「RBGと同じ世代」モナリザ・スマイル Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
RBGと同じ世代
1953年の設定の映画。ここが大事で、時代背景を考えないと、この映画の重さや深い意味がなくなってしまう。最近他界したルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)連邦最高裁判事と同じ時代の映画である。彼女は1954年にコーネル大学を卒業して、すぐ結婚して子供が生まれている。そのごハーバードの法律科に入学しているから、この映画での大学生たちと同じ時代だ。ただ違うのはウェルズリー大学は女子大だということで、この映画から察すると、当時モダンだという(洗濯機、家具)なども揃えられる、将来有望の男性と結婚して子供を産んで、、、、、の才女才媛を育てるための花嫁修行の大学であったようだ。社会では女性の鏡は夫に使える主婦であり、女性であることを理由に受け入れられない社会生活環境が山ほどあったわけだ。ルース・ベイダー・ギンズバーグはその後、性差別は違憲だという判決を最高裁で勝ち取ったわけで、社会を変えたルース・ベイダー・ギンズバーグのような弁護士の存在は大きい。
日本の1950年代、第二時大戦の後、日本での女性解放、特に、性差別は違憲だなんていう思想はまるっきり育っていなかったと思う。(私感)現代の人々も、これに対する問題意識を持って変えて行こうと考えている人はどのくらいいるだろう。
キャサリン・ワトソン(ジュリア・ロバーツ)は特にベティー(Kirsten Dunst)の人生を変えたわけだ。離婚によって、人生が変わったのが直接の原因だが、先生の影響が一番強く残ったのだと思うからこのような話がかけたのである。ベティーが最後の方で、離婚にイニシャチブをとって、ニューヨークでもう一人の学生と暮らすと言った時、明るい将来が見えた。そして、キャサリン・ワトソンや芸術に対する捉え方が、ベティーの原動力になっていくのを感じた。例えば、キャサリン・ワトソンは絵を一枚鑑賞することにたいしても、いつ描いたとか誰が描いたとかいう事実を暗記したものより、自分がどう感じたかを、それに、期末は他の絵との比較対照分析である。これが芸術に対するリベラルなアプローチかどうかは私は知らないが、明らかに、リベラルな背景を持っている貴重な人だといくことはわかる。