「性的指向性と向きあう高校生」同級生(1998) SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
性的指向性と向きあう高校生
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原題はGet Real (現実を見よ)。
主人公とその恋人役が素晴らしかった。高校生の主人公は、自分が同性愛者であることに気付いて以来、親には秘密にしているが隣家の親友には打ち明けていて、恋人探しに出かけたりしてわりと屈託がなく過ごしているのに対し、彼とつきあうようになったエリート同級生は日本の最近の作品「彼女が好きなものは」の主人公がそうだったように自分の性的指向性を受け入れることができず、当然周囲にもひた隠しにしている。その苦しそうな様子には胸がつまった。
調べたところ英国では、伝統的な価値観受け入れ重視する超保守政権が退陣した1990年代後半から 本作のようなLGBTQ作品が少しずつ制作されるようになったとのこと。
製作者の伝えたかったことは、主人公の受賞スピーチにつまっている。同性愛だって普通の愛と変わらない。普通にオープンにしたい。咎めないでほしい。怖くて親に言えないで悩んでいる子供もいるのだから。彼の勇気ある言葉が会場の大きな拍手を得たのは嬉しかった。
ラストで流れるアレサ・フランクリンのThink。主人公や彼のような性的マイノリティの子供達の背中を押すようで、合っていた。
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