「必殺!ヴァンパイアのベッキンセールによる噛み付き吸血攻撃」モーテル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
必殺!ヴァンパイアのベッキンセールによる噛み付き吸血攻撃
『ホステル2』の次は『モーテル』を鑑賞。山道に迷い込んで、寂れたモーテルに泊まらざるを得ない状況となった夫婦が快楽殺人を繰り返す異常者たちに遭遇してしまう・・・。あらすじを読んだだけでも、またこの手のホラー・サスペンス映画かとうんざりしがちなのですが、被害に遭う主人公は珍しく夫婦。一人息子を事故で亡くし、そのために妻は坑うつ剤を手放せなくなり、夫婦仲も険悪になってしまっているという、かなり大人な設定なのです。
そして快楽殺人を繰り返す異常者たちはスナッフ・ムービーを作り、暇なときに鑑賞したり、モーテルの4号室には次の獲物のためにそのビデオを見せるという変態なのです。『トワイライトゾーン』のようなオープニングから『リング』のような展開になるのかと思えば、やはり基本はヒッチコックの『サイコ』なのでしょうか。単純になりがちなプロットであっても、恐怖におののく演技や絶妙なカメラワークと編集テクニックによって、ニムロッド・アーントルという人はとても新人監督とは思えないくらいの映画に仕上げていました。
地下トンネルを発見し逃げ道を探すシーンでは『ディスタービア』も思い出させますが、なぜだかRPGのダンジョンを想像してしまいました。普段は方向音痴であっても、ここぞという時に真価を発揮するマッピング能力。デビッド・フォックス(ルーク・ウィルソン)にはそんな潜在能力があったような気がしました。もちろん彼の愛する妻エイミー(ケイト・ベッキンセール)にも火事場の馬鹿力を感じられたし、緊迫した中であっても愛を感じられる映画でした。
終盤の展開にはもうちょっと捻りがほしいところだったでしょうか。あくまでも被害者の恐怖を撮り続けるのが趣味ならば、警官を簡単に登場させたのは失敗だったかもしれないし、トンネルについて熟知しているはずの犯人が迷っていたようだし・・・。被害者が多すぎたため気を抜いてしまったのかもしれませんね。そして、ラスト・・・あそこでデイビーを生き返らせるのには愕然と・・・隣の客が大笑いしてた。
【2007年11月映画館にて】
PINK1号さん、コメントありがとうございます!
というか、ご自身でレビューされたほうがいいと思うほど、詳細な解説に感謝です。
俺は終盤の展開をかなり忘れています。
ヒッチコックをかなり意識した映画作り。
ストーリーはなかなかなんですが、気になる点が多々あり残念。
一番の違和感は緊急通報電話して途中で切れたので警官がすぐ確認に来たのは妥当。その警官はすぐ殺される、なのに朝になって周囲が明るくなっても応援の警官が来ないばかりは再度緊急通報したら「もう警官は行ってるでしょ」と交換手が言う。
あり得ないでしょ、途中で電話切れたので警官が行ったがその警官は報告も無く、当然署からの連絡も出ない状態が最低でも1時間以上あるのに応援が来ないなんて。だから犯人が暴れる時間がたくさんあった。