アマンドラ! 希望の歌

劇場公開日:

解説

アパルトヘイト下の南アフリカ。自由を取り戻すために“歌”だけを武器に抵抗を続け、ついには勝利を手にした黒人たちの闘いの軌跡を辿る音楽ドキュメンタリー。本作がデビューとなるリー・ハーシュ監督が、激しい弾圧に屈せず数々の歌を生み出してきた黒人音楽家や活動家たちの姿を通し、“歌”の偉大な力を映像に記録する。2002年サンダンス映画祭観客賞、表現の自由賞を受賞。

2002年製作/104分/南アフリカ・アメリカ合作
原題または英題:Amandla!:A Revolution in Four Part Harmony
配給:クロックワークス
劇場公開日:2004年8月7日

ストーリー

1940年代、南アフリカ共和国。よそものである白人による身勝手な人種隔離政策、いわゆる“アパルトヘイト”は、その土地に住んでいた黒人たちを迫害し、すべての権利を奪った。「肌の色が違う」。それだけの理由で逆らえば容赦なく殺される。人間がそんな過酷な状況におかれたら、一体どうすればいいのだろうか? 銃もなければ、選挙権だってない。戦うにも術がない。だけど、まだ残っているものがある。それは人間の「肉体」と「誇り」。最後に残されたこの2つで、残虐な敵と最も効果的に戦うには、どうすればいいだろう? 彼らは、歌ったのだった。「歌」は、神様が彼らに与えた最強の武器。世界でもっとも残酷な差別に、最も美しい武器で応戦した人々の闘いの記録は、観るものすべての胸を打つ。彼らの最大にして最強の武器は「歌」。捉えられ絞首台に登らされても、最期のときまで歌い続けた。命が途切れるまでやむことのない「歌」は、鉛の玉とはちがい、放たれた相手の体に永遠に残り続ける。命ではなく心を奪う。「歌」は世界で唯一の、鮮やかで美しい武器だった。「歌」はまた、祈りにもなった。沢山の仲間が闘いの中で命を落としたが、彼らはその痛みを「歌」によって癒し、新たな闘いに挑む勇気を取り戻した。そして時は流れ、1990年。「歌」による革命は、40年以上にわたった黒人たちのアパルトヘイトとの闘いを、ついに勝利に導いた。南アフリカ初の黒人大統領に就任したネルソン・マンデラは、それまで反逆の歌として歌うことを固く禁じられていた『ンコシ・シケレリ・アフリカ』(『神よ、アフリカに祝福を』)を、新生南アフリカの国歌に制定した。そのとき、人々は、もう何にも脅かされることなく、胸を張って自分たちの「歌」を歌える喜びに震えた。「アマンドラ! 希望の歌」は、世界の歴史の中で最も残忍な差別に対して、最も美しい方法で戦った人間たちを描いたドキュメンタリーである。怒りと憎しみが絶え間なく連鎖するこの世界で、彼らの残した美しく苛烈な戦いの記録が、今を生きる私たちになにかを気がつかせるかもしれない。「歌」は機関銃より、ひょっとすると、核ミサイルよりも、狡猾な政治家よりも強いかもしれないのだ。

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