「緻密で迫力のある演出が残酷な現実を描きだし緊張感を盛り上げる」ワールド・オブ・ライズ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
緻密で迫力のある演出が残酷な現実を描きだし緊張感を盛り上げる
総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 90
ビジュアル: 85
音楽: 75
リドリー・スコット監督らしい迫力のある演出が何より素晴らしかった。目的のために躊躇のない切り捨て、殺し、監視といったスパイの現場の話が、最初から容赦なく高い緊迫感で迫ってきた。砂漠や街並みを撮影した映像もカメラワークも同様にうまかった。
現場で人の残酷な命運を見ながら自らも死線にいて感情的になるディカプリオと、忙しすぎて仕事と家庭の区別すらなくて子供の世話をしながら一方で冷酷な命令を次々に出していくクロウ。前者は自ら話し動くし、後者は遠くからハイテク機器を使って監視し命令する。ちょっと二人の立場の対照がわざとらしすぎる気もしたが、混乱の続く厳しい世界で常識の通用しない厳しい仕事をしているんだというのがとてもよく伝わってくる。似たような映画だが本作よりもさらに綺麗ごとに走りすぎた感のある「スパイ・ゲーム」よりもいい。
でもこういう厳しくて情容赦のない映画はあまり女性好みではないだろうな。
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