ノーカントリーのレビュー・感想・評価
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狂人による異常かつ凶悪な事件
世の中には自分の力ではどうしようも出来ない事がある。
自分の規則、家族の規則で生きる中で一体どれだけの事ができるのか。
欲を求める男、故郷を守る男たちの前に、今一人の常人離れした精神を持つ猟奇的な殺し屋が放たれた。
この映画はとにかく殺し屋アントン・シガーの狂人っぷりに驚かされます。
独特の雰囲気と武器を持ち歩き、顔色をほとんど変えずに意味不明な質問を投げかけてくる。
映画界には悪のカリスマという人物が存在しますが、この男も間違いなくその一人に含まれます。
この作品において彼の笑顔ほど怖いものはない。
何事も運であり、紙一重
酸素ボンベってそんな使い方できるんですねと、冒頭驚きました。
銃とかド派手な兵器を使った殺し屋ではなく、ありとあらゆる現実的な方法で追いかけてきて、殺していくのがリアルで怖い。
シガーがあまりにも冷静冷酷で、感情移入はしていないものの逃げてるほうをついつい応援したくなる。
トミー・リー・ジョーンズ、あまりにも日本でお馴染みの俳優すぎて、勝手に親しみを持っているせいか、シガーに殺されないでほしいと祈るばかりでした。
それくらい、シガーの迫力がすごかった。
コイントスが表なら殺さない…コイントスひとつで運命を決めるというシガーの狂人さは恐ろしく、紙一重にある生死。一方的に相手の生死を支配して、ついさっきまで冷酷に人を殺したシガーが、最後、車で事故にあい大怪我を負ったシーンで、人の運命のあっけなさ、人の命をあれだけ奪ったシガーも脆く哀れなものだと感じました。
シガーの生と死も紙一重と思わせる、最後の終わり方好きです。
シガーが追ってくる場面が多く、ホラー系やドキドキする場面が多い映画が苦手な自分としては、終始ハラハラして観たので…何回も観たい映画ではないかなと思い、すごく個人的な評価で3.5にしました。
殺し屋がとにかくしつこくて不気味。 大金を奪った男もなかなかしたた...
殺し屋がとにかくしつこくて不気味。
大金を奪った男もなかなかしたたかで、何とか逃げ切ると思ったが・・・。
また、殺し屋は最後は死ぬと思ったが、こいつは不死身か。
途中で登場した、ボディガードを売り込んできた男、大物感を漂わせていた割には、あっさりやられてしまう。
しかも最後は命乞いみたいなことまでして(笑)
作品としてはスリリングで大いに楽しませてもらった。
凶器は屠殺用のエアガン
あまりにも病的な殺人鬼映画、殺人鬼だから異常なのは当然だが演じた俳優(ハビエル・バルデム)がアカデミー賞を獲ることからも際立った不気味さであることは万人が認めるところだろう。
だが、この映画の恐ろしいところは、まるで社会派ドラマのような、ありそうなこととして受け入れられているアメリカの病巣の深さの方でしょう、だから賞を総嘗めなのかも・・。
この手の犯罪ものを作らせたらコーエン兄弟は実に巧み、殺し屋の凶器はなんと牛の屠殺用のエアガンだとか、それで人を殺すと惨いと思う、犯罪ものだから死体には抵抗ないが犬が死んでいると不憫に思う、この人間のご都合主義をあざ笑うかのような演出はほんとに怖い。
先の読めない殺戮の連鎖に耐えるのがやっと、それも2時間余りの長尺だからたまりません。
(ネタバレ)
観終わってみれば、多少気になるところも湧いてきました。
逃げる主人公に散々、感情移入させておきながら実は殺し屋の方がメインだったと言う肩すかし。それにしても思慮深そうな老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は何だったのか?、殺し屋を食い止めると期待したが間に合わず、せめて逮捕かと思えば野放し状態。これでは病的な犯罪増加を嘆く時代の生き証人、ドラマの狂言回し役で終わってしまいました、そう言えば原題はNo Country for Old Men、老人には住めない国でしたね。
逃亡劇に持ち込む為とは言いながら、一旦逃げた現場にわざわざ戻るのも解せません、死にかけていたドライバーに末期の水を飲ませてやりたいと言う設定なのでしょうがベトナムでのトラウマか何かあったのでしょうかね。
奪った金に発信器が仕込まれていたので居場所がばれるのは理にかなっていますが処分してからもやけに簡単に追われ過ぎのような気もします・・。
お国の事情の違いなのかもしれませんが賞を総なめするほどの作品とは正直思えませんでした。
映画史に残る
まずは全く色あせていないことに驚いた。
映像としてもそうだし、テーマもそうだし。
大金と麻薬、そして銃。
それに吸い寄せられる人と死神って感じで
アントンの怖さがトラウマ級。
老人たちが語る「もう世の中がよく分からん」。
いつの時代にも取り残される人はいて、
そこに人間味というか、失ったものに思いを馳せてしまったり。
飲み込みづらさはあるものの、間違いなく傑作。
これからも映画史に残る作品だと思う。
ラスト・オブ・アス
ゲーム『ラスト・オブ・アス』が、この映画に影響を受けてるのを知って、ずっと観たかったんですが、
いざ観てみると、そこまで影響を感じない…
ハードボイルドな世界観や暴力表現に、影響を感じるぐらい…
話的には『ラスト・オブ・アス』の方が、断然に面白いです。
でも、この映画も、かなり良いです。
アントン・シガーを主役にした作品を作って欲しかったです。
少し分かり難い箇所もあるんですが、好きな作品なんですよね。
バビエル・バルデム演じるアントン・シガーが滅茶苦茶怖く、個人的には彼を主演にして作品を一本作って欲しいくらい佳いキャラクターですよね。
一見したところ偶然にも大金を手にした男とそれを追う殺し屋のお話にしか思えませんし、それだけでもエンターテイメントとしては十分過ぎる出来だと思いますが、ラストの件、結局この作品の原題である“No County For Old Man”っていう事を表しているようで、実はかなり深い意味の込められたお話ではないかと思っています。
死は突然にやってくる…。
北野武作品を彷彿とさせました。
静寂のなかから、突発的な死が訪れる。暴力的表現がより一層強調される。
殺し屋シガーを演じるハビエルバルデムは本当に死神のようだ。一方、なんとかして生き延びようとする、血気盛んなルウェリンモス。この二人の静と動の対比が、死の恐怖を引き立たせている。
「死」は日常に溢れていて、いつどこで訪れてくるのかわからない。それがただただひたすら怖い。
すごい緊張感
「こんなに面白かったとは!」、それが一番の感想です
とにかく緊張感がすごい!
ハビエル・バルデム演じるシガーに追われるのはターミネーターに追われるのも同じでした
ジョシュ・ブローリンには、あんなヤバいやつに追われてるのだからサッサとお金を諦めたら良いのにとしか思えませんでした
髪型だけでも普通じゃないとわかるハビエル・バルデムの目、あれがホントこわかったです
登場のシーン、なかなか忘れられそうにありません
トミー・リー・ジョーンズがしっかり締めくくってくれると思ってたらあのラスト、でもあんなラストが余韻を続かせてくれて良かったと思います
やられた
開始から即、殺人鬼シガーのヤバさが見事に描写されていて、インパクト大。対する主人公(だと思っていた)も元軍人のやり手でお互い一歩も引かない逃走劇に終始緊張感が走る。劇中ほぼBGMがなく、淡々と行動が描かれてるので追い詰められそうになるシーンは、特に静かで緊迫感と恐怖感で吐きそうになるほど。
淡々としている割にその他の登場人物もキャラが立っていて飽きない。クスっとなるシーンもある。
そして劇後半からはまさかの展開になり、やられた!となった。
シガーの追跡捜査(発信機バレ以降)の具体的な方法や最後の事故シーンの意味、通りすがりの少年から上着を買うシーンを対比させた意図など不明点もある。
また、物語も特に解決した様子もなく、スパッと終わってしまう。だがしかし、消化不良は感じず、なぜか余韻に浸れる。非常に魅力的な雰囲気のある映画だった。
解説や他の人のレビューを見て理解を深めたい。
ハードル上げたせい
アカデミー作品賞他多数受賞とあり、結構期待してしまった。
ハードル上げたせいか、最後まで観て、うーむ、と。
や、決してつまらなかったわけではない。
むしろ引き込まれ、あっという間の2時間。
でも…酸素ボンベを持ってるのに移動が速い(笑)シガーの残虐性に唖然としてしまった。
その年によって違うのかもしれないけど、爽やかな気持ちになれなくても、せめてシガーを追い詰めてスカッとする作品がよかったな、と。
なかなか日本人には理解し難い作品なのかも。
大変マニアックな映画
映画通にはぜひ見てもらいたい映画だが一般的な映画ファンにも是非。難解ではあるが大変見やすい映画となっている。一見矛盾しているが見て頂けたら分かるし見る価値はある。イエーツの詩の一編が物語のヒントのようだが、イエーツを含めヴィトゲンシュタイン、プルーストがベースに有るときは理解するのに時間が掛かってしまう。キャスティングの序列がヒントであろう。
子供の頃は理解できなかったなぁ
保安官が「最近の犯罪は理解できない」的なことを言っていたが、昔も同じような犯罪はあった。
変わったのは自分。思わず笑ってしまうようなこともなくなり、ついていけなくなったから引退したんだと思う。
それにしてもシガーはわけわからんほどの異常者だけども
理不尽と不条理の国
超バイオレントなお伽話みたい。または血まみれの落語のような。
なんだかよくわかないけど、なんだか引き込まれる。
血と暴力の映画なのに、トーンは乾いててライト。
腑には落ちないけど、世間の理不尽さを象徴してるようなハビエル・バルデムの謎の男には妙に説得力があり、あの顔で持ってるようなとこがある。
つまり、一種のアイドル映画のような…(ごくり)。
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