「クライム・サスペンス」サウンド・オブ・サイレンス(2001) bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
クライム・サスペンス
20年前のマイケル・ダグラス主演の、クライム・サスペンス。『氷の微笑』で魅せた、男臭さのピークは過ぎた感はあるが、やはり彼の演技は、どんな作品でも、安定感はある。
本作では、銀行強盗が盗んだ宝石のありかを見つけ出す為に人質にに取られた愛娘を奪還する為に、なり振り構わず、突っ走る、鬼気迫る父親役を演じている。
ストーリーは、仲間を裏切った銀行強盗の男が、盗んだ宝石を娘・エリザベスに託す。エリザベスは、目の前で父親が殺された事がトラウマとなり、心を閉ざす。エリザベスから、宝石のありかを聞き出す為に、銀行強盗のトリックは、精神科医・ネイサンに白羽の矢を当てる。ネイサンの娘を人質にとり、彼に心を閉ざしたエリザベスから宝石のありかを聞き出すように強要し、追い詰められていく…。
ストーリーとしては、こうしたクライム・サスペンスとしては、それほど目新しいものでもなく、家族の誘拐、精神科医、銀行強盗と、よくある素材をいろいろと混在させている。それなりにハラハラさせるし、アクションの痛さもあり、面白くまとめられている。
その中で、マイケルの演技以上に際立っていたのが、心を閉ざした娘・エリザベスを演じた、ブリタニー・マーフィー。精神的に不安定な、猟奇的な精神患者から、次第にトラウマを乗り越えて行く少女役の演技は見事。天才女優の誕生とも思わせた。しかし、彼女も2010年くらいからは、スクリーンからは観られなくなったのは残念。
ラストシーンのネイサンとトリックとの対決シーンは、意外な形での決着。クライム・サスペンスらしい痛さの伝わる工夫があった。
私も彼女の大ファンだったので見られなくなって非常に残念です。特にこの映画と17歳のカルテが大好きです。彼女の死後、夫も5ヶ月後に急死しているようですね(ウィキペディアより)。