君のためなら千回でものレビュー・感想・評価
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その言葉が交わされるだけで、胸がぎゅっと締め付けられる
映画「25時」やTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローン」で知られるデヴィッド・ベニオフが脚本を手がけ、その類まれな才能をいかんなく発揮した初期の感動作。アフガニスタンの過去と現在、そして現代のアメリカを織り交ぜながら描かれるそのストーリーは、幼少期の過ちで親友と疎遠になった主人公がメイン。彼はその手で記憶と現実の壁をぶち破り、必死の思いで過去を取り戻そうと、かつて暮らしたアフガンの地を目指す。
「ネバーランド」や「プーと大人になった僕」のマーク・フォースター監督が一貫して見つめる「作品内世界」を踏襲するかのように、ここでも「過去の記憶」が丹念に扱われ、さらに「本の出版」という要素もまた、自分の記憶を俯瞰する大切な視座となる。ストーリーは痛烈ながら、大空に舞い上がる凧と、合言葉のように交わされる「君のためなら千回でも!」とのセリフが、いつまでも変わらぬ友情の風を作品内に吹き込ませてやまない。
誇りの物語。ぬるくない。
前半で終わってしまっても名作なのに
後半の展開は…傑作かもしれない。
どうにも主人公が魅力的に感じにくい話である。
反感を感じてしまうのも
いやになるほど、卑小さを彼自身が
人に言われるまでもなくわかっているからで
その気持ちから大切な友達にあんな態度を
とってしまったのだというのが
観ていて嫌になるほどわかってしまう。
子供の頃の彼は自分のプライドにこだわってしまい
ただでさえ傷ついている友達をさらに傷つけた。
ハッサンが主人公を許し、また長いこと
想っていたというのが
解せないような、それでもほかに友達ができなかったことの証明かもと
考えるとあまりにも悲しいような。
また、この映画では人間は一元的なものじゃなくって
すっぱりと答えを出せない問題も
抱えた存在であると示す。
長い時間をかけて主人公が
本当の誇りを手にいれていく物語。
持たざる者、持ってる者、と人間にはあるかもしれないが
大事なものを持ってる人間は
他人に与えることができる。
ラストの主人公のまぶしい笑顔がなによりも
周りに与えられる宝石ではないか。
こんなにも雄弁な凧があるのですね。
号泣しました。
僕らがすぐにイメージできるアフガニスタンじゃないほう
1970年代後半の田園風景が美しいアフガニスタン。固い友情で結ばれていた資本家の息子とその使用人の息子。とある事件をきっかけに、ふたりの友情に亀裂が入るが、そんな折、旧ソ連のアフガン侵攻が勃発する。
幼少期の残酷なまでの行き違いは、後に大きな後悔となって襲い掛かる。本作は主人公アミールが、国家的宿命に左右されながらも、強い意志で乗り越える贖罪の物語。
更に言えば、その贖罪を困難なものにしているアフガンの現状に、実直で無垢な眼差しを向け、祖国へ何をしているのかと問う怒りの物語でもある。
実際、作中前半部分に描かれている70年代のアフガニスタンと後半に描かれている2000年代のアフガニスタンは、同じ国とは思えないほど歴然とした違いを見せる。そして僕らがすぐにイメージできるアフガニスタンは後半のほうだ。
少年期の取り戻せない罪の償いの辛さに加え、母国が崩壊してしまった遣る瀬無さのオーバラップが切ない。そして、それでも前に歩みを進める様に、友情、贖罪、母国愛の強さを見た。
行動に移すことが大切
THE KITE RUNNER
「君のためなら千回でも』ダリ語/英語
米国映画、監督マーク フォスター
「良いこと(行い)をする機会はまたある。」うまく書けないけど、何か今まで人や社会などに対して、人を傷つけたり、悪いことをしても、崩れたままにしておいたり、罪の意識を感じながらそれをそのままにしておかないで、修復すること。そこにはきっと良いことをするチャンスがあるから。』と私は解釈している。この映画にこの言葉が出てくる。
アミルの父親もハッサンも叔父のラミールも信念があり一本筋が通っていて強い。父親もアミルに喧嘩をしたりしたら、いつまでもそのままにしないで、すぐ解決しなさいと。
アミルは自分に自信がなく、おどおどしていていつも彼の目は揺れ動いていて、問題点を直視できず、萎縮してしまっている。アミルは物語を書くのが好きだが、それはまるで現実の弱い自分から逃れているようだ。
分身ハッサンを傷つけ罠にかけて、その後、父とアフガニスタンを後にした。ロシア兵にも堂々と向かっていける父親を見ても、そこからは学べない。
アミルは難民として米国のカルフォルニア州フレーモントで成長した。そして、作家になったが心の中はハッサンに謝れないままでいる罪悪感でいっぱいになっている。
この映画は前もみたけど、その時は、ロシアのアフガニスタン侵略(1979)やタリバン政権の方にもっと興味があって、アミアの過酷な心のヒーリングの旅行に趣を置いていなかったと思う。何しろ、有名なベストセラー小説なので多分、多くの人々は映画より小説で読んでいるかもしれない。賢人の言葉がたくさん詰まっていて、社会での生き方を教えてくれる映画。
最後の方のシーンでアミアが甥ソーハーブ(Sohrab)を見つけ出すシーン。胸が詰まった。
ソーハーブ「両親の顔をもう忘れ始めている。悪いこと?」ーーーずっと前にタリバンに両親は殺された
アミル「甥のお父さんの写真を差し出す。」
ソーハーブ「時々、両親が死んで良かったと思うんだ」
アミル「なぜ?」
ソーハーブ「だって、こんな自分をみせたくなから。僕はとても汚れているんだ。」ーータリバンは孤児院から女の子をさらうけど、男の子も連れていく。この甥はその一人。
アミル「汚れてなんかいないよ。私はあなたを傷つけないよ」
自分より弱い存在のソーハーブを心の葛藤をみて立ち上がれた。そこに自分自身を見たから。だから、そこにかれの心を修復できるチャンスがあった。我々人生においても同じことができると言える。
アミルはハッサンの子供ソーハーブを自分の子供として受け入れて『 君のためなら千回でも』と。初めて自分に自信がもてて彼の目の動きは動揺しなくなった。
人生のおいて、いつかきっと自信を取り戻すことができる。それには行動に移すことが大切。アミルは叔父のラミールの力を借りて、行動に移せた。
涙で息ができなくなる
カーレド・ホッセイニ原作ベストセラー小説の映画化。
邦題に込められた意味を理解出来るのはラスト。
涙で息ができなくなる。
2014.4.23
フォレストガンプが好きな人は、絶対好きになる映画です。
アフガニスタンが舞台。
登場する少年二人組の関係は、主と召使であり、種族も違ったが、構わず親友の関係だった。
二人の住む町で凧あげ大会で、二人はチームを組み、見事優勝する。
町の外れに落下した凧を召使の少年が取りに行こうとする。
主の少年が礼を言う。
その時に召使の少年が映画のタイトルを叫ぶ。
しかしその道中に召使の少年はいじめっこに遭遇し、いじめられる。
というか、犯される。
それを目撃した主の少年は、召使の少年と距離をおくようになって…
もうね、びっくりしたよ。
お尻から血を垂らしながら帰るんだよ。
日本のいじめの描写って殴る蹴るだけど、
治安が悪い地域のいじめってこういうこともあるのか。
劇中で印象に残ったセリフが以下の2つ。
「この世に罪は一つ。盗みだ。
他の罪は盗みの変形。
盗みは何より卑劣。」
「早く問題を解決しておけ
時は問題を悪化させる。」
この映画はまさに「素晴らしいヒューマンドラマ映画」です。
フォレストガンプが好きな人は、絶対好きになる映画です。
感動。
ストーリーについて。
舞台設定がぼくにはわかりにくかったですが、最初から最後までテーマがぶれないストーリー構成で、ベタながらもラストでワッとなる展開でした。スッキリする展開。
キャストについて。
敵対者の人の大人役になったのは分かりにくかったなあ。主人公は子役も大人役も似てたのに。
テリングについて。
やはり舞台設定は個人的に難しい。凧あげのシーンは綺麗だったなあ。
まあ単純さは否めないけど、トータルで良作だった。
つけひげ
背景を理解していなかった私は、少し難しいと感じる所がありましたが。少年のぶれないまっすぐな気持ちに心打たれました。後半は泣きっぱなしです。時を越えてわかりあえた?後悔しないうちにできる事をすべしです。
懐かしい友達のことを思い出す
いったい何を千回でもしてくれるのか気になるタイトルだよね。
まぁそれは置いといて。
どんなに仲が良い友達でも、中学、高校、大学とお互いの環境が変わるにつれて、疎遠になっちゃうことってない?
時間が経てば経つほどその人との再会はしずらくなってくよね。
寂しいことだけど、僕もそんなことだらけです。
この映画の主人公も少年時代の大切な親友と疎遠になってまうわけ。
しかも舞台はアフガニスタン。ソ連のアフガニスタン侵攻で、アメリカに亡命した主人公とその地に残った親友との間には、そりゃもう高校大学の比ではないレベルの疎遠発生なわけだよ。
しかも主人公は、自分を他の誰よりも信じて慕ってくれた親友に対して、最悪な裏切り行為をして別れたっきりという状況。
あぁ、こりゃ一生心に残るトゲだ。忘れたくなるのも無理はない。
でもある日ね、20年ぶりにそんなことを思い起こさせる1本の電話が入るんだ。
それを受けて主人公は、自分が親友にしてしまった罪を償うために、タリバン独裁政権下にあるアフガニスタンへと、故郷へと向うことになったんだ。
「君のためなら千回でも」これは親友が主人公に送ってくれた言葉。
「君のためなら千回でも」これは主人公が親友に送りたかった言葉。
かつて送れなかった言葉を親友に返すために、主人公は行くのでした。
凧飛ばすシーンは迫力大です!
、『君のためなら千回でも』という台詞に、千回でも感動させられます。
かつて『ネバーランド』で全世界を感動させた、マーク・フォースター監督の新作です。この作品も前作同様感動作です。おそらく時間と共に名作として長く語り継がれる作品となることでしょう。見ようかどうしようか迷っているなら、ぜひお勧めします。見終わった後の後味がとてもいい気持ちになれますよ。
本作品は、時代や運命に翻弄された2人の少年の友情を軸に、愛、信頼、絆、過ち、後悔といった人間の本質を鋭く描き出しています。
少年時代に後悔という十字架を背負った主人公が、過去の過ちを償うため、自らを犠牲にする悲痛な姿は見る者の涙を誘います。
根底に流れるものは、運命によって引き裂かれた主人公のふたりの少年の悲しみではありますが、2人の誓った『君のためなら千回でも』という絆の深さは暖かい感動さえ感じさせてくれました。
物語の最後には、いつでも強い信念と勇気を持って一歩を踏み出せばもう一度やり直すことができる、と希望に満ちたメッセージを送っています。
原作のテーマである人間性と精神を崩すことなく、悲しみの中にも希望を見出そうとする人間の強さを見事に描いた作品に仕上がっています。
本作は30年間にも及ぶ、主人公アミールの親友ハッサンへの贖罪の話なのです。
掛け替えのない友が暴力にあったとき、自分にも勇気が出るだろうかと問わずにはいられません。
そんな二人を演じる子役は、現地で直接フォースター監督がオーディション(実際は凧揚げ大会だった)をして決めたのだそうです。しかも二人がクランクアップした後には、周囲の迫害から逃れるため、家族を含めて生涯の生活の保障まで付けたというから、さすがハリウッド映画のやることは違います。
『ネバーランド』で実証したように、フォースター監督は素人の子供を演出する能力に長けており、子供らしい微妙な気持ちの変化や表情など、今回も子役の自然な演技が際だっていました。特になにも命令されても従順なハッサン役が印象に残りましたね。
この作品では、アフガンの文化や風習が見事に再現されており、アミールがカブールを目指す途中の山岳風景、険しい道のり、そしてスリル満点の国境検問シーンなど、まるでドキュメンタリーを見ているかのようにリアルでした。
さらに、アフガニスタンの青い空を背景にした凧合戦の凧を、凧目線で追うカメラワークは見事でした。このシーンのために、CGも使っているとのこと。そのため凧合戦の凄いスピード感とアクロバティックなカメラワークが、よく表現できました。まるで自分が凧を操っているような感動を覚えさせられるようなシーンでしたね。
最後に、『君のためなら千回でも』という台詞は、ラストでも再び出てきて、感動させられます。見返りを求めない気持ちを表す実にいい言葉です。 小地蔵も、困っている人を見つけたら、無条件で『君のためなら千回でも』といって、そそくさと行動できるような慈悲に溢れる菩薩さまになりたいものです(^^ゞ
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