アメリカン・ギャングスターのレビュー・感想・評価
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トニー・モンタナをデンゼルが演じたら、みんな「優しい」って言うのだろうか
リドリー・スコットが、弟トニーの盟友デンゼルを起用し、今ではすっかり、うんざりが始まりつつあったラッセル・クロウとの組み合わせで実現した、初の正統ギャング映画。
が、その豪華キャストおよびスタッフにもかかわらず、ギャング映画史にその名を残す作品となっているか、と言われるとそうでもない、非常に影の薄い作品。
本作、実話ゆえ、とんでもない密輸ルートを平気でネタバレする宣伝と評論、レビュー、そして本作の純度100%の麻薬の「入れ物」をきちんと描くことに遠慮があり、ストーリー的にも、絵的にも燃えるものがないのだ。
リドリーはなぜか好んで、ネタの割れている歴史ものや現代史を扱うが、映画的なカタルシスを一方で失って、どうもお手軽な映像化、凝るのは絵画的な映像のみ、という印象が拭えない。
ギャング映画という点では、言うまでもなくスコセッシの「グッド・フェローズ」にそっくりで、よせばいいのに、音楽の使い方までそっくり。
もっと言うと、マイケル・チミノの「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」にも。(ルメットの「プリンス・オブ・シティ」なども)
本作の最も他の作品群と差別化をしなければいけないのが、黒人による、自虐商売を、という黒人映画である、という点であるはず。
主人公フランク・ルーカスのやってることは、事業家、というより、黒人が、他人種に搾取されるぐらいなら、他人種に子供をヤク漬けにされるくらいなら、オレがやったるわ、という風にしか見えず、同種の商売仲間や商売敵にも徹底して冷酷。
おまけに、自分の身近の若者が、金が無いため出征し、死んでもつれて帰る誠意に付け込んでの麻薬ルートである。
単なる極悪人じゃねえか。頭が極悪に切れる黒人、ということ。
それをデンゼルが演じる、ということで「優しい」という、その見方になる人が多い。
しかし、その所業をみれば、その意見がどこから来るのか、さっぱりわからない。
母親すらすっかり騙されかかる、その笑顔。本作の極悪デンゼルの名演こそ、ここにある。本作の最大の欠点は、それなのにその「笑顔」を観客に誤解されている、という点。
ダメないとこや、ジュッシュ・ブローリン、アーマンド・アサンテなど、キャラ的にずいぶん面白いのがいるが、クロウのほうが大して面白くないのに長くなっているせいで、全体的に、やっぱおもろない、という結論。
【”ブルーマジック”ベトナムから純度100%のヘロイン供給ルートを独自に開拓し、既存のマフィアにダメージを与えた男と、腐敗する警察の中で一切賄賂を受け取らない刑事との熾烈な争いを描く逸品。】
■1968年。ハーレムを仕切るギャングのボス、バンピーに15年間仕えてきた運転手のフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、ボスの死を機に家族を集めて独立する。
そして、東南アジアの麻薬の密輸密売を手掛け、マフィアも一目置く麻薬王へとのし上がる。
一方、一切マフィアから賄賂を受け取らない警察官、リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、今までにないクレバーな男フランク・ルーカスへの追及を、その清廉さを認められ彼を追い詰める特別麻薬取締局にスカウトされ、始めて行くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・デンゼル・ワシントン演じるフランク・ルーカスが、尊敬するボスバンピーの死をきっかけに、既存のマフィアと手を組む事無く、単身ベトナムに渡り、現地で麻薬製造を行う男と合意し、それまでの麻薬供給網や、混ぜ物をしていた麻薬に対し、純度100%のヘロインを”ブルーマジック”として、捌き始め成功を収めるシーン。
フランクは、それまで貧乏な生活をしていた一族郎党を立派な屋敷に呼び寄せるのである。当時。黒人が成り上がる方法だったのだろう。
・ラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツが、職務に熱心過ぎて、妻子と別れる事になるシーンも、何だか皮肉である。
だが、それだけリッチーの麻薬撲滅と、腐敗する警察組織改編の思いが強かったのだろう。
・リッチーがフランクの麻薬輸入ルートを、ベトナム戦争時の兵士の輸送機だと見破るシーンなども、緊迫感が強く、その事実が明らかになった時のマスメディアの怒りの矛先はフランクだけではなく、腐敗した警察組織にも向けられて行くのである。
■今作は、全編緊迫感が溢れているが、特にリッチーが執念の捜査で、フランク・ルーカスが大量の麻薬を子袋に詰めるアパートの一室に踏み込むシーンと、リッチーがフランクに対して警察内部の汚職警官、刑事達を洗い出させるシーンは見応えがある。
次々に警官が摘発される中、フランクに寄生虫のようにたかっていた特別麻薬捜査官のトルーポが拳銃自殺するシーンも、何が悪で何が正義なのかという、リドリー・スコット監督の問いかけにようにも思える。
<今作は、ベトナムから純度100%のヘロイン供給ルートを開拓し既存のマフィアにダメージを与えた男と、腐敗する警察の中で一切賄賂を受け取らない刑事との熾烈な争いをリドリー・スコット監督が描き出した逸品なのである。>
これが事実に基づく話というアメリカ🇺🇸の闇。 薬と汚職まみれ。やば...
80点 デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ主演映画
大体全てがいいのに何かが物足りなくて、無難な映画
これがほぼ実話とは
警察の汚職が酷すぎる。アメリカ ニューヨーク警察。それに軍が麻薬輸送していたとは滅茶苦茶な歴史、アメリカって一体・・・。前半はそういう嫌な事実を見せながら淡々と進み、退屈。徐々にアンタッチャブルのような展開で面白くはなったが、最終的には善悪協調。汚職警察が全面的に悪かったような見せ方。
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウが、司法取引のため対峙する時の対話が双方負けまいと強権的な会話をするところが面白かった。感情的にならず、「俺をやっつけたいなら列に並べ、順番待ちだ」なんてなかなかカッコいいセリフ。
ラッセル・クロウ演じる捜査官が足がつかない大金をネコババせずに警察に提出したことが、信じられない行動として繰り返し語られる・・・全く正しい行動なのにあまりにしつこくて逆に間違った行動みたいに見えてくる。倫理感の乏しい人が影響されなければいいが。
その真っ正直な捜査官が、女性にはだらしないとは・・・これも事実なのか?。
リドリー・スコット監督
アメリカのスケールのデカさ
ベトナム戦争展開したスケールのデカさそのままに、
すべてがでかい。半端ない。
裏社会を仕切りながらハーレムコミュニティを守り助けたり、でかい米軍輸送機でブツを定期的に運んだり、デンゼル演じる麻薬王紳士と女癖も酒癖と悪そうだが警察官としては馬鹿正直なラッセル、が話の軸だが、
ベトナム戦争を背景に70年頃の世相をそのまま反映し、同じ悪さをしていても人種の序列があり古い考え方が蔓延り結果としてデンゼル演じるフランクの命取りとなるきっかけとなった妻はプエルトリコ人、細部にわたりいろいろな事を考えさせられる。リドリースコット監督の力技に脱帽しキャストも迫力あり、最後腐敗した警察逮捕というなんでもありの中でも思い出したように時々民主主義と正義が復活するアメリカ、日本にはない現象しか孫のスケール。johnQ を見た時同様圧倒的な他の国の追随を許さないアメリカのいろんな意味でのデカさ強さを思いしる。
教会を出たところで逮捕されるとき流れるAmazingGrace はミスマッチでなにかamazingでGraceなのかわからなかったがラスト刑期を終え出獄するデンゼルのバックに流れるパブリックエネミーはバッチリはまってかっこよい。善悪の問題とか品位の問題とかがやや単純にわかりやすくされすぎ感が少し気になるか圧巻圧倒的なアメリカンだった
実録犯罪ドラマ。60年代末から70年代初頭にかけてのニューヨーク・...
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターがガチンコ対決...
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターがガチンコ対決!
イメージとしては善玉と悪玉が逆のような2人と感じてましたが、ラッセル・クロウの方は悪玉コレステロールが溜まってきたのか、ちょっとブヨブヨ感が漂っていました。その鑑賞前のイメージのせいなのか、デンゼル・ワシントンの性格は悪人には似つかわしくないような・・・だけど、平気で人を殺しちゃったりします。
1968年のニューヨーク。黒人ギャングのボス・バンピーが亡くなり、運転手や集金係をやっていたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)が跡目を継ぐ。このバンピーはスラム街でも人気ある存在であり、スーパー、マクドナルド、ディスカウントショップが従来の商店にとって代わる様を嘆くところも人間味あふれるところです。折しもベトナム帰還兵の間で麻薬が蔓延していたこともあって、麻薬ルートを牛耳ることも必要悪なのか・・・考えさせられます。
頭のいいフランクはそのベトナムに目を付け、純度の高いヘロインを密輸します。当時の麻薬捜査官は腐りきっていて、売人から押収したドラッグに混ぜものをして、粗悪品を売るという汚職がまかり通っていたのです。そうした警察の汚職を憎み、自らは押収した100万ドルの現金をネコババすることもなく持ち帰ったりする清廉潔癖な刑事リッチー(ラッセル・クロウ)が登場。2人のドラマが絡み合うことなく同時に展開していくドラマです。
兄弟・いとこがとても多いフランクは家族親族を大切にする男。そして、筋の通らない悪人を冷酷に殺す男でもある。一方のリッチーは公務では正義を貫き麻薬ルート解明に奮闘するものの、私生活ではだらしないところもある(性技を貫いてた?)のですが、アメリカの司法試験を目指すところなど、なかなか面白い男。この2人がなかなか直接対峙しないことも飽きることないし、とてもスリリング。
クライマックス。教会前のにらみ合いは映画史に残るかもしれないほどしびれるシーンだ。やっぱりカッコいいな~などとホレボレしつつ、その後の裁判の事前聴取には爽快感をたっぷりと味わえました。テロップをじっくり読むとにやりとしてしまうかも・・・
正義は勝つ
頭のキレる悪党とバカまじめな警官。 豪邸に住む大家族と安月給のヤモ...
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