「【”人間とレプリカント(AI)との違いは何か!”圧倒的な近未来世界のビジュアルと、故、ルトガー・ハウアーの存在感及びレイチェルを演じたショーン・ヤングの美しさにヤラレタ作品。】」ブレードランナー ファイナル・カット NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人間とレプリカント(AI)との違いは何か!”圧倒的な近未来世界のビジュアルと、故、ルトガー・ハウアーの存在感及びレイチェルを演じたショーン・ヤングの美しさにヤラレタ作品。】
ー 今作を初めて鑑賞したのは学生時代である。
フィリップ・K・ディック好きの級友と共にビデオで見た。圧倒的な近未来世界のビジュアルには引き込まれたが、余り印象には残らなかった。
だが、この作品が後世の映画に及ぼした影響は多大なるモノがある。
分かり易い所で言えば、史郎正宗の”攻殻機動隊”を原作にしたスカヨハが草薙素子を演じた「GHOST IN THE CHELL」や今作の後編と言っても良い「ブレードランナー2049」である。-
◆感想<Caution! 内容に触れています、>
ー これほどの作品なので、久方ぶりに鑑賞した感想をシンプルに記す。ー
・今作では、反乱を起こしたレプリカントを追うブレードランナーである、デッカード(ハリソン・フォード)は、常に陰鬱な表情をしている。これは、私の解釈だが彼は寿命4年の脱走した最新型レプリカント達を殺す事に嫌気がさしている。
・だが、彼は、着実に酸性雨が降りしきる一切、日が当たらない2019年のロサンゼルスで脱走したレプリカントを”解任”しいていく。
・だが、レプリカントを開発した、タイレル教授の秘書であるレイチェル(ショーン・ヤング)の美しさに惹かれつつ、瞳孔の動きを察したデッカードは彼女がレプリカントであると気づくが、レイチェルがその事実を知らず、タイレル教授が愛した姪の記憶が刷り込まれている事に気付く。
ー だが、彼はその事実をレイチェルには言わない・・。-
■一方、脱走した最新型レプリカント達のリーダー、バッティ(ルトガー・ハウアー)との一騎打ちで、バッティが、デッカードの指を殺されたレプリカント達への想いを口にしながら折って行くシーンからの、絶体絶命のデッカードを助けた後に、彼に語り掛ける人類の為に自分達が行ってきた事を誇らしげに語り息絶える姿は、名シーンであろう。
AIであるが、人の心を持っている事を、明確に表したシーンである。
<ラスト、デッカードがレイチェルが眠っているベッドに走り寄り、彼女が息をしているかを確かめるシーン。そして、”逃げよう”と言ってレイチェルの手を取るシーン。
この後の展開は「ブレードランナー2049」に引き継がれる。
今作は、”人間とレプリカント(AI)との違いは何か!”という現代でも十二分に通用するテーマを題材にした、リドリー・スコット監督が産み出した独特な近未来(といっても、舞台は2019年のロサンゼルスなのであるが。)の世界観に魅了される作品である。>