劇場公開日 2007年12月8日

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エンジェル : インタビュー

2007年11月29日更新

82年ロンドン生まれのロモーラ・ガライは最近、本作ほかにウッディ・アレンの「タロットカード殺人事件」にも出演。オゾンやアレンという女優に対する慧眼の持ち主に立て続けに起用されたことで目下、注目の若手女優だ。さらに来年のアカデミー賞有力候補と目される「つぐない」(ジョー・ライト監督)にも顔を出しており、これからが楽しみなロモーラ。本作ではエキセントリックな主人公エンジェルを堂々と演じたが、そんな彼女の素顔は?(聞き手:編集部)

ロモーラ・ガライ インタビュー
「セレブリティの生活は“憧れ”ではなく“読み物”よ」

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――もともとオゾン監督の大ファンだったそうですね。彼の作品で一番好きなものは?

「オゾンの映画って、大きく分けると“リアルに描かれている作品”と“装飾的な要素のある作品”だと思うんだけど、前者なら『ふたりの5つの分かれ路』『まぼろし』、後者なら『8人の女たち』。彼の映画は全部好きだけど、やっぱりこの3つは外せないわ」

劇中の黒髪とはまた印象が異なる ロモーラ・ガライ
劇中の黒髪とはまた印象が異なる ロモーラ・ガライ

――オゾン監督は女性心理を描くことに長けていると言われていますが、実際に彼と仕事をしてみてどうでしたか?

「もちろん素晴らしかったわ! 映画監督という職業は、現場をコントロールする力や自分のビジョンを貫く強さが必要とされるから、当然男性の方が多いんだけど、そういった環境で映画全体が苦しむのは“女性の描かれ方”。女性を多面的に描けなかったり、性的な部分でしか描こうとしなかったりね。でも、オゾンは自分のビジョンを持って周りを従わせる力を持ち合わせながらも、女性心理を描くことに長けているのよ。おそらく彼は、自分のアーティストとしての力量を周囲に証明しなければいけないと感じているんじゃないかしら。女性が男性と平等であるためには、常に努力しなきゃいけないようにね。だからこそ女性のことを尊敬し、あれだけうまく女性心理を映し出せるのよ。彼のような監督はとても稀よね」

――本作の主人公エンジェルは、自分が憧れる上流階級の生活を小説に綴ることで富と名声を手に入れる作家ですが、何かを表現するという意味で女優と作家は共通点も多かったのではないでしょうか?

「これはステレオタイプな考え方かもしれないけど、物書きの人は自分の内なる世界がとても豊かな反面、他者とコミュニケーションを取るのはうまくない。彼らは自分の作品を通じて人とコミュニケーションを取っているの。反対に、誰かが作った題材を解釈して演じるのが俳優という仕事で、私たちは他人に認められて初めて仕事ができるのよ。そういう意味で女優と作家はかなり異なる仕事だと思うわ」

――ペン1本でのし上がっていくエンジェルというキャラクターとご自身に共通点はありますか?

「アーティストとしてのエンジェルは、クリエイティブで常に(小説を)作り続けていて、何より自分は成功するんだという絶対的な確信を持っている。そういう部分は尊敬に値するし、どんなアーティストもそういう気持ちであるべきだと思うわ」

セレブの生活こそ幻?
セレブの生活こそ幻?

――多くの女性はエンジェルのようにセレブリティになりたいと思っているようですが、ご自身はどうですか?

「エンジェルが求めたのは成功とお金で、それは他人をコントロールして自分の空想通りに生きるためなの。だから彼女の場合はセレブリティになりたかったわけではないと思う。確かに世の中にはセレブリティに憧れる人もいるようだけど、皆が皆そうだとは思わないわ。たぶん、そういう願望を持つ数人の人たちをメディアが大きく取り上げるから、あたかも世界中の人がセレブリティに憧れているかのように見えるだけで、実際は99%の人が憧れてないと思う。どちらかと言うと、ほとんどの人はセレブリティの生活を(ゴシップなどで)読みたがっているだけなんだと思うわ」

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