オープン・ウォーター
劇場公開日:2005年6月25日
解説
数年前に実際に起こった出来事に基づき、特殊効果やCGは一切使用せず俳優たちが本物の鮫のうごめく海の中で芝居をした異色サスペンス。オープン・ウォーター(開放水域)に取り残されたダイバー夫婦が、肉体的、精神的に極限状況で体験する恐怖をリアルに描く。2004年のサンダンス映画祭で大注目を浴び、低予算映画としては異例の全米スマッシュヒットを記録した。
2004年製作/79分/アメリカ
原題または英題:Open Water
配給:ムービーアイ エンタテインメント
劇場公開日:2005年6月25日
ストーリー
ワーカホリックの夫婦、スーザン(ブランチャード・ライアン)とダニエル(ダニエル・トラヴィス)は、7ヶ月も予定を延期してようやく取れたバカンで、カリブ海に向かう。しかし、出かけからふたりの携帯には仕事の電話がひっきりなしにかかり、スーザンはバカンスなのにパソコンを持参するという。ふたりはせっかくの休暇だから仕事から離れたいと思うのだが、仕事に追われている毎日のせいか、完全に忘れることはできない。ささいなことで口論になり、仲直りしてセックスしようとするもなんとなく気が乗らない。愛が冷めた訳ではないのだが、ふたりは現実に追われる内に自然と距離ができてしまい、それを埋めるきっかけを失っていた。翌朝早く、ふたりはダイビングのツアーボート”リーフ・エクスプローラー号”に乗り込む。「目的地は、マジックキングダム。そこで、みなさんを待っているのは―」ボートは他のツアー客で満員。グループの輪に入らず「勝手にやろう」とダニエルは言う。「ウツボ、アカエイ、エンゼルフィッシュ…、鮫もいますが見たくないひとは目をつぶっていればいい。この辺の鮫は人を襲わないので心配いりません。」ガイドが言い、ツアー客は水深18メートル、約35分間のダイビングへと意気揚々と海に飛び込んでいく。ダイビングを楽しむスーザンとダニエル。精神的に開放されたふたりは、この貴重なひとときを満喫する。しかし、ダニエルがウツボに見入っている間、海上のボートでは、今、まさに彼らが体験する最も怖い悲劇の序章が始まっていた。ふたりが満足して海面にあがってきた時、すでにスタッフの単純なミスで全員が乗ったと思い込み、ボートは彼らを残して岸に向かって去っていた。取り残されたふたりは、お互いに相手のせいだと文句を言いながらも、まだ助けが来るものだと思っていた。しかし、船が見えても向こうに気付かれず、徐々に脱水症状も起こしていき、海面の揺れに気分は悪くなる一方、一向に変わらぬ状況に苛立ち、お互いを責める。しかし、この大海原に存在するのは相手の体のみ、頼れるのはもうお互いだけなのだ。次第に彼らは気付く。足は届かない。360度、岸は見えない。叫びは誰にも届かない。助けは来ない。酸素ボンベは残りわずか。ふたりが自分たちの置かれた事態をようやく呑み込んだその時、無数の鮫が現れた……。