「赦し」ブレードランナー ファイナル・カット たろっぺさんの映画レビュー(感想・評価)
赦し
雨に反射するネオンの圧倒的な光量、梟の目や折り紙の暗示など演出力が際立っている。
しかし冴えた画作りに対し、役者の演技にはまるで興味が無い監督の姿勢が、デッカード怒りのハラスメントを誕生させたのだが、このシーンのせいで2人の愛に疑問符が付く。
ロイの例の行動は人間性からでは無く、レプリカントの条件反射と解釈しており、その悲しみをもって自由意志と生殖機能のある人間に十字架のバトンを繋いだと感じた。
監督のレプリカントの解釈はころころと変わるが、非常に興味深く、彼の作家性を自覚無く開花させた魔性の作品と言える。
コメントする