札つき女

解説

「青春の抗議」「化石の森」のベティ・デイヴィスが主演する映画で、「黒地獄」「特高警察」のアベム・フィンケルがロバート・ロッセンと協力して脚本を書卸し、「踊る三十七年」「カリアンテ」のロイド・ベーコンが監督に当たり、「カリアンテ」のジョージ・バーンズが撮影した。デーヴィスを助けて「化石の森」のハンフリー・ボガート、ローラ・レーン、「失はれた地平線」のイザベル・ジュウェル、「目撃者(1936)」のエドワード・チアネーリ、「踊る三十七年」のロサリンド・マークィス、新人ジェーン・ブライヤン、「ギャングの家」のメイヨ・メソット、新顔のジョン・ライテル、「スタアと選手」のアレン・ジェンキンス等が出演する。

1937年製作/アメリカ
原題または英題:Marked Woman

ストーリー

ニューヨークのナイト・クラブ・チェーンを独占しているギャングの親分ジョニー・ヴァニングは「アンチーム」倶楽部も手に入れた。そこの女給メリー、ギャビー、フロリー、エミイ・ルウ、及びエステルもヴァニングの身内となった。ヴァニング経営となれば、お客はカモられるだけカモる主義で女給は人情抜きで辣腕を揮はねばならぬ。その代わりに収入は以前の五十倍は取れる。しかし取り前の半分は親分に収めねばならぬ。イザゴザの起こった時、丸く納めるため賄賂や弁護士代やに使うという名目である。ヴァニングは年増の女のエステルをクビにしようとしたがメリーはエステルの凄腕を保証してクビにするのをやめさせた。ヴァニングはメリーの鉄火ぶりに興味を抱いたが、彼女は親方対女給の埒を外さなかった。ある夜、田舎者が遊びに来て不渡手形を掴ませた。そんな場合の例によりヴァニングは田舎者を殺させた。被害者がメリーの相方だったのでメリー初め同宿の女給は全部検束された。その上メリーの妹で大学生のベティーも偶然来合わせて拘引の憂目にあった。次席検事グラハムはヴァニング一味を撲滅せんと決意して、メリーの自白を証拠に法廷に戦った。しかしメリーの自白はヴァニングの弁護士ゴードンが仕組んだ狂言で、ヴァニング一味は全部無罪放免となった。ところがベティーがヴァニングの許に誘われ、客を取ることを強いられて断ったために殺されて、その目撃者(1936)エミイ・ルウは隠されてしまう。メリーはグラハムに訴えた。ヴァニングは激怒して配下にメリーを殴打させ、顔に裏切り者のしるしの傷をつけた。これが大問題となったので、ヴァニングはエミイ・ルウを殺させてしまおうとしたが、彼女は身を以て逃れてメリーの病院へ行った。そこにグラハムも来合わせたので五人の女給はついに証人として、ヴァニング糾弾の法廷に立った。エミイ・ルウの証言とメリーの顔の傷痕とグラハムの熱弁は、ついにヴァニング一味有罪の宣告をもたらした。一味は三十年以上五十年以内の懲役に処せられた。ヴァニングは五人の女給を殺させる手筈をしていたが、無益の殺生はやめることとなった。グラハムは功績を称賛された。メリー等五人の女給は夜霧の中に消えた。彼女等がどうなったか、大都会ニューヨークは知らない。

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受賞歴

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