無頼の谷

劇場公開日

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解説

「拳銃の誓い」のハワード・ウォルシュが1952年に製作した西部劇。「ルビイ」のシルヴィア・リチャーズの原作を「デジレ」のダニエル・タラダッシュが脚色、「復讐は俺に任せろ」のフリッツ・ラングが監督した。撮影は「乱暴者」のハル・モーア、音楽は「恐怖のサーカス」のエミール・ニューマンである。「キスメット(1944)」のマレーネ・ディートリッヒ、「ララミーから来た男」のアーサー・ケネディ、「円卓の騎士」のメル・ファーラー、「泣き笑いアンパイヤ」のグロリア・ヘンリー、「明日に別れの接吻を」のウィリアム・フローリー、「メリイ・ウィドウ(1952)」のリザ・フェラディ、ジョン・レイヴン、ジャック・エラムらが出演する。

1952年製作/89分/アメリカ
原題:Rancho Notorious
配給:映配

ストーリー

1860年代の西部。ワイオミングのある町に住む若者ヴァーン(アーサー・ケネディ)とベス(グロリア・ヘンリー)は近く結婚するはずだった。ある日、ベスの店に2人組の強盗が入り、売上金をさらった上、ベスを殺して去った。ヴァーンは町の者と一緒に強盗の後を追ったが州境まで来て見失った。州境を越えればワイオミングの法律ではどうにもならない、ヴァーンは一同と別れ、仇を求めて単身旅に出た。そして、山中で強盗の1人が瀕死の重傷で苦しんでいるのを発見、水を与えて相棒の行方を問いただしたが、男は“チャック・ア・ラック”と口走っただけで息絶えた。ヴァーンはこの言葉をたよりに州から州へ仇を探し求めるうち、チャック・ア・ラックとはメキシコ国境に近い牧場の名で、フレンチー・フェアモント(メル・ファーラー)という無法者がその所在を知っていることをつきとめた。チャック・ア・ラックの主人は酒場の唄女上がりのオルター・キーン(マレーネ・ディートリッヒ)という女で、フレンチーはその恋人だった。ヴァーンはフレンチーがある町の留置場に入れられていることを知り、故意に乱暴を働いて役人に捕まり、フレンチーと一緒に脱獄した。フレンチーはヴァーンを連れてチャック・ア・ラック牧場に戻った。牧場には沢山の無法者がかくまわれており、オルターは男たちが仕事するごとに分け前をとっていた。ある夜ヴァーンはオルターの胸にベスのブローチがつけられているのを見、その出所を知るためオルターに愛を囁いて取り入った。オルターは本気で彼に惹かれるようになり、フレンチーとヴァーンの間に気拙い空気が出来た。根気よく探した結果、ヴァーンはついにベスを殺した犯人を見つけだし、役人に引き渡した。無法者たちは、オルターが犯人の名を明したと誤解して彼女を責めた。フレンチーが彼女を救おうとしたがピストルを向けられ、2人が危くなったとき、ヴァーンが応援に現れ、烈しい撃ち合いとなった。無法者たちは撃退されたが、オルターはフレンチーの身代わりになって死んで行った。フレンチーとヴァーンは牧場を後に、馬を並べていずこともなく去って行った。

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映画レビュー

3.5欲望と愛欲の渦巻く西部劇

Gustavさん
2020年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

婚約者を殺された男が復讐を誓い、辿り着いた女主の牧場で繰り広げられる欲望と愛欲の渦巻く人間ドラマの西部劇。48歳の ディートリッヒのスター人生最後の主演映画ながら、低予算で作られた映画会社主導の消化作品と思われる。しかし、フリッツ・ラング監督の正攻法の演出が素晴らしく、一見の価値があり興味深く見た。これを、当時人気の若手スターとベテランの演技派で周りを固めたならば、演出と演技のバランスのよい重厚な作品になったと思う。勧善懲悪一辺倒な通常西部劇とは趣を異にする脚本の面白さ、ラング監督の演出、デートリッヒの存在感を味わう。

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Gustav
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