ノーカントリーのレビュー・感想・評価
全115件中、1~20件目を表示
Tone-Perfect Thriller
This classic, meditative, thriller has an uneven pace and is unpredictable. There is no soundtrack, the menacing villain and bouts of silence serve as tension in this anti-caper masterpiece. Bardem plays one of the most mysterious and legendary bad guys in movie history. His origin is unknown. The film is a good vs evil detector, but it is not preachy. Coen brothers' best film since Blood Simple.
は?
とにかくあの殺し屋がこわい。笑
数年後、この映画の内容は忘れても、あの殺し屋の印象だけは残ってそう。笑
マッシュヘアにキリッとした顔立ちの組み合わせが、さらに不気味さを際立たせてる。ゆっくり喋ったり、しつこく問いただしてきたり、こいつにとって何が地雷なのかわからない。「なんか怒らせたみたい...やばい...」って思っちゃう。店員との会話とか見てるとヒヤヒヤしちゃう。「わー殺されちゃいそう、殺されるよ、あんま怒らせんな、やめとき」みたいな気持ちで見てた。笑
そして何あの武器。笑 見たことないんだけど。笑 この映画で初めて見た。あの武器で鍵を吹っ飛ばす瞬間、毎回ビクッてなってた。
あれがあいつにとって殺しの始まりの合図だから。こわかった。
大金を持って帰ったばっかりになあ...。とんでもないことに巻き込まれたよなあ。こんな常に落ち着かず、寝れずにヒヤヒヤしなきゃいけないのならむしろ大金ある方がマイナスじゃね?という。
お金ある方が苦労する、疲れてるじゃん...っていう。
お金がある間は、あくせく働かなくてものんびりゆっくりできる、みたいなのが私の中でお金があることの醍醐味だと思ってるから、
こんな四六時中ヒヤヒヤしたり逃げたりしなきゃいけないんだったら働いてお金稼ぐ方がマシ、と思っちゃった私は。そんな平凡な考えじゃ物語になりませんけど。笑
でもこのモス?自体、最初からなんかこういうスリル味わうことが好きそうな人物ではあったなあ。あの狩猟して、殺人現場見つけちゃったときも「巻き込まれたくない」っていう人間の行動ではなかった。むしろわくわくしてるように見えた。そういう人間なんだろう。だから私が思うほど殺し屋に追われてても「最悪だ」って思ってないのかもしれない。俺もやったんぞ感が彼にもあった。だからしょうがない。そりゃこうなるわ。
あと、私だったら真っ先にあの大金を別のカバンに入れ替えるけどな、と思った。あのカバン目立つ、というかもろ金目のものが入ってる感ある。
なーんでもない、その妻がもってるかばんとかに入れ替えちゃった方がいいのに、とか思いながら見てた笑。
よくわからないことが結構残ってるんだけど、あの殺し屋はどこに?誰に?属して仕事してんだろう?フリーランス殺し屋?笑
とりあえず今回のあの大金に関しては、取り戻すことが彼の目的だったことはわかるけど。あいつが、何を目的にこんな仕事をしているのか、生きているのか、よくわからなくてそれも不気味だった。
あいつに関してわからないことだらけ。
その謎をスッキリしたくてずっと見てしまうってのもあったかもしれない。
トミー・リージョーンズ演じる地元ポリス。
彼のセリフを聞いてると、よくわからなくなる笑、って言ったらあれなんだけど、理解しようと巻き戻して見たりしたけど、んー、どういうことを表してるんだろうこのシーンは。って結局よくわからなかったりした。
彼自身、年々世の中で起きる事件を見てくなか、不可解なことが増えてきて
「なんかもう引退なのかもしれないな、バリバリ中心でやってく!って感じじゃないんだろうな」と感じてる、そういう、歳を重ねてくることで感じる世代のズレ、ギャップ。それに対する焦燥感、みたいなものを表していたのかな、彼のシーンは。
なんだったんだろう、ということはいくつか残ってるし
この映画で監督が一番大事にしてる軸、ストーリーの軸は何だったんだろうと、それが気になってわからないまま、でした。
いろいろ考察・レビューも見たけど、わからない人が多いようでした。
【ただの作品であり、映画では無い。】
チェンソーマン第1期のOPで、本作のパロディが作られており、気になったので調べてみると「ノーカントリー」は非常に有名な作品だと知る。
キノコ頭の不気味さ、80年代あたりのアメリカンな雰囲気が好きな自分は、即マイリストに入れました。
期待を胸に膨らませ、鑑賞してみると、なんだこれは。
シガーの気味悪さは好みだし、やはり作品の雰囲気は最高であったので、愚作とは言わないけれど、『回りくどさの美学』みたいな物を過信し過ぎではないか。
こういう所謂『判りにくい映画』と言うのは、何処に行っても一定数褒め称える層がいる。純粋な気持ちで作品を評価するのが筋であるが、ただただ難解を極めただけの映画を評価し、それを文化人と形容するのはどうなのであろうか。
個人的な意見ではあるが、映画に限らず、小説や漫画等の“文化的作品”という物は、いつも消費者(鑑賞者)をある程度意識して造らねばならないと思っている。
消費者を度外視した製作者や、それを称える消費者は、ただの自慰行為に過ぎないと、僕は思ってしまう。
ただただ、何故評価されているのか分からない作品であった。
凶悪犯罪版ビートルズの到来
BGMが全くなく、静寂と非日常的なバイオレンス描写のコントラストが癖になる。
独自の行動理念で人を殺す理解不能な殺し屋にひたすら無力さを感じる老いた警察官が語り部となっているが、その殺し屋であるアントン・シガーは残忍だがとてもモダンな存在だ。
基本的にわけがわからない。
動機も理解不能。
旧時代の価値観では、彼が何を考えているのか全くわからないのだ。
そして、年寄りがそれを静かに嘆く。
それはマッシュルームカットっぽいシガーの髪型からも連想されるように、かつてザ・ビートルズが一世を封した1960年代に年寄りたちが彼らを「わけのわからないもの」として捉え、世の中を憂いていたことをなぜか彷彿とさせた。
そういう部分もあって、私の中では凶悪犯罪版ビートルズの到来みたいな映画なのである。
犯罪も時代によって変わっていくということか。
くだらない
靴底についた血は、気になる(赦す < 懲らしめる)
※2024.5.1一部追記
2007年公開。コーエン兄弟製作。
アカデミー賞8部門ノミネートされ、うち4冠(作品賞、監督賞、脚本賞、助演男優賞)達成。
冒頭シーンからR15指定(笑)。
原題は『No Country for Old Men』、有名な詩からの引用らしいが、昭和の名作風に訳すと『年寄りたちに国はない』か。
印象的なシーンから。
ターゲットとして追い続けていた男の妻(ケリー・マクドナルド)が住む一軒の家からゆっくり出てきた殺し屋は、自分の靴底を見ようとする。
弱々しい若妻の運命が暗示され、見る側に絶望感を与えるシーンだ。
殺し屋、というより「殺人マシン」アントン・シガーを演じたハビエル・バルデムは、アカデミー助演男優賞を獲得した。
助演ではなく主演だろ、と突っ込みたくなる。
組織に雇われた殺し屋のはずだが、自分だけのディシプリンを持ち、それゆえに雇い主まで殺してしまう。
ワケがわからない。
コイントスによって殺す殺さないを決めることもある。
ワケがわからない。
つまり、サイコパスだ。
もう一人のキーキャラクター、ベトナム帰還兵ルウェリン・モスを演じたのはジョシュ・ブローリン。
荒野の真ん中で極秘裏におこなわれた麻薬取引が決裂し双方の組織がほぼ全員死んでしまう。
たまたま現場を通りがかったモスは、大金を見つけて持ち帰る。現場の様子から見て、「ヤバいカネ」なのは明白だ。
トレーラーハウスに住むモスは、妻に実家に戻るように言いつけると逃避行を始める。
ほどなく殺し屋シガーは、カネを持ち去ったのがモスだと突き止め、冷酷さを発揮しながら徐々に追い詰めていく。
追われるモスも、「金を返せば助けてくれる」パターンはないことを理解し命懸けの逃げを打つ。
殺し屋が泥棒を追いかける構図だが、銭形に追われるルパンに慣らされたわたしは、泥棒(モス)を応援してしまう。
結果としてモスは殺し屋には捕まらない。
↓
これは私の早とちりらしく、原作でもモスを殺したのはアントン・シガーとされていて、映画においても赤の他人(プールサイドにいた女性など)を容赦なく殺しているのはアントン・シガーの犯行を物語っている、と。
言われてみると、その通り。
保安官が現場に到着したとき、慌てて逃げるギャング団とすれ違うが、ギャングたちもモスが先に死体になっていたので驚いて撤収していただけだった。。。。
主役は、トミー・リー・ジョーンズ演じる老保安官エド・トム・ベル。
老保安官は、現場を見て何が起きたのか推理を巡らせ、逃げているモス、執拗に追いかけるシガーに徐々に近づいていくのだが。。。
モスを追いかけるもう一人の殺し屋、カーソン・ウェルズ(ウディ・ハレルソン)もシガーの化け物感を増幅させるのに貢献している。
麻薬天国アメリカ
銃天国アメリカ
2001年同時多発テロ以降、世界に世紀末感が漂う中、
性善説 < 性悪説
ほどほど < 徹底的
赦す < 懲らしめる
アメリカって、昔からこうだったっけ?
という老人の慨嘆が、
アメリカ人の多数を代弁したのだろうが、
日本だって同じだ。
闇バイト、トクリュウ…
いまを生きる若者が気の毒になることもある。
分かりやすい作品なのだが、分からないことが多いことも分かった鑑賞に…
以前、鑑賞したことのある作品だが、
その残虐な内容の意味性を理解出来なかった
記憶だけがある中で、
アメリカ文学と映画の関係について
触れた書籍を読んだことから、
栄えあるアカデミー作品賞受賞と
キネマ旬報ベストテン第1位選出の
この作品を再鑑賞した。
コーエン兄弟の作品としては、
これまで「ブラッド・シンプル」
「バードン・フィンク」「ファーゴ」等を
観てきていたが、
総じて残虐な事件を背景とした作品が
多かった印象で、
以前の鑑賞では、この作品が
その極め付きのような印象を受けていた。
さて、シガーの雇い人とウェルズの
ビルの階数についての会話は、
単なる“13”の数字の扱いに留まらず、
トランプタワーの階数問題を皮肉った
ようにも思えた今回の鑑賞は、
冒頭の保安官は何の容疑でシガーを逮捕した
のだろうか?
事件現場で、シガーは何故、
雇い人の関係者らしき2人を殺す?
保安官が現場に来た時は
麻薬はなかったので、
シガーが持ち去ったのだと思うが、
その後の経緯には全く触れていないのは?
シガーが、モーテルでモスの部屋と勘違い
して殺害した3人組の部屋は、
モーテルの受付の女性の話では
空いていたのでは?
そもそも、
シガーは何故、いちいち人を殺すのか。
社会の暴力性を象徴する役割のキャラクター
だとしても、
そんなに殺す事ばかりやっていたら
すぐに組織や警察に追われることになり、
本来は必要な殺しのためにはマイナスばかり
ではないのかとのリアリティ逸失感が?
ウェルズはどうして簡単にモスの入院先が
分かったのか?
モスを殺しに行ったはずのウェルズは
どうしてこうも無防備なのか?
心象風景を一番詳細に描いたモスは、
負傷者に水を与えるために危険な場所に戻る
選択をする人情味のある、
ある意味、この作品の主人公とも言える人物
なのにも、何故、その死の瞬間を
あっさりと処理しているのか?
銃を持たない主義の保安官が
再び携帯することにしたことは、
この作品の重大な要素だろうが、
何故、その心の変化を詳細に描かないのか?
保安官が現場を訪れた時に
シガーが潜んでいたようなのだが、
簡単に殺しまくるシガーは
何故、この時だけは殺人を行使しないのか?
総じて昔は良かった、かのような
保安官の言葉を通しての作品の全体像だか、
果たして無法なウエスタンの時代が
懐かしむほど良かった時代とは思えないが?
等々、分かりやすい作品ではあるのだが、
枚挙にいとまがない程、
分からないことが多いことも分かった鑑賞と
なってしまった。
また、この作品でも、
何故か宮崎駿の製作手法が思い出された。
彼の場合、美しい場面が先にあって、
その絵に合わせてストーリーを繋いでいく
と言われているが、
この作品の場合は、
空気圧縮銃の使用や
コインの裏表エピソードのように、
シガーの数多くの特異な殺害設定が
先にあって、その後にストーリーを
繫いだかのような印象もある。
この作品、
演出も編集も優れていると思うのだが、
分からないことだらけで、
また、そのストーリーを繋ぐのが
殺人というネガティブな要素であることが
想い入れし難いものにしてしまった。
尚、私の一番好きなコーエン兄弟の作品は、
「ミラーズ・クロッシング」だ。
こちらの方は
“詩的”な暴力描写の作品だったので。
趙印象強烈
おかっぱ頭の恐怖
そこはかとなく不条理にある喪失
時代はブッシュ政権2期目。イラク戦争の後始末、リーマンショックそして9.11と災難が続き支持率は当時のニクソンを下回る不人気ぶり。アメリカが内外ともにグリップ力を失っていることを実感する時代の空気を捉えた作品。
ラストに人助けをする子供たちが、メキシコ国境での対比に、未来への期待がほのかに表現されている。
狂人による異常かつ凶悪な事件
映画史に残る
ラスト・オブ・アス
アントン・シガーを主役にした作品を作って欲しかったです。
死は突然にやってくる…。
すごい緊張感
全115件中、1~20件目を表示