劇場公開日 2005年7月9日

ヒトラー 最期の12日間のレビュー・感想・評価

全64件中、1~20件目を表示

4.0悪夢のような大戦禍と、悲哀に満ちた「最期」。

2022年10月18日
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鑑賞方法:VOD

○作品全体 ヒトラーの描き方が独特な作品だ。 ナチスドイツの終わりの時期に焦点を当てることで、快進撃の根幹にいたヒトラーの姿は一抹も感じさせない。「カリスマ性」とか「煽動力」といった、ヒトラーを語るうえでよく出る単語からはほど遠い姿が印象的だ。 構成やセリフから「悪夢」という単語が浮かんだ。 ドイツという国そのものが「悪夢」の真っ只中である12日間だが、ファーストシーンが真夜中で、ラストシーンが夜明けである本作の構成そのものも「悪夢」を想起させる。ユンゲが地下へと潜って行くのも悪夢という眠りの淵へと向かって行くかのようだ。そしてラストシーンでユンゲが語る「目を見開いていれば…」という言葉が、瞳を閉じて見続けている悪夢の世界を印象付ける。 そして悪夢だと感じているのはドイツ国民だけではない。親愛なる国土を蹂躙され、なすすべもなく喚くも状況が変わらないヒトラーも悪夢の中を過ごしている。「偉大な総統」だった頃こそが夢であったかのようなヒトラーの姿は、作中では癇癪持ちの疲れ切った老人でしかない。時折ユンゲたちに見せる優しい表情が、むしろその悲哀を助長させる。 夢破れ、夢から醒めた老人という部分にスポットをあてていることが、「最期」の無情さを最大限に感じさせていた。ヒトラーが総統でなく、ただの老人になってしまったことがナチスドイツの「最期」で、その描き方はベルリンの大戦禍とは裏腹に、穏やかな老衰死のような、なだらかな死のように描いていたのがまた印象的であった。 ○カメラワークとか ・地下施設の映し方が上手だった。狭苦しい環境のはずだけど、ヒトラーからすると心許せる人物が少ない場所。時折ガランとした空間を映すことでヒトラーの空虚に接近する。 ・最初のヒトラー激怒シーン。怒る直前、メガネをゆっくりと外すのはシンプルにカッコよかった。怒ってからヒトラーの背中をなめて、奥に立つ将軍たちを映す。意見の決定的な乖離が際立つカメラ位置だった。

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すっかん

3.5生々しく痛切な、実録ドラマの傑作だ。

2024年11月24日
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ドイツの歴史家ヨアヒム・フェストによる同名の著作、および、本作では狂言回し的な女性秘書、トラウドゥル・ユンゲの回想録と証言をもとに、ベルリンの地下壕で過ごしたヒトラーの最期を描く。 ヒトラー役はドイツの国民的俳優、ブルーノ・ガンツ(本人はスイス出身)。人種差別や誇大妄想に取りつかれ、最後まで狂気じみていた独裁者を、見事な存在感で演じ切っている。 物語の舞台は地下壕という閉鎖的な空間だが、非常によく練られた脚本で、実に手堅い室内劇としての魅力もある。また、戦火に巻き込まれたベルリン市民にも光を当てている。 第三帝国の終焉が迫る中、ヒトラーをはじめ、子どもたちを毒殺した上で夫婦で自害した宣伝大臣ゲッベルスや、国防軍の軍人やSS(親衛隊)の幹部がそれぞれ選んだ終末の姿を、生々しく痛切なタッチで描き出した、実録ドラマの傑作だ。

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瀬戸口仁

4.0動画でよくネタにされて笑って観てたけど、本物はシリアスだった

2024年10月15日
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悲しい

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かちかち映画速報

4.0ベルリンの惨状とヒトラーに対する盲信

2024年3月24日
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スターリングラードの戦いで敗北した時点で、ドイツの敗戦は目に見えていたにもかかわらず、ヒトラーは降伏を決して許さず徹底抗戦を命じた。その結果、遂にベルリンにまで度重なる空襲が始まり、砲弾が打ち込まれ続けるという地獄の様相を呈することになる。そのためドイツの将兵の士気は明らかに低いことだろうと思いきや、一概にそうとは言えないようだ。ヒトラーを盲信する多数の将兵達は、彼に忠誠を誓ったという理由から、そして第一次世界大戦で敗北した屈辱から、降伏など頭に無いのは驚いた。また、逆に状況を冷静に認識している人々もいた。ドイツ国内でも、現状の認識は様々だったことが窺える。このように、ベルリンの惨状や当時の人々の様子を描いた点で、今作は貴重な映画だと思う。

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根岸 圭一

3.5戦争の現実、厳しさ、辛さを知る作品

2024年1月10日
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悲しい

怖い

難しい

CSで録画視聴。 色々、考えさせられた作品。戦争の現実、厳しさ、辛さを知る事ができる作品。 もし、自分がこの場にいたらどうするかを考えて観た。 ただ、時間は作品の性格上、仕方なしにしても長すぎる印象が強い。

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ナベウーロンティー

4.0悪人をただ在るとしない。

2023年5月29日
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ヒトラーが自決するまでの最後の12日間を描いた作品。 ナチスドイツの中枢で働く人々が戦況の劣勢によって焦燥や盲信、未来への展望が絶望によって染まっていく様子が見て取れる。 ナチスドイツは非道な行いをしたが、「ただ悪として存在した」としてはいけないと私は思う。 独裁者。 差別主義者。 優生思想。 戦勝国が作り上げた「正しさ」によって単純化してしまうことに危機感を覚える。 彼らも同じ血の通った人間であり、大切なもののために考え決断をした人々。 そして、それを支持した人々もいる。 彼らの決断を現代を安穏と生きる私が現代の価値観で論じることにはとても抵抗を覚える。 敗軍の幹部の妻子がどのように扱われるのか。 自分の命一つの覚悟ならできる。 しかし、愛する人の苦渋に満ちた人生を憂えばこそ。 そして薬を飲ませ、食卓で手榴弾のピンを抜く。 ナチスドイツを、ヒトラーを悪と断じて単純化しがちだが、同じ血の通った人間であることを思い出させてくれた。

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昭和ヒヨコッコ砲

3.5ウクライナを思い、かつての(もしくは現在の)日本を思う。主人公の秘...

2023年3月26日
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ouosou

4.0独裁者の素顔

2022年10月27日
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いけい

3.0リアルなヒトラー。

2022年10月11日
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鑑賞方法:VOD

esの監督が撮った作品だったのか。全然知らずに鑑賞。 ユダヤ人のことやヒトラーを題材にした作品はいくつか見たが、リアリティのある作品として上位な気がする。 ヒトラーの描写が細かくされている。 ネットで検索したらパーキンソン病だったらしく、手が震えるシーン。 だんだん皺が深くなり、やつれていく様子。 戦況が悪くなり、弱気になった部下に恫喝する場面。 決して降伏しないと決めている芯の強さとまだいけると思う強い心。 ズーンと疲れる作品だったが、見たことに後悔はない。

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キッスィ

4.0ナチという悪魔も内部では優しい怖さ

2022年8月22日
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怖い

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ミズバショウ

3.5独裁者と洗脳

2022年8月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

圧倒的に不利な状況下で、独裁者の最後のあがきと洗脳された人たちの終焉を描いた映画。 あんな状況でも真実が見えないなんて洗脳って怖いな。しかし現代も独裁者による洗脳は繰り返されている。

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光陽

3.0ドイツとナチス、日本と大日本帝国。

2022年5月24日
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とまちゃん

3.5ロシアもこの大戦で2000万人が殺された。加害者はヒトラーばかりでは無い。ソ連赤軍やウクライナコサックも含まれている。

2022年5月8日
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When I am 75♥️

4.0戦争の現実をリアルタイムでみることになるとは

2022年5月1日
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鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムで鑑賞。 冒頭から最後までヒトラーは要塞の地下で過ごしている姿が描かれており、 世界大戦の暴君という固まったイメージとは異なる描写だった。 最終の結末は知っているものの、周囲の人々の描き方から戦争の無常さを感じた。 2022年4月現在、ロシアはウクライナへ侵攻しており、連日テレビでは戦場が現実 のものとしては放送されており、劇中の戦闘、廃墟が非日常とは感じられなかった。

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ふーてんふーてん

4.0【”時は来た、終わりだ・・”忌むべきナチスドイツを率いた男の狂気の最期を演じた故、ブルーノ・ガンツの姿と、ヒトラーの個人秘書ユンゲの回想シーンが忘れ難き作品。】

2022年2月14日
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鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 1945年4月20日、ベルリン。   第二次大戦は佳境を迎え、迫りくるソ連軍の砲火を避けるためヒトラーは身内や側近とともに首相官邸の地下要塞に潜っていた。   誰もが敗戦を覚悟する中、冷静さを失い狂人と化していたヒトラーは、ある重大な決断を下す。 ◆感想  ・ナチスドイツの蛮行を描いた作品は、数多ある。  だが、今作はナチスドイツの崩壊の瞬間を”ドイツ人監督”である、オリヴァー・ヒルシュビーゲルがメガホンを取った事に大きな意義があると思う。  ・自分に忠誠を誓っていた、ヒムラー、ゲーリングが敗戦を悟り、自らの元を去っていく中、ヒトラーが下した決断。  それは、連合国に降伏する前に自らの命を断て、と渡した毒薬である。  - ”責任を感じて、死ぬのであれば、自分一人で命を断てよ!”    だが、ヒトラーは愛人であり、直前に妻となったエヴァと自殺する。-  ・物凄く嫌いなシーンは、ヒトラーのプロパガンダ政策を牽引したゲッペルスの妻が、6人の子供たちを眠り薬を飲ませた後に服毒させるシーンである。  - 子供に、罪は無い。何故に嫌がる長女に薬を飲ませたのか・・。- <後年、「ゲッペルスと私」を見た際にも思ったのであるが、ゲルマン民族と大和民族は似ている部分が多いと思う。  それは、知的に優れながらも、プロパガンダにたやすく翻弄される所と、自らの民族性を神聖化し、他民族に対する残虐性を持つ所である。  再後半に、ヒトラーの最期の秘書になったトラウドゥル・ユンゲ自身の、「若いころの自分を諫めたい。」という言葉が重く響く作品であり、この作品をドイツが中心になって制作した事に意義があると思う作品でもある。>

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NOBU

4.0最後まで観てしまった

2021年12月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

録画した映画、面白くなかったらすぐ消しちゃおうと思っていたが、最後まで観てしまった。追い詰められた人々の心理描写が素晴らしく引き込まれてしまった。私も最後まで逃げ出す勇気はなかったかも。

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あっちゃんのパパと

4.0「アンネの日記」とか。「戦場のピアニスト」とか「素晴らしきかな人生...

2021年11月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「アンネの日記」とか。「戦場のピアニスト」とか「素晴らしきかな人生」 とか「シンドラーのリスト」とか「パリは燃えているか」とか「夜と霧」とか 「ヒトラーの防具」とかで、ユダヤ人虐殺や、ナチス末期はなんとなく知っている。 改めて映像で見ると、栄枯盛衰というか、独裁者の末期はあっけなく、滑稽でもある。 戦争末期ヒトラーの秘書だった主人公ユンゲ本人は語る。 『目を見開いていれば気づけていた。』 しっかり見て、小さな違和感のうちに対処することが大事なのだろう。 ゲッペルスの妻が6人の子供たちに嘘をついて、毒殺するシーンは哀しい。

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藤崎敬太

5.0ただただ、圧倒されました。

2021年9月20日
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NHKのBSで視聴。 公開当時、縁がなく鑑賞できず。 ヒトラーが肖像画を見つめる人物が誰かわからない、とか、登場人物がすぐにわからないなど。 自国ではないもどかしさを感じることもあり。 速記官だった女性から見たドイツ帝国とヒトラーを糾弾する視点でもなく、もちろん容認することもなく。 スっと一歩引いた目線に感じた。 戦争の爆発、爆破シーンには肝を冷やし。 だけど、いちばんゾッとするのは この狂気に至る歴史と権力を握っている者達が陥る「増上慢」「世界は自分を中心に回る」錯覚。 ゲッベルス夫人が我が子を手にかけるシーンは胸が痛くなる。 後味は何にもよくありませんが、歴史の中にいる人間である以上、見た方が有益。

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かず

3.5帝国の末路

2021年9月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ブルーノガンツ扮するアドルフヒトラーは、12kmまで敵が迫っているのに報告が無いのを怒っていた。あと数日で首都は陥落しそうだった。それでもナチではダンスに興じたりしたが、爆撃が襲った。帝国の末路にあたりヒトラーは喚きだしたが、死に方についても考えていた。逃亡者の処刑やら将校覚悟の自爆やら弾薬が尽きたあとの指示を仰ぐなどたまったもんではないね。アレクサンドラマリアララ扮する総督秘書トラゥドルユンゲらも口述遺書の速記など活躍していたんだね。

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重

5.0人類は罪深い

2021年9月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ヒトラーが自殺するまでの12日間を、ベルリンの状況を交えなが描いていく。 語り手は生き残った女性の秘書で、自分自身も自らの愚かさを嘆いている。 ゲッペルスやヒムラー、ゲーリングなどの取り巻き連中もよく分かった。 ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツはすごい迫力だった。 人類が繰り返さないことを祈るのみ。

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いやよセブン