箪笥/たんすのレビュー・感想・評価
全29件中、1~20件目を表示
おかしいのは…
冒頭の、医者と向かい合う女性。
顔は見えないが、3人のうち誰か1人が残る事が示唆される。
以前「グッドナイト・マミー」を観ていてそれに近い違和感を感じたので、人格障害があるのだろうとはなんとなくわかってくる。
不自然な継母との諍いや父親と継母の共に就寝しない距離感。
生理の周期が同じ2人や言葉や行動、時々存在空気になる妹など端々からスミの多重人格を思い起こされる。
時々フラッシュバックされる記憶の断片。
箪笥に閉じ込められ泣き喚くスヨンの声なんて普通に聞こえそうなものだが、スミは気づかない。
「スヨンは死んだんだ」の父親の言葉に激しく揺れるスミ。
親戚が遊びにくるという場面でスミの多重人格がより深掘りされる。しかし、嫁さんそこまで動揺しなくても…
ウンジュに出される薬
スミに出される薬
また、その薬が2錠ってとこもね。
忘れたいこと、それは亡霊のように一生付き纏う。
言葉通り、スミの頭にはスヨンを見捨てた過去が付き纏う。
大筋は理解できたが、わからない事もたくさんあった。
ずらりと並ぶ同じ服、スヨンの語る母を呼び出す呪文など。
モヤる…
「この家は変…」
何度か呟かれていたが、結局ヒトコワなのかなと思ってたらラストで箪笥がきちんと霊的にウンジュに報復してくれました。
そうだったんすね
狂ってるのは姉
韓国の映画。新しい母親に戸惑う思春期の姉妹の話に見せかけた精神異常者の話。
時系列や霊の存在、幻覚などが交差して分かりづらく、序盤は退屈だが、後半に謎が解けていく感じがある。
初見で理解は難しい・・・・
支離滅裂で、何が起こってるのかわかりにくい場面が多く、登場人物が言っていることも意味がわからない・・・
もうリタイアしようかと途中で何度も思いましたw
・・・が、おすすめ映画として挙げられていたので何かあるんだろうなと思い、
我慢して見ました。
最終盤の怒涛の展開で、今までの支離滅裂さがつながっていくような感じで、
結果的には最後まで見てよかったなとは思えました。
ただ、やはり難解です。
解説サイトを見てようやく全貌が把握できました。
意味わからないまま見続ける忍耐を問われるし、とにかく難解だし、
視覚的にもストーリー的にも若干グロさを感じなくもないし・・・
ホラー・サスペンス好きなら見ておいてもいいのかなとは思いますが、
一般にはすすめにくい映画だなとは思いました。
細部に殺される全体
トリッキーで人を食ったような物語構造はパク・チャヌク以降連綿と続く韓国サスペンスの文脈に準じており完成度が高い。鏡やライトを多用したショットはさながらダリオ・アルジェントのような耽美なホラー空間を醸出している。
ただ、演出が酷い。そこは別によくある韓国映画(しかもハリウッドにルーツのあるド派手アクションとかの)を模倣する必要なかっただろ…と思う。特に酷いのは作中で最も重要といっても過言ではないラストカット。
今まさに凄惨な死が現出している一軒家に背を向けどこかへと歩き出すスミ。それを正面から捉えるカメラ。一軒家の2階の窓からはスミの背中に継母の視線が刺さる。つげ義春『李さん一家』の有名な最終コマを彷彿とさせるような不気味さが画面を覆い尽くし、そこに流れている時間がグッと緊張を帯びる。
ここで終わってくれれば…!という俺の願いは空回り、手垢のついたようなスローモーションやフラッシュバック演出がインサートされる。無論、再びカメラが屋外を歩くスミを捉えたときにはもはや先ほどまでの不気味さと緊張に満ちていた画面は失われている。なんでもかんでも長回しすればいいというわけではないが、ここまでズタズタに切り刻む意味は果たしてあるのか。むしろ逆効果なんじゃないか。
他にも、コミカルなズームやSEなど、明らかに場違いな(しかも場違いであることに必然性のない)演出が多々見られた。そのたびに興を削がれるので全体としてかなり苦痛だった。
ムズすぎ😭
難しすぎてレビュー書けません😨笑
他の方のレビューを見て、姉が二重人格なのと妹の死を受けいれられず妄想で作り出してるというのはわかったけど、それを踏まえて観ても頭こんがらがりそう😫
幽霊はなんのために出てきた?
親戚の夫婦が来た時の奥さんの発作?とかもよくわからん😭
2巡目必至(ホラー要素はスパイス)
初見は淡々と小難しい印象受ける。
序盤で「これ無理なやつかも…」と正直思いました。
変に美しく、抽象的に作って色んな考察サイトをボンボン立たせるタイプのやつかと笑
なんか登場人物達の関係の背景もよく分かんないわ。ほぼ誰も喋らないわ。唯一よく喋る人の話は中身無いわで。
それでも丁度良い所でホラー要素でドキっと引き込まれるし、何か変な違和感もあるしで
なんだかんだで観れちゃう。
途中でオチにピンときました。
すると違和感は消える!
思わずアタマから見直したくなると思うけど
絶対1回最後まで観た後にした方がいい笑
完全に最後まで観ないと全ては分からない
ようになってました。観るとちゃんと分かる
タイプの作品です。
2巡目で観る所が変わってほぼ納得。
違和感はやはり作為的なモノでしたね。
全体通して静かな映画でしたが…なるほど。
そりゃあんまり登場人物にセリフも喋らせ無い方が良いなと。
でもそれが全く不自然で無く本当巧い。
静かさがまたこの映画そのもの。
本当作りが巧いと思いました。
秀作だと思います。
お化け的なホラー要素はスパイス程度です。
そういうホラー作品では無いので求めるモノが
そっち系だと肩透かしくらうかと思います。
救いも無いです。
デヴィッド・リンチっぽい、韓国ホラーの名作
もっと怖いかと思ったが。
韓国の怪談話が元ということで、怖さを期待したけれど、それほどでもなかった。薔花紅蓮伝をしらべてみたが、元にしているだけで、内容はかなり違う。映画は人間が怖い。継母の口調や行動も怖いが、長女の行いもなかなかのもの。
父親がいちばん悪いように思える。奥さんがいるのに、後の後妻になる女を家に連れてきて一緒に暮らすって、どういう神経?そりゃあ、奥さん、首吊っちゃうよ。でも奥さんも次女の部屋の箪笥の中で首吊るのはちょっとひどい。その中にお仕置きとして次女を閉じ込める後妻、閉じ込められて暴れたために箪笥が倒れて下敷きになる娘を観ても助けようとしない後妻、鬼です。
結局は妹の死を認めたくない姉が、妹がいると思い込んでいるために奇妙な行動をとる。そういうことかあ、と観ていて納得。でも終盤の継母とのドタバタはちょっと頭が混乱、袋の中は誰だったのか?
意味がわかると切なく哀しい
鑑賞後、考察サイトのお世話になりました。劇中不思議なシーンが多くて首を傾げながら観ていたが、スミが継母の人格を演じていることがわかれば合点がいく。
ラストの湖のシーンが美しいBGMとともにこの作品の物哀しさを表していて良かった。
二重人格の設定については考察サイトを見なくてもわかるように作って欲しかった。
1回鑑賞→考察サイト巡り→2回目鑑賞
韓国の古典怪談をベースにしているが、構成は完全オリジナルで凄く考察しがいのある内容に出来上がっている。面白い。自分は読んでいないが、小説版ではさらに色々はっきりするらしい。
ただ、小説版でも2点ほど謎が残るようだけども。
ミステリー+ホラーだが怖さはそこまでではないので、ミステリー好きや考察班のみなさんにおすすめです。
2回観て欲しい
解説無し、1回鑑賞しただけでこの映画が理解出来る人っているんだろうか。
見終わった後はネットで考察サイトを検索し、解答解説を読み答え合わせをした。
これってそういう事だったのか!と思う点がいくつもあって、私自身の映画鑑賞力の低さに愕然としてしまった。
前情報無く、暴力や殺人などの分かりやすいホラーを求めて観たため肩透かしをくらった。
しかしながら、この姉妹の救われなさと、ずっしりと重く胸の奥に残る悲しさ。素晴らしい物語だと感じた。
兄弟の片割れが実は死んでいるというネタはありがちだが、プラス多重人格となると頭がついていかなかった。
親戚の夫妻が家に招かれるシーンを思い返してみると、姉妹がいない点、継母を見て気持ち悪がる親戚夫妻と、確かに辻褄が合う。
そしてなんと屋敷には幽霊もいる。
整理すると、生身の人間の父と娘。娘の幻覚の妹と第二人格の継母。そして亡くなった母娘の幽霊との共同生活だった訳だ。どれが幻覚なのか、どれが実在しているのかが分かりにくいのが、この映画の難しいところだ。
新しい母なんて、年頃の少女には受け入れ難いだろう。
そこに実母の自殺と妹の事故死が重なる。しかも、継母に意地を張ってさえいなければ、妹は助かったかもしれない。
これは普通の人間なら病むでしょ。
妹が絶命する間際の涙は可哀想過ぎて泣いてしまった。
父も継母もまともな人間じゃない。
どうして子供の幸せを願ってあげられなかったのか。
いや、もっと何とかなったやろ。と悶々とさせる点が、ダンサーインザダークを観た時の感じに似ていると感じた。
こんなに悲しい映画、好物ですが、もう観たくないですね…
かなり好き
ホラーの演出がいい!カーテンから生えている足、シンク下の女の子、どれもこれもゾワッとする演出。目をつぶればハッと消えてる幽霊、そんな幽霊ではなくシーンが切り替わってもそこに居る姿にこちらも冷や汗が出そうになる。
思わず背後を確認してしまった。
主人公が精神を患っていると終盤で明かされるので、幻覚と現実が入り混じりどれとどれが本当に起こっているのか混乱したけど、切なくて怖くて良い映画だった。
「最愛の妹」というフレーズがぴったりの映画だ。
登場する継母と妹のシーンはほぼ主人公である姉スミから生み出された人物なので、それを踏まえて見るとまた味わい深い。
●「ごめんね、聞こえなかったの」
ちょくちょく「聞こえなかった」と登場する印象的な台詞。真実を知るととても切ない。
姉の後悔と苦しみがこの一言に収められている。
母が精神を病んで屋敷で療養する中、実質継母の立場で家の実権を握り、家事を切り盛りする姿は、子供にとってキツイだろうな。
実母が箪笥で首を吊って自殺し、それを見た妹がパニックを起こして箪笥が倒れる。
箪笥の下敷きになった人間がいるのを目撃した継母は他の人に知らせようと部屋を出るが、途中出くわした仲の良くない継子の姉になじられ、「後悔することになる」とあてつけで箪笥を放置。姉は妹が、母の死体と一緒に箪笥に潰されているのを知らないまま、外に出てしまう。
箪笥が倒れた音は継母も姉も聞いたが、最初に見に行ったのが継母で、姉も見に行こうとした時に継母と出くわして見に行くのをやめてしまった。
というのが不幸の経緯。
その経緯の元思い起こされる「聞こえなかった」という台詞が切ない。「あの時気付いていれば」という後悔を持ち、罪悪感に苦しみながら幻覚と妄想の中生き続けるのが姉スミなのだ。
●ホラーテイスト
事態を知った姉は精神を病んで、母と同じ屋敷で父親同居のもと療養を始めるが、自分を継母と思ったり、存在しない妹の幻覚を見ている。なので継母の姿で行われる化粧や下着姿で寝室で夫を待つ姿には近親相姦的な嫌悪感が見ている側に湧く。
実際起きた怪奇現象は終盤の母/妹の幽霊が継母に復讐した部分だろうと思う。
ラストは姉の屋敷での療養が上手く行かず、再び入院。屋敷に戻った継母が祟り殺された。
演出はこれまで以上に幽霊の姿がはっきりと「足」という形で示されて怖い。不幸の象徴の箪笥がおぞましくて良かった。
(姉スミの寝室で見た幽霊はあれは母親なのだろ
うか、妹単体のときに起きた「誰かが部屋に入ってきた」という出来事も相まって姉スミの妄想の一種なのか迷う。)
箪笥..
鑑賞を終えて
2003年公開の映画ですがそれを感じさせないほど古臭くはなく、役者の演技力や話の構成は非常に高い。上質なホラー映画だと感じました。
作風が日本ホラーに近く古風でジワジワとくる怖さでした。呪怨やリング等といった日本のホラーが好きな方にも馴染みやすい作品だと思います。
話は少々難解ですが不満を感じるほど難しくはなく所々伏線を張っているので、分かりやすかったです。全ての事実が判明した時は衝撃と悲しみが一気に押し寄せてきて感動。
【総合評価】
怖さもありますが、どちらかというとストーリーにある儚さや悲しさを重視している作品なので恐怖を求めている方には物足りないかもしれないです..
個人的には作品の雰囲気がとても良く大好きな作品。
全29件中、1~20件目を表示