マイ・アーキテクト/ルイス・カーンを探して

劇場公開日:

解説

1974年に没した現代建築の巨匠ルイス・カーンの二番目の愛人の子である映像作家ナサニエル・カーンが、父親探しの旅に出る姿を自らとらえたドキュメンタリー。

2003年製作/116分/アメリカ
原題または英題:MY ARCHITECT
配給:レントラックジャパン
劇場公開日:2006年1月28日

ストーリー

1974年3月のある日、ニューヨークのペンシルヴェニア駅で一人の男性の死体が発見された。所有していたパスポートからは住所が消されており、身元が判明するまでの3日間は、死体安置所に保管された。男の名はルイス・カーン、享年73歳。ソーク生物研究所、キンベル美術館、バングラデシュ国会議事堂など世界を驚嘆させる建築物を創造し、独自の哲学的な語り口でも知られる現代建築の巨匠である。だが私生活は意外なほど破天荒なものだった。自身の完全主義を貫いた結果、事務所の経営は破綻状態、私生活では3つの家族を持っていた。11歳のナサニエル・カーンは、ルイス・カーンの死を伝える新聞記事を読んだ。「妻と愛娘を遺して死去」そこに自分の名前はなかった。ルイス・カーンの本妻と2人の愛人はそれぞれ一人ずつ子供がおり、ナサニエルはカーンの二番目の愛人の子だった。カーンの死から約30年が経過しても、ナサニエルは子供の頃に経験した父の死、そしてその存在さえも受け入れられずにいた。苦悩を抱きつつナサニエルは、父親探しの旅を映画として撮り始める。ルイス・カーンをよく乗せたタクシーの運転手、父親の仕事仲間、一番目の愛人、二番目の愛人である母、異母姉たちに取材し、そして世界中に点在する建築物を旅していく。ため息が出るほど美しい父の遺した建築と向かい合い、真の父の姿や、自身の出生の秘話までが明らかになってゆく。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第76回 アカデミー賞(2004年)

ノミネート

長編ドキュメンタリー賞  
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映画レビュー

3.0ドキュメンタリーなのにドラマがある

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ルイス・カーンの建築物は凄いの一言。線対称や幾何学を愛したルーの作品は機能性よりも芸術性が高く、そのものが美術館であるような建物が多い。ギリシア建築を見学してから開花したという才能は、「どのくらい歴史に残るか」というテーマが重要であるという信念の元に量よりも質を追求する。  監督ナサニエル・カーンが愛人の子。巨匠ルイス・カーンも3つの家族を持っていたと説明されていたため、建築業界で大儲けしたに違いないという先入観で見てしまいましたが、実はほとんど儲かっていなかったという事実。これが芸術家たる所以なのですね。  やっぱり水上に浮かんでいるように見えるバングラデッシュ国会議事堂、ソーク生物学研究所の二つが印象的。映像でも子供を使ったノスタルジーを感じる映像が心地よい。  建築作品紹介のための映画ではなく、あくまでも父親探しというテーマなので、ちょっと個人的な映画であるとも感じられましたが、カーン作品で働く人たちとの交流は感動的。特にアメリカ吹奏楽団の船でのハグにはちらりと涙が・・・ 【2006年6月映画館にて】

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kossy

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