「それぞれの正義」ワールド・オブ・ライズ ヴァルさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの正義
中東を舞台にしたCIAとテロリストの攻防を描いた作品はもはや飽和状態で全く新鮮味は無いですから、内容的には期待値低め、完全にキャスト目当てでの鑑賞でしたが、これは予想外・・・内容も十分面白かったです。
むしろ期待したキャスト面の活躍に不満を感じてしまったかな。
ミス多き工作員のディカプリオに、人を人とも思わない上司ラッセル・クロウのCIA側は常に失敗続き、カッコ良さは微塵も感じられずでしたもんね。
特に太ったおっさんでしかなかったラッセル・クロウは、この役がラッセルである必要性はどこにも見い出せませんでした・・・。
でも、だからこそ作品としての見応えが感じられたのも間違いない事実。
特に実話のようで実話ではないけどリアルに近い微妙な線の表現方法は、本当に秀逸でした。
まあほとんどアメリカの自虐に近い内容ではありましたけど。
何の世界でもそうですが、やはり現場のことは現場が一番知っている訳ですからね・・・。
世界の全てを動かしたいアメリカの傲慢さと、CIAのだだ滑り感が、何とも印象的な作品でした。
逆に、現地の上司を演じたマーク・ストロングが、異常なまでにカッコ良く見えましたよ!
それにしても、世界を救おうとする側も、テロを起こそうとする側も、まあ共に正義をかざそうとしてはいるのでしょうが、何故人の命を何とも思わないのでしょうかね。
正義をかざす為なら多少の犠牲は厭わないって、それじゃあどっちもどっち、きっとこのまま平行線が続くでしょう・・・。