ノーカントリーのレビュー・感想・評価
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怪優ハビエルバルデム
80年代のアメリカテキサス州を舞台に麻薬取引の金を横取りしたモスとその金を追うアントンシガーの2人の男が起こす静かで激しい逃亡劇を描いたバイオレンス作品。
恐ろしく静かで狂気に満ちた今作品。
シガーの圧倒的な残虐性と暴力、ひたすらに無表情だが時折心底楽しそうな歪んだ笑顔を見せる姿に目が離せない。冒頭の警官を絞め殺したシーンは顔だけみたらどっちが締め上げられてんのかわからない迫真(?)の演技。
そして何よりこの2人の争いがとても血みどろで相当痛そうに見える。銃撃戦を辛くも逃げ出したモスは病院に。しかしシガーは麻酔無しで自らの足を手術。そしてそのまま風呂へ。。
なんというか、こう、キュッとなるよね(何が)
その2人を追う保安官のベル。
長年に渡り保安官を勤め上げてきたが近年の犯罪者の理解不能な行動に戸惑いを感じ、その象徴となるシガーの登場に保安官としての限界すら感じ始めてしまう。
保安官が自身の存在に自信を持てなくなってしまうほどの純粋悪。シガー自身の存在だけでなく、このベルの存在があってこそでシガーの悪がさらに印象的なものになっている。
コーエン兄弟の映画は理解が難しい。なかでもこの作品は上位にあたるだろう。アカデミー好みの作品っぽい印象は受けた。
個人的には2軒目のモーテルでドア越しでのお互いの様子を伺っているときの沈黙だけでアカデミーもんだと感じた。あの緊迫感はすごい。あまりの沈黙に思わず音を上げすぎていると?あのシーンはそんじょそこらのホラーより心臓に悪い笑。
ヒトがやっぱり一番怖いよ
次々と人を殺していく殺人者の心情が、全く掴めない。絶対悪、理解出来ない人間がいることを描いている。そういう人間が次にはふらっと表れてくるのだから恐ろしい。
共感も言い訳も同情もカットされた、スタイリッシュな映画となっている。この何が起こるか分からない緊張感の連続はエンターテイメントとしておもしろかった。
最後の最後までおもしろい。
難しい
殺人鬼が迫ってくる、ハラハラドキドキのスリラー系やと思ってる人多いと思いますが、そういった方々は見ない方がいいです!
深い映画が好きな人でなければ、この映画の終わり方に納得がいかないと思います。
見た後、よく考えるか、解説を見るといいです。
つまらない
どこらへんが面白いのか全く理解できなかった。ストーリーに深さを感じることもなく、キャラクターに魅かれるわけでもなく。
どんなクソな映画でも響く人がいるからこの映画にもそういう人はいるんだろうけど、私はこの映画を誰かに勧めようとかは絶対に思わない。
まだ実話だったり、最後にどんでん返しがあればよかった(たとえばトミーリージョーンズがシガーと同一人物だったとか)。
なぜこの映画が世界中で受けたのだろう。さっぱりわからない。
期待値
『ノーカントリー』というタイトルはもちろん知っていたし、あのコーエン兄弟の代表作だということも、そして劇中に出てくるアントン・シガーが映画史に残るサイコパスであるということも全部知ってました。
が、観てなかったんです。
そして観たんです、やっと。
期待値が高くなりすぎていたのか、自分が未熟なのか、単に合わなかったのか。
いやでも面白いのは面白いんです。
ただ、サイコ野郎アントンシガーに対するメンバーの誰にも感情移入できなかったのが僕の敗因かと。
とりあえずもう一回じっくり見ることにしようかな~。
老ぼれ保安官の憂鬱
アントン・シガーが冷酷非道な恐ろしさでターミネーターにも勝てそうな無敵っプリで追う者として圧倒的な不気味さが際立つ。
現在の犯罪者に殺人者と宇宙人的な違和感で戸惑い昔は良かったとヒヨったT・L・ジョーンズが物悲しげな哀愁を。
C・ブロンソンばりにアクション俳優な風貌のJ・ブローリンもアントン・シガーには敵わないしJ・バルデムの最高傑作なのは間違いない。
乾いた冷たい映像にアントン・シガーの全てにハラハラ、ドキドキと目が離せない。
バルデムだけでも見る価値あり
狂気の殺人犯を演じるハビエル・バルデム。
初登場でいきなり保安官の首絞めから始まり、それ以降も容赦なく人を殺していく。
髪型といい、表情といい、冷酷な暗殺者として不気味さ満載。現在でいうジェイク・ギレンホール。役作りの完成度がハンパない。
コーエン兄弟ならではの殺戮劇ではあるが、コイントスで殺すかどうかを選択するなど、殺しを楽しむというよりも一つ神に委ねているような場面にバルデムの考えがわからず、深いなぁと思わせられた。深いのかただわからなかったのか。
ただし、この映画は何度も観れる。次に観たら、また感想も変わるだろうし、星の数も増えるかもしれない。そういう映画。
こんなラストはじめて…
はじめから、あらすじなどを見ないと何がどうなってるのか理解できなかった…
え、これ誰!?誰が死んだ!?っていうのが理解力がないので難しかったです
まずシガーさんの武器が自転車の空気入れのようで。
あとから解説とかをみて、ようやくなんだったのかわかりました
金を持って逃げた男が主人公だと思いながら見ていたので、
途中で老いた保安官の心情を丁寧に描き出したとき、なんで?と思っていましたが
最後までみて唖然
どうなるんだろう…と固唾をのんで見守っていたのに途中でテレビ消された感じでした
この映画は、人が理不尽に巻き込まれていくのがショックではなく、ラストが衝撃
いろんな解説や解釈をよんでようやく、なるほど~と思える映画でした
シガーの存在感はすごかったです
普段映画の登場人物の名前なんて覚えもしないのに、この人の役名はすぐ覚えれた
アメリカやメキシコ文化圏の人にはすごく深い映画だったのではないでしょうか
全然文化圏が違う私も、理不尽にまきこまれる、運命に翻弄される人々を描いた点では共感ができた
最後ジョーンズさんの詩みたいなセリフはよかったです
徹底して、楽しませる気なし
媚びを売らない、それもここまでくると唖然とする。
「気分が悪い」。鑑賞した印象を簡単にまとめると、こういうことになる。
ストーリーらしいストーリーがあるようで実は、ない。感覚的に引っかかる、そんな場面を「事件」にあてはめていったという感じでしょうか。
「気味の悪さ」「嫌悪感」を意図して見る側に植え付ける。それを具現化することの、凄み、それのみに突出している作品。
不条理に打ちのめされた
理由は特にないが、昨晩、数年ぶりで観直した。
ハビエル・バルテムが演じるアントン・シガーの不気味さは、作品全体のトーンでもある。逃げても逃げてもなぜか追ってくる。避けられようのない災厄の象徴だ。そして、人間は、なぜかその類のものを呼び寄せる方向へと行動してしまう。その象徴がジョッシュ・ブローリン演じるモスだ。
自分が、モスの健闘ぶりになぜこんなにも肩入れしてしまうのか、そしてあっけなく、しかもシガー以外の追っ手に射殺された時、激しい喪失感を感じるとともに、せめてシガーとの対決で死なせてほしかったと願ってしまうのか、久しぶりに観直してようやく自分の感情の理由がわかった気がした。
逃れることのできない宿命を前にして、最後まで闘ったモスと、闘いの螺旋から降りたトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官との対称性に愕然としたのだ。だから、自分にもいつか訪れる理解不能な多くの事柄(テロだの、無差別殺人だの、原発だの、AIの進化だの…)に、最後まで抗ったモスを、知らず知らず自分に重ねていたのではなかったか。
モスにも、シガーにも、突然全く異なる角度から訪れる災難に、生きることの不条理を感じてしんどくなった。『ビッグ・リボウスキー』のようなおバカ作品にも、同じようなメッセージは隠れていたが、こう正面切ってシリアスにそれが描かれると、1日をブルーな気分で過ごす羽目にしてくれたコーエン兄弟に、少し八つ当たりしたくなる。
こういう映画待ってました
アカデミー作品賞ということで、楽しみにして見ました。最初からハラハラドキドキの連続で、最高に面白かった。ホテルの部屋に隠れて入口ドアを警戒するシーンは、心臓に悪いほどの緊張感。これぞ俺好みの映画という感じでした。衝撃的です。
思い出した時に久々にみてます。過去3回みた。
見どころはバビエル演じる最高で最悪の悪役
過去にこんな最高な悪役はいただろうか。
ヒースレジャー演じるジョーカーやレオンでゲイリーオールドマン演じるあの悪役や。
そして今回のバビエルバルデム演じる最高で最悪の悪役。
まるで人間じゃないような素晴らしい演技を醸し出す。
あのサスペンス色の強い展開の中に圧倒的な存在感を放つ、バビエルバルデム。
終始拍手でした。
4.6 今までで最も絶妙という言葉が似合う映画だった。なかなか読み...
4.6
今までで最も絶妙という言葉が似合う映画だった。なかなか読み解けないこともあったけど、なんとなくよかった。もう一度見てみたい。音楽とか心情描写とかが凄く深かった。さすがコーエン兄弟。
1分たりとも目を離せなかった
出演者の8割がハビエル・バルデムの殺される映画。
ストーリーの何もかもが私の期待を見事に裏切りました。しかも悪い方向へ。モスはストーリー終盤あたりでメキシコのチンピラにあっけなく殺される。保安官は最後の最後まで事件に深く関わらない。シガーは結局野放しだし、映画はぷつっと終わってしまうし。
モスが大金を手にするまでの草原?でのシーンがカッコ良かったですね。セリフ無し、淡々と進む感じが先日に見たゼア・ウィル・ビー・ブラッドの冒頭のシーンに似てます。オシャレです。
馬鹿な男がひょんなところから大金を手にし、それで命を狙われるなんて分かりやすい話だと思いますが、本当にこの映画に関しては、理解するに相当量考えこまなければなりませんでした。原題のno country for old man ジジイの生きる国はねえみたいな意味なんでしょう。それが象徴的に描かれているのはどこなのでしょうか。トミー・リー・ジョーンズが事件に関わらなかったのはそういうことなのかなあとも思いましたが。ジジイには生きづらい世の中。世知辛く残酷な世界、そんな皮肉が込められている気がします。やっぱり、それをno country だけにしてしまっては映画の本来の方向性を変えてしまうのではないでしょうか。と思ったり。
3人の役者は素晴らしかったです。男気溢れる元軍人、狂気に満ちた殺人鬼、なんだか柔らかい感じだけど頼れそうな保安官。人生ベスト10には間違いなく入ります。
すっきりしない(グロにも注意)
『ノーカントリー』(邦題)の意味は、他のレビューを拝見して、ようやくわかった。
主人公(というか狂言回し的な役)が途中で切り替わったり、キャラの死に様があっけなかったり、演出が物足りない。
最後は勧善懲悪で終わるかと思ったけど、投げっぱなしで終わり。
普通の映画監督なら、保安官と殺し屋が相討ちで終わりそうな映画なのに。
あと、銃創の治療シーンが多くて、グロシーン注意な作品でした。
すっきりしないなぁ。
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