劇場公開日 2007年12月22日

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「助け合う心が好き」迷子の警察音楽隊 ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0助け合う心が好き

2020年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

コメデイで面白くおかしく笑ってみた。正直いって、この笑いの中には隣同士の国でも宗教ばかりでなく文化が大きく違う。また、この音楽隊の中でも2枚目の若者Saleh Bakriと他の年配の隊員や隊長(Sasson Gabai)とでは文化が違う。その中に人間としての笑い、音楽、などの共通項を見つけ出せるので心が温まった。そして、絶対と言っていいほど、宗教と政治に話はしていない。共通なものを見出せるのは一般市民で、政治家やリーダーではないのが残念。米国ジャズの大御所だったチットベーカーの曲も文化の違う二組の心を繋げた。

会話は英語、アラブ語、ヘブライ語で行われるが、50%ぐらいはシンプルな英語を使っている。隊長を除いて。シンプルな英語が俳優の演技で賄われているのがいい。隊長の英語は教科書に出てくるような形式的な英語で、イスラエル人の話す英語と違いが。はっきりいって、芸術には国境がないし、アラブイスラエルの問題は市民レベルでは解決策が見出せるということだと思う。

Alexandria Ceremonial Police Orchestra がカイロからイスラエルに到着したが、迎えにくるべき人が迎えに来ていない。ペタクチュクヴァPetah Tikvaのアラブ文化センターに行く予定だが、アラブ語の発音がヘブライ語人に誤解を与えたらしく、なにもないイスラエル南部のネゲブ砂漠のBeit Hatikva (('House of Hope' in Hebrew)に降ろされてしまう。(これは架空の場所らしい)翌日までバスがなくそこで八人は一晩過ごすわけだが。。

カイロからの音楽隊の宿泊を引き受けたユダヤ人の男性の家族の家の写真にシモン・ペレスの肖像画あったから、時代背景はオスロ合意以降で多分2000年前後の話を舞台にしていると思うが定かではない。隊員の一人が帽子で、イスラエルの戦闘タンクの写真を隠すところがいい。ここで、子供をあやすオルゴールの音を聞きながら、隊員の一人は作曲が中途半端だったコンチエルトのアイデアがうかびそれを仕上げることができる。いいね。

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