スター・トレック : 映画評論・批評
2009年5月26日更新
2009年5月29日より丸の内ルーブルほかにてロードショー
ワイドスクリーンいっぱいの縦横無尽なアクションに圧倒される!
内容は「ビギンズ」や「ゼロ」といった副題が付きそうな“プリクエル(前日譚)”だが、「今後3本は続きそうな」ブロックバスター映画の導入部として大成功している。
見終わったあとの昂揚感がともかく圧倒的で、60年代のTVシリーズ「宇宙大作戦」のメインテーマ(映画版テーマ音楽ではなく、NTV系クイズ番組「ウルトラクイズ」のテーマ音楽)が流れるエンディングまでまさにスリルライドで、ワクワクしどおしなのだ。
実際、ロベルト・オーチー&アレックス・カーツマンによる脚本は強引なところもあり、人物設定の入念な背景説明やSF的タイムパラドックスの解釈に多少のアラもある。だが、エネルギッシュでダイナミックなJ・J・エイブラムス監督らしいストーリーテリングが小気味よく、それゆえ、カーツやスポックやウフーラらUSSエンタープライズの“新”クルーがすこぶる魅力的に映るのだ。特にカーク役のクリス・パインは若き日のマット・デイモンのようで、スター誕生を予感させる。
超ワイドなスクリーンで展開される、宇宙空間のスペースオペラ風アクションや、スピード感120%の地球上でのアクションは大画面狭しと縦横無尽だ。おそらくIMAXデジタルで見たら、その効果は100万倍だろう。
これを「スター・ウォーズ」第1作よりも先に見ていたら、SWファンではなくトレッキーになっていただろうと思う。まさに圧巻としか表現できないスゴイ映画体験が愉しめる映画だ。
(サトウムツオ)