衆国大統領選の実態を描いたというような映画を期待していたのだが、実際は一つのスキャンダルだけの映画でちょっと残念でした。
クリントンのこと?
2020年8月3日
映画 #スーパー・チューズデー~正義を売った日~ (2011年)鑑賞
イケメンが2人
#ライアン・ゴズリング
#ジョージ・クルーニー
個性派が2人
#フィリップ・シーモア・ホフマン
#ポール・ジアマッティ
原題は、THE IDES OF MARCH ってカエサルの殺された日のことらしい?
どういうこと?
理想に燃える若い政治活動家が選挙戦において情報操作の責任者を務めて...
理想に燃える若い政治活動家が選挙戦において情報操作の責任者を務めていくなかで、政界の汚れた側面に直面していく姿を描くポリティカルサスペンス。
有能なスティーヴンに引き抜きを仕掛ける敵陣営のダフィ。引き抜きに乗...
有能なスティーヴンに引き抜きを仕掛ける敵陣営のダフィ。引き抜きに乗ることなくボスのポールに報告するも、一度の躊躇から生じたミスを許さず、スティーヴンを解雇するポール。恨みから敵陣営に寝返り暴露すると思い悩み死んでしまうインターンの女の子。インターンの死を契機に、その秘密をネタに知事候補を脅し、復帰するスティーヴン。代議員の票を抱える議員に副大統領のポストを用意して抱き込むお土産を持参して、見事に大統領候補の選挙参謀トップに返り咲く。
政治の世界とは、表向きの綺麗事が並んだ演劇に過ぎない。登場人物に夢を語らせ、聴衆にひとときの娯楽を与える。そこで話される言葉にはなんの意味もないし、そこに登場する人物は本当は誰一人としてどこにもいない。あるのはポストを巡って取引されるゲームの結果、生じた幻影があるだけ。
一つ興味深いのは、裏の世界で行われる出来事がそこまで腐っていないこと。インターンと関係を持ったことはともかく、モーリス知事も政治思想はとてもリベラルで筋が通っていて、ただのマネキンではなく、政治家としての資質には信頼するに足るものがある。マネージャーのポールにしても、忠誠心を重んじ、スティーヴンの裏切りも受け入れる政治屋としての度量もある。敵陣営のダフィにしても、タイムズのアイダにしても、決して人間が腐ってるわけではなく、プロとして仕事を全うするプロッフェッショナリズムを持っている。それぞれが懸命にプロとして仕事をしているところに共感もし、またよりリアリティがあるものになっている。
アメリカの大統領選挙の裏側の真実
アメリカの大統領選挙は、日本の選挙より、民意が反映されているとか一時期マスコミが言っていたことがあったが、(しかしトランプが大統領になったことによりそういう意見もあまり表には出てこなくなったが)多分、実は、裏側はこんな感じなんだと思う。
ジョージ・クルーニーがあえて映画化したかったのは、アメリカの政治に対しての皮肉なのかも。
面白い
私は政治家の下半身ネタより政策公約で投票する人を決めますが、政策より下ネタの方がおおごとになるのだったら、政治家は女性がやった方が良いですよね。そもそも女性議員が少なすぎる。ジョージ・クルーニーレベルの格好良さと清潔さがある政治家だと、下ネタはより一層ダメージが大きくなるのだと思います。トランプなんてそもそもイメージがあれだから、女性蔑視発言してもそんなに叩かれませんし、日本の小汚いおじさん議員の女性関係なんて、誰も興味ないです。つまり、今の政治はどんなイメージで売るかが全て。
作品は中盤からラストにかけて一気に面白くなっていったし、役者もキャスティングも見事でした。ジョージ・クルーニーがヘアメイクさんとアイコンタクトしていたシーンで女好きだとわかったので、あれはラストへの伏線だったのでしょう。でも、本物のジョージ・クルーニーが民主党から大統領選に立候補したら日本から応援したい。だってイメージ良いですもん。ふふふ。
理想の政治家に賭けるかどうか
総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
対立候補の弱点を突き、論点をどこにするか決定し、誰を味方につけるのかそのために何を提供するのか、政策は何か、演説はどうするのか、選挙に勝つには様々なことを進めていかねばならない。そんな選挙戦の技術と汚れた裏舞台を面白く見せてくれるのかと思って期待していたが、選挙の裏舞台といっても対立候補相手ではなく内輪揉めに近い内容だった。
常陽な話だと言われ、何か情報交換や取引だってするかもしれないし対立候補の選挙参謀と面会するのがそんなに良くないとは思わなかったが、会うこと自体も罠になり相手陣営を混乱させる。この人こそはと賭けた一見理想的で爽やかで妻とも上手くいってそうな州知事も、裏ではだらしないところも政治的妥協も見せる。記者はころころと状況に合わせて態度を変える。そして自分を雇っている候補を脅してまで職を得ようとした主人公の最後の能面のような表情が、良い人の少ないこの世界に生きることの厳しさとなって表れているようだ。
理想の政治家に賭けるかどうか、それとも自分の利益を追求するか、賭けた人が理想と異なっていたらどうか、そんなことを問われていた。
選挙に勝つための戦術・技術やそのための人の努力についてもっと見せてほしかった。陣営内の利益で冷淡に人を切る人間関係が話の中心となっていて、興味が削がれた部分がある。また若い実習生が自殺したのも突然で展開が分かり辛い。そこそこ楽しめたが、もっと良くも出来たとも思う。
駆け引き
選挙モノ、政治モノは退屈になることもありますが、これは引き込まれました。
純粋な政治理念や信念を、まぁ鼻から期待はしていませんが…、同じ党内での足の引っ張り合いが見ものでした。
どう見ても、Morris知事、イケメンな上に言う事なす事、少なくとも外面は理想的な政治家。それだけを見てれば心酔しますわ。
Mollyは妊娠を分かっていながらStephenに接近したの??妊娠をカモフラージュさせたい知事の指示?でもなければ、イタイほどの尻軽女だし、腑に落ちないなぁと思いました。きっとStephenと付き合い始めてから妊娠が分かり、逆算して知事の子だ!!となって、慌てて知事に電話したんですな。Mollyとしては解雇されたくないから知事に身を任せてしまったと…。Stephenのことはきっと普通に好きだったんじゃないかと。しかしStephenが裏切り行為で知事側に解雇されたと知り、知事とのスキャンダルを売られる!もう私終わりだ!パパのキャリアにも影響が及ぶ!と確信し、自殺してしまった…。
Paulが解雇されたことが、何より知事が真っ黒な証拠。
毎度入ってくるインターンが可愛すぎるのがいけないね(^_^;)。
やっていることは三文メロドラマですが、大統領選挙に繋がる政治活動の裏で行われているという所に、救いのない気持ちになります。絶対的な忠誠心も通用しない、人情、信頼などもっての外、時には味方の弱点すら握り、自己保身と目的のためなら手段を選ばず、如何に生き残るか、荒波を乗り越えるか…。人を操ることが三度の飯より好きで、良心に蓋をした人しか携われない(んでしょうね)政治の世界を垣間見ました。
アメリカ大統領予備選の話。アホな私には若干ハードルが高かったかな、...
アメリカ大統領予備選の話。アホな私には若干ハードルが高かったかな、仕掛けられたトラップとかがさっぱり分からず。
しかし、政治って汚いもんだなってことはよく分かった。口先上手な候補者も所詮は男ってのもよく分かった。まあ女の方もたいがいではありますが。クリントンが思い出されます。政治家にはハニートラップが一番かもしれない。
日本も含めてもはや政治には何の期待も持てませんな。そんな悲しい現実を教えられる映画です。
正義の優先順位とは
大統領選を描いた映画。
人間はそれぞれが信じる正義のために行動しているから当然摩擦が起きる。確かに大統領に誰を選ぶかの影響力は甚大だ。多くの命さえ左右する。しかしその大義の大きさのために身近な正義を犠牲にしていいのか、その業が業を呼ぶ波及の大きさ、それこそが大きな犠牲を生む元凶である可能性があると考えさせられる作品だった。
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