そして、ひと粒のひかり

劇場公開日:

解説

コロンビアに住む17歳の少女が金を稼ぐため麻薬の運び屋となり、過酷な旅をする衝撃のドラマ。本作でデビューの新人監督ジョシュア・マーストンが、あるコロンビア移民の女性の話にインスピレーションを得て脚本を執筆。2004年サンダンス映画祭・観客賞をはじめ世界の映画祭で絶賛を浴び、新人女優カタリーナ・サンディノ・モレノはコロンビア人として初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされ、話題を呼んだ。

2004年製作/101分/アメリカ・コロンビア合作
原題または英題:Maria Full of Grace
配給:ムービーアイ
劇場公開日:2005年10月15日

ストーリー

コロンビアの緑あふれる丘の狭間にある小さな田舎町。17歳のマリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は今にも崩れそうな狭い家に家族5人で住み、一家の家計の肩代わりをしなければいけない状況に家族との衝突が絶えなかった。外の世界に全く興味を示さない恋人、ホアンのおしとやかなガールフレンドを演じるのにも辟易し、不満を抱えて毎日を過ごしている。そして毎朝夜明け前に家を出てバラ農園に行き、恐ろしく単調な刺抜きの仕事をする。職場での親友・ブランカ(イェニー・パオラ・ヴェガ)だけが唯一の理解者だ。そんなマリアの生活が、些細な職場でのトラブルで仕事を辞めてしまうことで変わり始める。そしてそれに追い討ちをかけるように、新たな心配事が彼女を襲う。愛してもいないホアンの子を妊娠していたのだ。しかし、家族のためには金を稼がなくてはならない。町に仕事はなく、頼れるのは首都ボゴタで働いている友人だけ。街に向かおうとするマリアの前に、週末のパーティーで一度会ったフランクリン(ジョン・アレックス・トロ)がバイクに乗って現れる。彼が言う「旅に関係する仕事」は、マリアにとって好奇心がそそられる話。フランクリンが「ミュール(運び屋)」という言葉を口にしたとき、それが麻薬を胃の中に飲み込んで密輸する仕事だとピンときて一旦は躊躇するも、一度運べば最大5000ドルという想像もつかない額の報酬に、仕事を引き受けてしまう。帰り道、マリアは別のミュール、ルーシー(ギリード・ロペス)と知り合い、運び屋に必要な知識を教わる。親指ほどの大きさのゴム袋にヘロインを詰めた粒を、大量に飲み込まなければならないということ。飛行機に乗り込むときに何を着るべきか、どう振る舞うべきか、そしてもしもその袋が体内で破れたら、死んでしまうということも。当日、全部で62の麻薬の粒を飲み込み、ニューヨーク行きの飛行機には、マリア、ルーシー、親友のブランカにもう一人、全部で4人のミュールが乗り込んだ。フランクリンは何も心配する事はないと請け負ったが、この旅が平穏無事にはいくはずがない。まず機上でルーシーの体調に異変が起き、アメリカに到着した直後、税関職員がマリアを呼び止めた。まもなく彼女が妊娠しているという事実によって釈放されたものの、その後もマリアたちはチンピラにモーテルに連れて行かれ、麻薬を取り出すのを監視される屈辱を受ける。翌朝起きると、バスルームは血だらけで、体調が悪化していたルーシーとチンピラの姿が消えている。危険を察し、運んできた麻薬を持って逃げ出すマリア。見知らぬ土地で危機的な状況の中、彼女が手にしているのは、ニューヨークに住むルーシーの姉カルラ(パトリシア・ラエ)の住所だけ。直感を頼りに、マリアは自分の進むべき道を探り当てていく。

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映画レビュー

3.0楽に稼げる仕事なんて

2024年4月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

単純

興奮

ラストに選ぶマリアの選択が清々しい、もう自分一人ではない、母親としての強さが芽生えたようで、自らのハッピーエンドで宜しいのかと? あんなの一個でもえずいて呑み込めない、コロンビアの家族に被害が及ばないか心配でタイムリミットは一週間だった一安心、機内での静かな描写にハラハラさせられ、要はあの二人の男が殺した?全てを知る少女二人が無事に事なき終える違和感を感じながら!? バッドエンドの方向で緊張感を保ちながら肩透かしを喰らった感は否めない、けれど万事解決で良かった。

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万年 東一

5.02004年度 AFI Best10 Films 入選

2023年8月20日
PCから投稿

アメリカ映画と思ったら、アメリカ資本が入ったアメリカ人監督によるスペイン語のコロンビア映画でしたが、全体のタッチはアメリカ映画風です。 お話はシリアスでハラハラしますが、感覚的にはヒリヒリではなく見守るような視線の演出が好感を持てます。

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越後屋

3.5うまくいっても困る

2019年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

そりゃ、いい話にはできないよな。内容的に。うまくいっても困る。 主人公が通らないとお話にならないわけで、とはいえ、すんなり行くのもおかしい、となれば、あんな感じになる。。 ただ、題材を考えたときに、このへんの展開の都合よさに違和感を感じてしまう、ということ。 入国のときのごたごたも、友達が死ぬのもなく、お金も手にする、そのうえで問題を提示するくらいリアルなほうが引き込まれたでしょうね。 主人公ずっと無表情なだけに、お腹の赤ちゃんの心音で見せた笑顔は作中で際立っていて、あれは良いアクセントだっと思う。

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okaoka0820

4.5希望の街へ歩みだす。

2012年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

コロンビアの小さな田舎町で暮らす17才の少女。ある日体調が悪く仕事に集中できずにいて監督に怒られて仕事を辞めさせられてしまう。 そして、彼氏にはお腹に赤ちゃんがいることを告げると、逃げ腰になり真剣に話をしてくれない。そんな彼に愛想を尽かし別れてしまう。 でも家では彼女の給料が家計を助ける大事なもの。 仕事を無くした彼女に姉は激しく叱責する。 何もかも希望をなくした彼女はある日仕事を探しに町へと出る。そこで知り合った男からミュールと呼ばれる運び屋の仕事を教えられる。簡単に大金が手に入るが失敗すれば死だ。 彼女は考えた末に決断する。お腹の中に麻薬を入れた小さなビニール袋を飲み込む。四つ、五つと飲み込む。もしお腹の中でビニールが破ければ即死だ。 決死の思いで空港に向かう。行き先はニューヨークだ。 空港でパスポートを見た係官が彼女を呼び止める。 ドキュメント・タッチで描く希望を求めてニューヨークへ向かう一人の少女の物語。

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