ドン・カミロ頑張るのレビュー・感想・評価
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公共工事と立ち退き問題
「公共工事と立ち退き問題」は、
古今東西、行政と住民を悩ませるテーマであったようですねー
成田空港の画像を見ても、いまだに滑走路・誘導路の芝生の敷地に小さな神社や農家の建物が残っています。
成田闘争のころ、農民は下肥をあたまからかぶって機動隊のごぼう抜きに抵抗したんです。
本作、
・ブトウ農家は、代々精魂込めて耕した畑を死守したい。
・村長と議会は、ポー川の氾濫を予期して村全体のためにそのブトウ畑を堤防工事用地に収用したい。
そこへ人気者のカトリック司祭やらサイケな老町医者やらが口をはさみ手をはさみと、いらん介入をするものだから 烏合の衆相まってのドタバタ喜劇なのでした。
結局、
ラストシーンは大水害という落ち。
畑も水没。村民は全員家を失う。
・・笑えない結末なのにお騒がせ者のドン・カミロが悪者として描かれていないのはモヤモヤしたエンディングでした。
「移転補償」や「工事計画の手直し」など、カミロ神父が折衷案を提案して工事を実現させていれば、彼がヒーローであることに誰も異論は唱えなかっただろうけど、
村長の心中を思うとなぁ
ホント、モヤモヤします。
若い頃畑を愛していたこともあり、またワイン工場とブドウ畑での勤めの経験もあり、管理職やキリスト教に触れたこともある僕としては、あの結末、ちょっとストレスが残ったですね。
ちなみに共産党の存在を非合法とすることの多い西欧各国の中で、フランスでは対ナチ戦線で猛然と戦った“愛国の党”として共産党は一目置かれているのだそうです。
昔の映画ですよ、昔の映画。
魂がないと思っているなら売ってくれないか?
シリーズ2作品目はポー川の問題と共に
ドン・カミロ周辺の人物も掘り下げられている
堤防を作り村を守る為にも一生懸命な
共産党の村長とそのシンパは
土地の収用を計画するが葡萄園を潰されたくない
カニョラと暴力沙汰を起こす
彼等の対立は子供たちにも連鎖する
また昇天しそうな元医師で地域に貢献した
資産家でもあるらしいスピレティの爺の
胸像(墓石?)を用意し寄付金を期待するが
爺はカミロに会い、蘇生する
(寄付金は選挙資金)
蘇生した彼が淡々と
シンパの男の魂を1000リラで買い取るのが
面白いような怖いような
村長とカミロの主導権争いは
使命感もある少ない財源を巡る争いでもあるようだった
災害からの村の救済か、魂の救済か
そこに地主や資本家も参入
双方の魂を揺るがせる
インディアン姿になった元ファシストも登場
仏伊映画だからいいのね
水害に襲われた村でのミサのシーンでは
〈魂の救済〉〈傷心に寄り添う〉という
カミロの使命が理解できました
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