ヴェニスの商人のレビュー・感想・評価
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まさしく悲劇
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中世の話。
没落貴族が金が友人の商人に金を借りる。
貴族だか姫だか知らんけど、豊かな身分の人と結婚するための資金だった。
友人思いの商人は金を貸してやろうと思ったが、手元に現金がない。
貿易に資金投入したからで、船が帰って来るまでの間は借金することにした。
そこでユダヤ人の金貸しから金を借りた。
ユダヤ人の提案で、遅延した場合は1ポンドの肉を切り取らせるという契約。
その後没落貴族はは求婚し、予定通り結婚することに成功。
ところが商人の船が難破し、期限までに金を返せなくなった。
ユダヤ人は裁判を起こし、肉を切り取らせろと言う。
今まで蔑まれて来たことへの報復で、一切訴えを取り下げない。
そこへ若手の法学者が現れ、裁判の助言をする。
そして契約通り肉を切れ、でも血は一滴も流してはならないとか言う。
無理なら無理で人を殺そうとした罪で死刑とか財産没収とか言う。
が、承認の酌量によってユダヤ人は助けられた。
その後没落貴族はこの若い法学者にお礼をしたいと申し出た。
法学者はその指輪をくれとか言う。
これは妻に何があっても手放すなと言われていた指輪だった。
が、親友を救ってもらったお礼として渡した。
で帰宅すると指輪がないので妻怒りまくり。
でも実は法学者は妻の化けた姿だった。
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シェークスピアの作品の映画化。
時代背景が違うので、ツッコミどころはたくさんあった。
まず没落貴族だが、求婚するために金を借りるってどうやねん。
しかもその時点で女とまだ知り合いでも何でもないし。
そして借金を肩代わりしてやる商人。アホか。
で、法学者が女やったってのもありえんし。
映画だと完全に女優なもんやから、かなり滑稽やった。
最初は妻とは思わんかったし、誰もが女って認識してるものと思ってた。
女の場合はつけヒゲする風習なのだろうとか普通に思ってた。
よう考えたらこの時代に女性が社会進出してるはずないか。
でもそれくらい女バレバレな感じやったし、
大体、夫ならそれくらい気付けっての。声一緒なんやし。
また裁判もそんな一休さんみたいな小賢しい屁理屈が通るんなら、
他に何とでもやりようがあったんちゃうんかいな。
しかし最後はユダヤ人が悲惨やった。
普段どんだけ蔑まれてたんかは知らんけど、
殺したろう思うくらいやから相当だったのだろう。
なのに権力による強引に屁理屈を通されて殺されかける。
命は助かっても全財産没収とか言われる。
仕事ないから金貸ししとるのに、貸す金奪われたら死ぬのと同じ。
最後に無力感に泣き崩れるサマは哀れだった。
この作品、4大悲劇の1つだが、当初は喜劇だったらしい。
ユダヤ人の情けない姿を見て笑うといった趣旨だったらしいが、
そのこと自体が差別やし、それで後世に悲劇となったらしい。
しかしアルパチーノがユダヤ人をうまく演じていた。
メイクのせいもあるんだが、言われなわからんわ。
シャイロックがかわいそう
ユダヤ人はずっも迫害され続けてんだなぁと実感。
まぁシャイロックも人を呪わば穴二つなのはわかるけど、娘や使用人に逃げられて、金貸してあげたのに最終財産を半分とられて、挙句キリスト教に改宗させられて本当にかわいそうやった。
アントニオはいい人役?なかんじやったけど、最初にシャイロックに唾吐きかけてるしなぁ。普通人の顔に唾なんて吐かないよね。恨まれて当然は当然。
アルパチーノの演技は相変わらずすごかったけど。
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