劇場公開日 2019年9月6日

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「初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。」ブレードランナー ファイナル・カット 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。

2025年1月30日
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鑑賞方法:映画館

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新文芸坐さんにて公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自身によって編集された『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)を鑑賞。

『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007)
劇場初公開は1982年ですが、本日鑑賞したのは公開25周年を記念してリドリー・スコット監督自ら編集した「ファイナル・カット」版。日本でも新宿バルト9さんで2週間限定公開が決定、慌てて観に行きましたね。
その後もブルーレイも購入したのですが、やっぱり大きなスクリーンでの鑑賞は良いですね。

初公開から43年も経ちましたが、一切CGを使用していないにも関わらず、全く古さを感じさせないのは驚きでしたね。
ヴァンゲリスのシンセサイザーを活用したサウンド、ジャン・ジロー(メビウス)の衣装デザイン、特撮監督ダグラス・トランブルのVFX、シド・ミードの工業デザインに基づいた美術デザインと多彩な才能が集結し、リドリー・スコット監督がまとめ上げています。

特に降りしきる酸性雨と怪しく光るネオン、『スター・ウォーズ』『エイリアン』でも採用された「ウェザリング(汚し塗装)」や「エイジング(経年変化)」によるリアルさ、日本(歌舞伎町)や香港をイメージした街並みは近未来のディストピア、サイバーパンク空間を見事に表現、細部に至るまで凝っており美麗ですね。

撮影も逆光はじめ光と影のコントラストを実に効果的に活用。潤沢な予算、CGを活用しなくてもきちんと陰影をつけるだけで印象的なシーンが撮れるお手本、好例ですね。

キャストもハリソン・フォード、ルドガー・ハウアーも好演しておりますが、レプリカント・レイチェルを演じたショーン・ヤングの息を呑むほど美しさは特筆すべき点ですね。

長年デッカード(演:ハリソン・フォード)が6人目のレプリカント(人造人間)ではないかなど公開後も熱く議論が交わされる本作ですが、映画史に残るSF映画の代表作であることに異論はないですね。

矢萩久登