「アンソニー・ホプキンスが醸す不気味な雰囲気は良きも悪くも不安を掻き立てる。」アトランティスのこころ はるさんの映画レビュー(感想・評価)
アンソニー・ホプキンスが醸す不気味な雰囲気は良きも悪くも不安を掻き立てる。
幼き頃の勇気は歳を重ねる毎にすり減る。勇気は使わぬといけない。父性社会のかの国では母性に溢れた社会に憧れているかの様だ。しかし、母性は羊水のように安全で穏やかなだけではなく牢獄の不自由がトグロを巻き身動きがとれなくなってしまうほどの力を持っている。この力に取り込まれた者は地獄の苦しみを味わう。
ふらりと現れた老人は果たして幼い主人公を助ける役目を果たせるだろうか?この映画の見せ所と言っていいだろう。大人になるにはそれなりに傷つかなくてならない。赤血を流せる傷ならばまだましなのだ。青光りする血を流すのは想像だにせぬ痛みが伴う。その痛みを知った者だけが本物になれるのだろう。
でも、何もかも知らないままに終えてしまう人生もある。
で、それでいいのかい?と、この映画は問い掛けているかのようだった。
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