大統領の理髪師

劇場公開日:

解説

60年代韓国の激動の時代を背景に、様々な歴史的政治事件を庶民の目線から描いた人間ドラマ。監督は、これが長編デビューのイム・チャンサン。主演は「復讐者に憐れみを」のソン・ガンホと「オアシス」のムン・ソリ。本国では200万人を超える大ヒットを記録した。

2004年製作/116分/韓国
原題または英題:孝子洞理髪師
配給:アルバトロス
劇場公開日:2005年2月11日

ストーリー

1960年代の韓国。大統領官邸“青瓦台”のある町、孝子洞で理髪店を営むごく普通の男、ソン・ハンモ(ソン・ガンホ)。彼は、近所の人々同様、大統領のお膝元であることを誇りに思い、時の政府を妄信的に支持し、熱烈さのあまり町ぐるみの不正選挙にも加担するほどだった。新米助手のキム(ムン・ソリ)を無理やり口説いて結婚し、やがてはかわいい息子ナガンも生まれ、一家は幸せな毎日を送っていた。そんな中、ソンに大きな転機が訪れる。ふとした事件をきっかけに、彼は大統領の専属理髪師に選ばれるのだった。事情を知らない町の人々は彼を羨むが、警護室長チャン・ヒョクスがにらむ中で,大統領閣下にかみそりをあてなければならない緊張感。その上大統領府の権力争いで,警護室長チャン・ヒョクスと中央情報部長パク・チョンマン(パク・ヨンス)の対立の中に置かれ、ハンモは危険この上ない。ある日の夜、大統領府の後方の北岳山に北のスパイが潜入する。しかしスパイは突然の下痢にしゃがみこみ、巡回中の軍人に見つかって銃撃戦となる。この事件を契機に、政府は下痢を「マルクス」病とみなし、下痢の者をスパイと決めつけるようになる。町の人々は互いに疑い告発する、疑心暗鬼の状態に。そんな時、ハンモの息子ナガンが下痢をしてしまう。不安なハンモは、息子はスパイでないと分かっていながらナガンを警察署に連れていく。ナガンは中央情報部の拷問室に送られる。パク中央情報部長は幼いナガンを拷問して、ハンモをマルクス病で検挙しようとする。果たしてハンモとナガンは無事に生きて帰れるのか。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

2004(C)iPICTURES & Chungeorahm Film. ARR

映画レビュー

4.0ほんわか見られるが、なかなか骨太

2024年12月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

「ソウルの春」「南山の部長たち」と同様に、今作も朴正煕大統領暗殺に関わる作品。
コメディタッチに描かれているフィクションだが、前視聴の2作によって予備知識ができていたおかげで、史実に基づいたエピソードに支えられてつくられた作品だということがよくわかった。
でも、今作がいいのは、なにより視線が市井の人々からのものであること。
まず、軍事政権下でも、国が「韓国は民主国家だ」と言えば、そうなんだと思い込める素直さだったり、我が街に大統領官邸があることを理由に、その時々の大統領に対して疑いなく敬愛の念を持てる人々の素朴さだったりが、決して批判や馬鹿にした態度ではなく、寅さん映画のような温かみをもって描かれているところが好印象。
もちろん、朴正煕をモチーフにした大統領に「学識のあるやつは嫌いだ」という発言をさせたり、下痢に関わるエピソードの場面で、権力で「知」を捻じ曲げる描写があったりと、ちゃんと権力者が陥る毒も描いている。
それに、劇中のソン・ガンホが、だんだんと様々な出来事から学んでいき、最終的にあの発言を大統領に向かってする姿は、真の民主化へと向かおうとする当時の韓国の人々の変化の象徴として描かれているんだろうなと思った。

他にも、陽気だった従業員が、ベトナム戦争に派遣され無口になって戻ってくるところとか、さらりと日本語のセリフが出てくるところとか、色々と考えるきっかけになることも盛りだくさんだが、ニノに似てるナガンがとにかくいい味を出していて、とにかくほんわかと観られた。

あと、ムン・ソリが、ペパーミントキャンディの時のような可憐さと、ザ韓国という雰囲気のおばちゃんと両方を見事に演じて分けていたのはさすが。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
sow_miya

3.5【韓国近代史をすこーしアレンジした、シニカルヒューマンポリティカルコメディ。出演する二人の韓国大統領は見れば分かるよね!単純だが、人の良い理髪師を若きソン・ガンホが、絶妙に上手く演じている作品。】

2024年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

幸せ

ー 最近、韓国の近代史の闇を描いた逸品「ソウルの春」を見たばかりだったので、面白く鑑賞した。
  韓国映画界の、自国の過去の負の歴史を映画にするパワーと作品のクオリティには、驚くばかりだが、今作のようなアプローチの映画が有ったとは、目から鱗であった。-

■粗筋
 1960年代の韓国が舞台。
 大統領官邸“青瓦台”のある孝子洞で理髪店を営む平凡な男、ソン・ハンモ(ソン・ガンホ)。美しい妻キム・ミンジャ(ムン・ソリ)とかわいい息子ソン・ナガン(イ・ジェウン)に囲まれて幸せな日々を送るソンだったが、ふとした事件を機に大統領の専属理髪師に選ばれたことで、政争の渦に巻き込まれていく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・という内容だが、今作は彼の時代の大統領二人(名前は出ないが、観れば誰だか、直ぐに分かる。だが、名前を出さないのがミソである。)の理髪師になった男の目線で、彼の時代がコミカル要素満載で、且つ家族愛もふんだんに盛り込まれて描かれているのである。

・北朝鮮の思想を、”マルクス主義”と呼び、”下痢”をすると、その思想に染まったとして、連行されたりするシーンは、実にシニカルである。

・又、最初の大統領の側近同士の権力闘争なども、愚かしく描かれている。

・単純だが、人の良いソン・ハンモを若きソン・ガンホが、絶妙に上手く演じている。大統領の専用理容師に任命されても、真面目に仕事をする姿や、息子のナガンが”下痢”をしたために拷問され、両足が動けなくなった時には、”突然亡くなった”大統領の大きな遺影の眼を少し削り飲ませたり”(龍の眼を飲ませる”という事であろう。)家族愛に溢れているのである。
 そして、当時の韓国の体制も、この映画は物凄く皮肉っているのである。

<ラスト、ソン・ハンモが”新しい大統領の禿げた頭”を見て、手を止めて”髪が生えたら、又来ます。”(大笑い!)と言って、ボコボコにされながらも自宅に戻った彼は、息子も歩けるようになり、漸く幸せになったのではないかな。
 今作は、韓国の近代史を思いっきり揶揄しつつも家族愛を描いたシニカルヒューマンポリティカルコメディなのである。>

コメントする (0件)
共感した! 1件)
NOBU

3.0❇️『平凡な床屋の奇妙な人生』 韓国の歴史も知れる

2024年10月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

大統領の理髪師

❇️『平凡な床屋の奇妙な人生』
1960〜1970年頃の韓国の歴史をベースに平凡な床屋の店主の人生を描く。

1960年🇰🇷韓国のソウル、青瓦台。
1968年青瓦台襲撃未遂事件で
1979年朴正煕暗殺事件

大統領が住む街で平凡に床屋をしていた亭主(ガンホさん)が主人公。

ひょんなことから大統領の専属理髪師に抜擢される。

街で有名になった主人公かピークの頃、街はウィルス🦠が流行し徐々に周囲が騒がしくなる。実話テイストで笑いを交えた人情コメディー。

◉64D点。
★彡面白かったけどややインパクトが薄い。
特に映画の伝えたい所がゆるゆるモヤモヤでした。

🟢感想。
1️⃣ 『当時の韓国の時代背景が重なって面白い』★彡暗殺事件やウィルス事件など面白かった。(映画:KCIA 南山の部長たち)も関連でオススメです。

2️⃣『ガンホ兄貴の抜けた演技が最高!』
★彡絶妙にシリアスで、笑いやとぼけた役は兄貴しかできないんよな。ほんま。

3️⃣『前半と後半でストーリーのテイストが変わる感じ』★彡もう少し妻とのコミニュケーションが観たかった。

4️⃣『家族映画としてはやや弱いな。🤔』
★彡父親と母親、息子のつながりがイマイチ弱かったと思いました。

5️⃣『伝説の鍼師?の話はイマイチ。』
★彡ややファンタジーすぎるし、排便シーンなど観たくない。。(拷問やパワハラなど、結構シリアスなシーンもあったり)

6️⃣『拷問シーンは笑えない💢』
★彡コメディーにしたいのは解るが子供の特異体質設定にしてもあまり意味はなく。

💇🏻🤔🤭🦠🧑🏻‍🦽👔🥼💈✂️🧑‍🧑‍🧒🎴

コメントする (0件)
共感した! 0件)
シネマを喰らう

1.0ファンタジー?…

2024年7月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
KEI