フォロウィングのレビュー・感想・評価
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ルールは破りたくなる
クリストファー・ノーランの映画が1週間で2回も、しかも映画館で見れるだなんてめちゃくちゃ贅沢。昔からぐちゃぐちゃ時系列が好きだったんだね。これが「インセプション」だとか「テネット」だとかSF超大作に変貌していくと思うとなんだか考え深い。長尺のイメージが強いノーラン映画だけど、短い時間でも才能を十分に発揮。期待していたラストじゃなかったから評価は抑えめにしたけど、これが処女作だなんてエグすぎる。演出、構成共に完璧。他のどの監督よりも映画見た!と強く思える、圧倒的な満足感があるんだよね〜。
〈そう簡単に人は変われない〉〈ストーカー、ダメ、絶対!〉的な映画だからまぁこれでも全然良いんだけど、個人的にはもっと主人公を面白く描いて欲しかったかな〜と。でも、70分でここまで展開させるのは至難の業。気楽に見ていたら最後の伏線回収にうわ!って言っちゃう系の映画。低予算だから他作品に比べると地味ではあるけど、やっぱりノーランはノーランだった。クリストファー・ノーランの頭、一日体験したい。
軽快に駆け抜ける70分がもたらす余韻
不法侵入は、やったらヤバい事になる。
4月24日(水)
クリストファー・ノーランの監督デビュー作「フォロウィング」を新宿武蔵野館で。
モノクロで上映時間1時間10分と短いが、25年前のデビュー作からノーラン得意の時間軸いじりは始まっている。
作家志望のビルは、ロンドンの街で趣味と作品のネタ探しで目についた他人を尾行している。しかし、ある日尾行している男に尾行を気付かれてしまうが、彼は他人の家に不法侵入して小規模な窃盗を繰り返している男だった。ビルは、彼と一緒に他人の家に不法侵入するようになるのだが、実は彼は……。
全編モノクロで例によって時間軸が前後するのだが、主人公が途中で散髪して着替えるので、どの時点の映像なのかは把握し易い。ラストにどんでん返しが待っており、上映時間が短くても上手くまとまってはいる。
本作のレビューを読んでいたら、映像を時系列順に再整理された版も収録されたDVDがあるらしい。
結局、ラストにどんでん返しが待っているので、印象はあまり変わらないようだ。
本日鑑賞2本目で鹿児島への旅行の後で疲れもあったのか、私にしては珍しく途中で一瞬寝てしまった。(一瞬だと思うが数分かも知れない)
面白かった!
むずか面白い
コンパクトながら充実した内容でした
ノーラン監督の映画は、主人公がどうしても好きになれない、共感できないパターンが多いのです。
人間の愚かさを表現しようとしているのか、人物を描き込む技量が足りないのかは分かりませんが、デビュー作からそうだったんだね…という気づきがありました。
時系列を入れ替えるから、行動の根拠が見る側にわかりにくくなるのだと思います。
今回、謎が解けるラストは、他の作品よりもすっきり感があり、偶然うまくいき過ぎな感じもややありましたが、一作目から世界観が確立しているのは、やはりすごいと感心しました。
最初から中二病
私の初ノーランはこれ。
昔レンタルで観てかなり良かったし友達にも勧めた。その後すぐに『メメント』観て、「あー、ダメになったな」と思ったけど、最初から冴えていなかったのだと今回確認できた。結局、私の若気の至りだったという結論だ。
まず、主人公が単なるバカで嫌になる。嗜好泥棒と女にハマっていく描写も中途半端でせっかく時系列シャッフルしてるのに思いがけない文脈が出会ったりズレたりすることで生じる高揚感がない。単なる思いつきで脚本書いて撮ったんだと思う。未熟なのではなく異なる時系列を扱うことに関して単に才能が無い。
ノーラン演出の特徴
・男女のわちゃわちゃが下手←今作でもホントに下手でしたね! 黒澤明の『七人の侍』を思い出しました。
・時系列シャッフルしてるけど意味がない←そもそも効果的に演出する技量が無いし異なる時間軸を挿入するタイミングに失望し続ける。鈴木清順を参考にしろよ、と言いたいがポテンシャルが違いすぎるか...
・自分の世界観に酔っている← 演出者として致命的な欠陥。これはテレンス・マリックと同種。
ただ、これ以降の作品群よりも優れていると思うし、良いシーンもいくつかあった。新作の度に駄作に対して頭を悩ます大衆を産み続ける才能は大いにある。
きっと矛盾なくピースはハマるのだろう
いつもの映画館で
おそらく今年一番のオッペンハイマーの監督の
幻のデビュー作というので急遽鑑賞
もう今日のこの時間しか合わない
先週プリシラを観たおかげでリピーター割引
あさってもレザボアドッグスを観るど
時系列シャフル こっからメメントにつながるのかと
インセプションとかインターステラーなどよりは
理解できた気分 70分と短めで酔っぱらってなかったので
白黒でチト眠気をもよおしたり
長髪髭と短髪髭なしの主人公が別人なのかと思ったりも
よく分からぬ部分はあるが
きっと矛盾なくピースはハマるのだろう
伏線回収もあったっけ
いいと思います
傑作サスペンスの宣伝文句に偽りなし!
けっこう面白い
今では大予算の超大作を手掛けるノーラン監督が、非常につつましい作品を撮っている若手時代を思うと心がきゅんとする。時系列がやたらと前後するなど今も続く作風だ。分かりにくくはなくて、けっこう面白い。いたずらに他人の後をつけると言う悪趣味な遊びも面白い。
面白い
時間軸の
ザファーストノーラン
ノーランは、私たち観客に挑戦していた
作家志望の失業中の若い男(自分のことをビルと呼ぶ)が、ロンドンの街で見知らぬ人を尾行する(Following)が、しっかりした身なりの男(コブと呼んでいた)と巡り合う。男の空き巣狙いに同行するうち、男の勧めに従って、髭を剃って髪を短くし身なりを整えるようになる。ところが、映画では、ビルは冒頭で、既に短髪になった姿で出てきて、すぐにコブと初めて出会ったところがフラッシュバックされる。当然、その頃はまだ長髪だから、見ている方は一瞬、戸惑う。このように、ノーランは見ている者を緊張させ、戸惑わせる。その後もずっと。
若い男は作家志望だからか、ドストエフスキーの「罪と罰」の訳本をガイド本と共に読んでいる。これはきっと監督が、若い頃UCLで英文学を専攻していた影響だろう。ハリウッド映画にドストエフスキーなんて出てこない。見ている方は老婆殺しがあるかなと思っていると、実際、コブはそれを示唆する。ところが、相手は全く違っていて、それは最後に種明かしされる。
この映画は、98年ノーランが脚本、監督、撮影を務めて共同製作した彼にとっての最初の長編映画であることがよく知られている。低予算のためモノクロであり、かつ撮影用の照明がなく、多く自然光の下、手持ちのカメラで撮影されている。曇って、いつもどんよりとしたロンドンの情景によく合っているが、コントラストの強いフィルム・ノワールとは趣を異にするように思う。
文学の世界では、デビュー作にその作家の全てがあると言ったのは、三島由紀夫だったか、私も全くその通りだと思うが、ノーランの「Following」もまたその例外ではなかった。常に新たなトピックを提供し、観る者に緊張を強いる。
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