劇場公開日 2007年12月14日

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「製作する側と宣伝する側の意思の相違・・・」アイ・アム・レジェンド Kobyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0製作する側と宣伝する側の意思の相違・・・

2017年2月26日
PCから投稿

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悲しい

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2008/07/15 鑑賞

物語の始まりから既に廃墟と化したニューヨーク。
その後も何故ニューヨークがこうなってしまったのか?という説明は一切ない上に、ニューヨークが今現在どういう状態なのかというのを説明するのも小出しにしていく感じなので、正直、原作や前もってどんな作品なのか?という知識が全くない人には前半は「?」ってな感じになってしまうのじゃないのかなと感じた。

まぁ、これだけ製作にも宣伝にもお金をかけている作品なので、観る人はある程度どんな映画なのかという予備知識を持って観るだろうからそのへんは問題ないんだろうけど。

で、僕がこの作品を観ていてずっと気になっていたのがやはり、「何故世界がこうなってしまったの?」ということ。
女性科学者アリス・クルピン博士が発明した新たな医療法が原因なのは分かるが、具体的な理由は一切説明されていない。
ホラーやサスペンス映画なら絶対にそこは外すことはできない部分なのに「なぜ説明しないんだろう?」と思っていた。

だけど、僕はこの作品の終盤あたりで心を掴まれるように気付かされた。

これは「伝説を作ったある一人の男の話」なのだと。

そう考えれば、何故世界があぁなってしまったかなんて説明する必要は全くない。

いろんなところでラストがダメだとか書かれているが、そのラストすら別に必要性は薄い。

これは「ある一人の男の戦いを綴った映画」なのだから、主人公の感情や心境が視聴者に感情移入し伝われば、それで大成功だと思う。

その点では一人で孤独な戦いを続けることにより緊張感をより高めることが上手く出来ていたので、バッチリだったんじゃないかな。

少なくとも、愛犬サムのシーンや家族のシーンで思いっきり感動してしまった僕は完全に感情移入していました。

この作品はスリラー要素やサスペンス要素、アクション要素が一見強い映画のように見えるが決してそんな期待でこの映画を観てはいけないと思います。

この映画は最高のスリラーでも最高のサスペンスでも最高のアクション映画でもなく、

いち『ヒューマンドラマ』なんです。

2008/07/15

Koby