「ギャングの品格。」アメリカン・ギャングスター ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャングの品格。
リドリー師匠の描く、ギャング映画。と聞けば、
なんだか独特な映像美に溢れたスタイリッシュなドンパチを
連想したくなるモンですが、とっても地味で品がありました。
副題として「ギャングの品格。」なんてつけたいくらい(爆)
実話がベースとなったドラマを、じっくり堪能できるので、
派手なアクションや虐殺シーンがほとんどなくても楽しめます。
実際のギャング(アメリカンなんてつくとすごく派手に思うが)
って、こんな感じだったんじゃないのかな。
もともとハーレムを牛耳っていたボスの運転手だった主人公。
そのボスの生きざまを通して学んだことを、金儲けに使ったと
いう話ですが、なにしろ頭がいいので捜査線上に浮かんでこない。
…まさか、黒人にそんなことが!?というレベルでしょうかね。
ハーレムの貧民も抱き込んで、まんまと麻薬王まで上り詰める。
で、もう一人の主人公・刑事なんですが、小汚い風貌と私生活^^;
のワリにものすごい正義感!?に溢れたヒトで、そのうえ努力家。
黙々と司法試験を受けるための勉強に励んでいたりします。
腐敗した警察内部を、ある一件で一斉に敵に回してしまった彼は、
薬漬けの相棒にも去られ、やったるで!と黒幕逮捕に燃え始める。
この二人が早々に絡むのか…と思ったら大間違いで(汗)
後半の後半、ほんとにものすごく後半戦で^^;一気に共演します。
だってデンゼルが頭いいもんだから(汗)まったく尻尾を出さず、
(ホントこれを見ていると、ハリウッドがすごくまぬけに見える)
人間、規則正しく地味に生活するのが一番!健康には早起きさ!
なんて思っちゃいますね。なんでギャング映画が健康推進を…?
いやしかし…。教えられるところがたくさんありました。
ファミリーファミリーというけれど、身内を大切にあつかう反面、
礼を軽んじる他人は平気で街中で撃ち殺す。怒鳴る。殴る。蹴る。
普段おとなしい人間ほどキレると怖い!といいますが、
デンゼルがやるとこれまたすごーく怖い(T_T)奥さんもビビるわぁ。
上り詰めた人間には恨みも多く、上手くいっていた密輸も戦争が
終結に向かうにつれ順調にいかなくなってくる。
そのあたりでそろそろ尻尾を掴み始めていたラッセル軍団(爆)に、
徐々に徐々に追い詰められていくデンゼル…。
すごく面白かったのは「地味」をモットーに掲げていた彼が、
唯一初めて大衆の面前で「派手」なコートを着てしまったこと!!
あれはどう見ても目立つわー。だってハリウッド万歳!柄ですもん。
ともあれ。。
後半、やっと二人が絡む法廷&取調室のシーン。
たったあれだけの絡み(本編に対しての)でも観応えが十分!あって
余裕綽々のデンゼルの笑みが一瞬にして変わるところ、
ラッセルが掲げていた目論見が実はなんだったか、それが判明し、
のちに警察官一斉検挙…に進むあたりでは笑みがこぼれてしまった。
もちろん賛否が分かれると思いますけどね~あのラスト。でも事実。
すべての正義が為される場所など、どこにもなかったってことか…。
完全無欠の人間がいないのと同じ…?
なんか自分の人生を見ているようですわ(^^ゞ
(正義は為されずとも大義は果たした師匠!映画界の黒幕は誰?^^;)