永遠の片想い
劇場公開日:2004年7月17日
解説
一人の青年と、ある秘密を抱えた二人の女性が織りなすラブストーリー。出演は、「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンと「ラブストーリー」のソン・イェジン、「ブラザーフッド」のイ・ウンジュ。監督・脚本は、これが劇場長編デビューとなるイ・ハン。
2003年製作/105分/韓国
原題または英題:Lovers Concerto
配給:タキコーポレーション=リベロ
劇場公開日:2004年7月17日
ストーリー
ある日、ジファン(チャ・テヒョン)のもとに差出人の名前のない手紙が届いた。封筒の中には、懐かしい田舎の風景を写したモノクロの写真が一枚。そして、ひとこと「逢いたい」と書かれたメッセージが入っていた。その一枚の写真にジファンは懐かしさがこみあげていた。それは5年前…。写真が趣味のジファンは、先輩のカフェでアルバイトをしていた。ふと窓辺に向けたカメラのファインダー越しに、花の香りを嗅ぐ清楚な横顔が見えた。シャッターを切ろうとすると、赤い服を着た女の子が前を横切る。こうしてジファンは、スイン(ソン・イェジン)とギョンヒ(イ・ウンジュ)に出会った。ジファンは、清楚な横顔の少女スインに一目ぼれしたのだが、あっさり振られてしまい、友達として会おうと2人に提案する。おとなしく控えめなスインに対し、可愛い顔をしながら思ったことをなんでも口にするボーイッシュなギョンヒ。対照的な2人だったが、いつもジファンとの約束の場所に2人一緒に現れた。こうして急速に親しくなった3人は、語り合ったり、ともにサッカー中継に熱狂し、夏の午後の遊園地ではしゃぎまわった。そんなある日、3人は映画館で「イル・ポスティーノ」に見入る。恋に落ちた郵便配達員が言う、「心がとても痛いんです。でもこの痛みを持ち続けたいんです」。その後、3人はそれぞれ郵便配達員のセリフを噛み締めるようにささやく。それから、一緒に旅に出た3人。海岸ではしゃぐギョンヒを見守りながら、ジファンはスインに言う。「ギョンヒをぎゅうっと押しつぶしてポケットに入れたいと思うことがある。落ち込んだときの慰めに」。彼の心はギョンヒへと傾いていたのだ。翌朝、スインはジファンに子供の頃の思い出話を聞かせる。「病気で入院したとき仲良しになった子が居たの。みんなにその子の名前で呼んでって頼んだわ。そうすれば、離れ離れになってもその子といつも一緒にいられる気がして」。3人が美しい丘に上ると、突然雨が降り出した。冷たい雨に打たれたせいでスインは寝込んでしまい、夜、心配のあまり泣き出すギョンヒ。初めて見るギョンヒの女の子らしい一面にドギマギするジファン。2人の間に沈黙が訪れた。そして、どちらからともなく唇を重ねるのだった…。数日後、ギョンヒはまだ体調の戻らないスインを伴って、ジファンの先輩の誕生日パーティにやって来た。帰り道、ジファンに送ってもらう途中でスインは彼の顔を手で撫でた。まるで手にも記憶を焼き付けようとするかのように…。それが、ジファンがスインに会った最後だった。喫茶店に戻ったジファンは、スイン宛に手紙を書く。ギョンヒとの仲を取り持って欲しいという内容だ。それをギョンヒに託すが、誤解した彼女はその手紙を密かに破り捨ててしまう。季節はもう秋から冬へと変わっていた。2人がジファンの前に現れなくなってしばらく経っていた。そこに、ギョンヒから電話が入る。久しぶりのギョンヒは暗い顔をしていて、右手には包帯を巻いていた。「悪いけど、あなたが重荷になったの」ひとり深酒をして、雪道をよろけ、地面にこぶしを打ちつけるジファン…。そして、現在、ジファンは、最近届いた差出人不明の手紙にスインとギョンヒの2人の面影を感じ、彼女たちの消息を尋ねるため2人が通った高校を訪れた。応対に出た教師は、偶然にも2人の同級生だったという。ギョンヒもスインも病欠で欠席が多くて、いつも一緒にいたことで知られていたと教師は言う。さらに驚愕の言葉を教師は続けるのだった……