クジラの島の少女のレビュー・感想・評価
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途中までは見るに堪えない
前半から、もうエンディングギリギリまで、「これ20年前の映画やけど、今やったら製作も上映もできんのちゃうかぁ~?」と思うくらい女性蔑視、女性差別、そしてモラルハラスメントのシーンが多く、男性である自分でさえも気分が悪くなるほどだった。
しかし最後の最後のシーンで、それが杞憂である事が分かる。
そして現代でも、いや、現代だからこそ理解できる「女性の強さ、リーダーシップ」と言うものが上手く表現されているように思う。
かつて、男性より下に見られ虐げられていた時代を耐え抜き、対等、時にはポジション的に上に立つ時もある女性の姿。
その成長過程を、この映画の幼いヒロインを通して観る事が出来た。
(まるで人間の歴史みたく)
ただ、こんな風に古い風習を維持し続ける事こそが、自分の使命、と思い込んでる頑固オヤジは、地球上の未開の地域にはまだいるんやろうなぁ~、という思いも一方である。
この映画の舞台も、そんな未開の地域の割に、登場人物たちは聞きやすい英語を話していた。
あれは、ニュージーランドのなのね。
前述の通り、もう20年も前の映画だが、今でも十分鑑賞に堪えうる内容。
テレビで放送があったら、再度観てみたい。
(多分機会は少ないだろう。その頃には女性差別よりも、LGBTの問題の方が大きくなっていることだろう)
いきなりオスカーにノミネートされた感
海辺にクジラの群れが打ち上げらて、村人が集まるシーンは壮観で、クジラを労わる彼らの努力がひしひしと伝わってきた。ここで思ったのが、この映画がアメリカで評価されたのもクジラを愛してやまないからなのかもしれないということでした。その後のシーンは想像ついたものの、『風の谷のナウシカ』を思い出させるファンタジーとなって気持ちが良かったです。子供が主役の映画と言えば、やはり学芸会!自然と涙を誘うケイシャの演技が見事でしたよ!
【2004年2月映画館にて】
誰のせいでもない
族長である祖父が求める指導者としての血を引きながらも、女であることで認められない主人公。伝統が途絶えること、祖父が失望することに対し、彼女は何度も「それは私が女だったせい?」と考える。そして祖父もまた、ある事件をきっかけに、この不幸は誰のせいだ?と考える。そして彼女が、それは誰のせいでもないのだ、という結論に至り、それまでに、この小さな少女がどれだけ悩んだのだろう、ということに胸がいっぱいになるし、そこに辿り着けたからこそ、彼女は光を見出すことができたのだと思うと、自然と涙が出てくる。また観たくなるかも。
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