「突っ込みどころは満載なんだけれど、それは本質じゃない」GOEMON naokoan120さんの映画レビュー(感想・評価)
突っ込みどころは満載なんだけれど、それは本質じゃない
まず、史実にも基づいてないし(信長暗殺の首謀者とかね、もろもろ)、衣装も西洋ちっくだし、武士とかナイト(騎士)だし・・・って突っ込みどころは満載なんだけど、それって、多分この映画においては意味のない突っ込みだと思います、忠実さじゃなく”世界観”が重要な映画なようなので。あと、CGがすごい!ってのもフレコミの1つみたいなんだけど、もはや多くの方がおっしゃるとおり、ゲームみたい!、それこそストツーとか。たまに動きが早すぎて、画面で追いきれなかったこともしばしばありました。あと、やたら”白い”!なんっていうか、みればお分かりいただけますでしょうが、光でいろいろ飛ばしちゃってる感じです。宇多田ヒカルのSAKURAドロップスの世界観みたい(←もちろん元夫で監督のキリヤ氏作成、すいません、宇多田ファンなので、たとえがこうなってしまいます)
さて、本題のおはなし。
石川五右衛門(江口氏)っていう忍がいて(←本人は天下の大泥棒といっているが)、かつては信長の手下だったみたいなのだけど、自由を求めて、フリードロボーに転身してました、と。
ただ、たまたま手にした南蛮風の箱のせいで、信長暗殺の首謀者が明智だけじゃなかった!って分かっちゃうことから物語は動きだします。以上はネタバレになるので、割愛します。(いやぁしかし藤吉朗くんが憎憎しい)
コレは本当に私がそう思ったというだけで、監督とかが狙ってるかどうか知らないけど、ただただ虚しかったです。
なんかみんな、虎視眈々と裏で、水面下で、何かしら企ててて、そのためには手段もへったくれもなくて。裏切りと争いと計略の繰り返し。
最後、元五右衛門の手下だった、ゴリが五右衛門を裏切るんですが(一番の衝撃)、”やったぞー石川五右衛門やっちゃったよーー!!”みたいに手柄だっていって叫んでるんですよ・・・(関が原の戦いだと思われる)、その叫び声が虚しい・哀しい・・・。そんなことの連続だから、”太平”ってないんだよなぁと、一瞬そう思わせれても、いつもあっけなく裏切られる、というか、なんか今の政治とかと変わらないですね。人間なんて、星とかからみたら、まばたきの一瞬ですらないんだから、そんな大して変わらんもんかね(←手塚治先生風味ですな、突然)
昔、ゆく川の流れは絶えずして、諸行無常の響きあり、盛者必衰の理をあらはす・・・・って古典で習ったことがあるのだけど、まさにそれをまざまざと思い知らされました。
そんななか、”義賊”だった五右衛門のメッセージは正論なだけに、逆に虚しく響いちゃったり、そうはいかないよなぁ、なかなか、と。
決して、観終わって爽快★とか、心洗われる、ってものではないことを覚悟のうえご覧下さい。