「はい、キムチ~」オオカミの誘惑 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
はい、キムチ~
「はい、キムチ~」と、韓国映画ではお馴染みの家族写真撮影。家族を大切にする韓国らしい風景だが、この映画では兄弟の絆が親子の絆を上回っていた。
インターネット青春恋愛小説を『火山高』のキム・テギュン監督が今回はCGを使わずに爽やかに映画化した。設定といい、ストーリー展開といい、まさしく動く少女漫画。日本のアイドル映画とは違い、妥協を許さない監督の力量を感じ取れるのだが、脚本の細かい点や大人からの目線が全く感じられない点でかなり甘い作りになってしまったようだ。元々、高校生が作った顔文字だらけの小説なのでしかたないのだが・・・
正直言って、前半はどこにでもあるような三角関係の話が退屈で、唯一、カン・ドンウォンがイ・チョンアを「お姉さん」と呼ぶ謎の部分のおかげで辛うじて集中力を保てたくらいでした。そして後半にも取って付けたような横恋慕事件のサブストーリーが蛇足と感じられ、もっと重きを置いていいドンウォンの心理変化が足りなかった。2人の男がごく普通の女子高生を好きになる本線よりも、それぞれが恋敵の身代わりにボコボコにうちのめされるという、寡黙な男の友情の方がが一際光っていたように感じました。「あいつが俺の身代わりにやられたんだから、借りを返してやるぜ!」と、台詞にはありませんでしたが、ここが一番好きですね。
ラストは、ほとんど予想できる展開でしたが、盲目の少女のエピソードを入れたおかげでまずまずの出来になりました。
【2005年4月映画館にて】
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