ベレジーナ

劇場公開日:

解説

現代スイスの政財界を風刺したブラック・コメディ。監督は「書かれた顔」のダニエル・シュミット。脚本はマルティン・ズーター。撮影は「恋するシャンソン」のレナート・ベルタ。音楽はカール・ヘンギ。出演は映画初出演のエレナ・パノーヴァ、「従妹ベット」のジェラルディン・チャップリンほか。

1999年製作/108分/スイス・ドイツ・オーストリア合作
原題または英題:Beresina
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2001年4月28日

ストーリー

スイスの経済弁護士ヴァルト博士(ウルリヒ・ノエテン)とファッション・デザイナーのシャルロッテ・デー(ジェラルディン・チャップリン)は権力に全ての生きがいを感じる人種で、金融界でも政界でもまともに相手にされてはいなかった。しかし、シャルロッテが抱えるコールガール、ロシア人のイリーナ(エレナ・パノーヴァ)は、権力者たちの寵愛を集めていた。次第に、博士とシャルロッテはそんな彼女に期待と私財をかけ、高級マンションを買い与えるや、彼女に語りかける男たちの機密のやりとりを盗聴しようとする。だが、イリーナは決して機密のやりとりをしようとしない。苛立ったヴァルト博士とシャルロッテは、イリーナに、常連客たちのスパイをするかロシアへ帰るかという最後通牒をつきつけた。やがて国外退去の通知を受け、絶望したイリーナは、睡眠薬を飲み死を待った。その間に彼女は、自分の一番の客であった元陸軍少尉シュトゥルツェネガー(マルティン・ベンラス)の帽子の裏側に書いてあった秘密の電話番号をダイヤルしてしまう。それによって、かつて秘密軍隊コブラ団にいた老人たちがクーデターを起こし、古いコブラ団のヒットリストに載っていたすべての役人たちを殺害していった。そして偶然にもコブラ団の指揮を取ったことになったイリーナは、昏睡状態から目覚めたのち、アルプスの新しい国、ヘルベチア王国の女王の座につくのだった。

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映画レビュー

4.5書き割りスイス🇨🇭 キッチュと暗部を楽しむ!

2024年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

ダニエル・シュミットはこういう映画も作るのか!! スイスのキッチュと暗黒面をミックスした映像とお話でとても面白かった。

ロシアの可愛い女の子イレーナ、ドイツ語うまくて学習能力が半端ない!セクシーなチロル風衣装も似合っていました(TPO的には✖️であっても)。顧客は国の重鎮でお爺ちゃん割合が多いので縄や目隠しや色んな遊びにつきあえばいいのでイレーナも楽しそう(飽き飽きしてるだろう、本当は!)。イレーナはスイス国籍を得るためには何だってするのだ。愛国歌も歴史もスイスの英雄話も覚え自分のロシア大家族(スイス万歳状態!)にまめに手紙を書いているからみんな憧れ興奮状態!

一方でイレーナが孤軍奮闘のスイスでは、金融業界の互助関係とパーティーに明け暮れるリッチな年配夫婦達が皮肉と自虐ユーモアたっぷりに描かれていました。ダニエル・シュミットの映画は、衣装センスがいつも美しく素晴らしい!ダニエル・シュミットの映画は面白い❗️

おまけ
スイスは私には清潔過ぎる。大昔、スイスのスーパーに徒歩でよくタバコを買いに行った。物価が高い国だがタバコはドイツより安かったのだ。それがスイスから(映画でも言及されている)ボーデン湖のほとりのドイツの街コンスタンツに買い物客が山ほどやってくるようになった。これも前の話なので今はまた変わっているかも知れない。いずれにせよ愛らしい街コンスタンツが観光地化した姿にはがっかりし悲しかった。初めて訪れたドイツの街、人生初の一人暮らしをした街コンスタンツはもう無い。

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talisman

4.5ダニエル・シュミットの佳作

2024年9月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

早稲田松竹にて鑑賞。(ダニエル・シュミット2本立て)

ダニエル・シュミット監督がスイス政財界を皮肉ったブラック・コメディ、とても面白かった‼️
特に終盤展開されるテンポよい「コブラxx」の流れは素晴らしい↗️

フィルム上映だったが、日本語字幕が背景白に白字で読みづらいところが一部あり。(『大統領の陰謀』ほどでは無かった。)

スイスにやって来てスイス国籍を欲しがっている美女イリーナ(エレナ・パノーヴァ)は、スイス権力者たちの寵愛を受けるコールガール。軍部の上層部・テレビ局ディレクター・弁護士の博士・銀行の頭取ちゃん🤣笑……など。
このコールガールを中心に据えた物語だが、イヤらしい場面は無く、政財界トップの中にも変態プレイを好む場面がある程度。こうした場面はブニュエル的。
弁護士で博士の男、ファッションデザイナーの女(ジェラルディン・チャップリン)は、「イリーナに権力者たちの情報を盗ませよう」とするが、イリーナはなかなか応じない。そんなイリーナに苛立った二人は「国外撤去の通知」をイリーナに渡す。スパイするかロシアへ帰るか……の二択を迫る。イリーナは絶望して自殺を図るが、大量に飲んだのは●●●●…😅w
そして、終盤のコブラエピソードへ突入して派手な終結を見せる。

映画館で大声を出して笑うような映画ではなく、ニヤリとさせられるような類いの映画であった。
イリーナを演じた女優エレナ・パノーヴァが確かに魅力的で小悪魔的な綺麗さなので、これは権力者たちがコロッと……というのも分かる💕

ダニエル・シュミット監督のブラック・コメディ、お見事🙂🙌

[補記]この映画、ソフト化がVHSどまりで円盤化は日本盤ないのが勿体ない。

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たいちぃ

5.0全ての性癖は許された

2021年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

エレナパノーバの艶やかな歌声に彩られ

産声をあげる新生スイス連邦共和国よ永遠なれ

不朽の名作

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労働4号

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