劇場公開日 2007年12月14日

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「高尚ぶったゾンビ映画」アイ・アム・レジェンド totyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5高尚ぶったゾンビ映画

2007年12月26日

寝られる

冒頭30分の廃墟と化したNYの風景は素晴らしい。
だが「ひとりぼっち」の表現が後へ行くほど凡庸になっていく。
前半の状況設定の語り口はとても洗練されていて素晴らしいが
後の展開が陰々鬱々というか、無理があるというか、ダラダラ…というか…

エンディングの陳腐さは、エンドロールと同時に一斉に立ち上がって立ち去ってしまう観客の反応からも明らか。

「ゾンビ」の元ネタとしても有名な原作の3度目のリメイク。
ということで、ネタ割れしている者にとっては、全くサスペンスが成立せず、早々に退屈してしまう。
ネタバレしてない人も、まさか「ゾンビ映画」とは思っていなかっただろう。

その肝心のゾンビだが
チラ見せの時は生身で不気味だったが、動きだすとCGなのでシラケてしまう。生身がゆっくり動いて追いつめられていくロメロ版「ゾンビ」の切迫感にはかなわんよな。
この映画のビジュアルで出来が良いのは、皮肉にもCGに頼らなかった所ばかりだった。

主人公の行動・生活には、科学者とは思えない非合理的な行動が目につくのが気になる。
明らかにウイル・スミスに合わせたような所が引っ掛かる。
どうも話がしっくり来ず、違和感を感じるのは、彼に合わせた人物設定と物語とが合致していないからだ。
たった一人の登場人物に感情移入でずないため、冒頭のインパクトの余韻が冷めた後の退屈なこと…

toty