少年義勇兵

劇場公開日:2001年11月3日

解説

「蝶の花」「ナンプ-は死んだ」など、タイを代表する映画監督ユッタナ-・ムクダ-サニットによる、太平洋戦時下のタイを舞台にした青春映画。日本ではほとんど報じられることのなかった日・タイ間の歴史を、当時の風俗をリアルに織りまぜて描く。

2000年製作/123分/タイ
原題または英題:Boys Will Be Boys, Boys Will Be Men
配給:東光徳間
劇場公開日:2001年11月3日

あらすじ

タイ、チュンポーン県の高校生マールット(ルンルアン・アナンタヤ)は姉と姉の夫である日本人のカメラマンとの3人暮らし。ある日マールットは写真を撮りに来た女学生、チッチョン(テーヤーロジャース)に会い次第に好意を寄せるようになる。そんな中、手薄なタイ軍を補助するために高校の中で義勇軍が募られた。マールットは真っ先に志願し、クラス全員が手を上げた。厳しい訓練が始まり、最初は険悪な仲だったプラユット(ワラヨット・パニチャタライポップ)とも打ち解け、またチッチョンともお互いの将来の夢を語り合うようになる。しかし1941年12月8日早朝、チュンポーンの沖に数十艘の軍艦が姿を現した。メインマストには日本の海軍旗が翻っていた…。

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映画レビュー

3.5 少年兵たちの青春

2025年5月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

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楽しい

太平洋戦争前夜から初頭のタイ軍の少年義勇兵を描いた青春映画。太平洋戦争は日本軍のイギリス領マレー侵攻で始まったが(真珠湾攻撃の1時間前)、その際に起こったのがマレーの隣国タイへの上陸と中立侵犯。日本軍はマレー侵攻のために、当時の東南アジアで唯一の独立国だったタイを同盟国にはできないまでも親日的なピブンソンクラーム首相に領内通過を認めさせたかったのだが、日本に容認的な政策を採ることに将来的な危険性を感じたピブンソンクラームが雲隠れしたため、上陸した日本軍とタイ軍の間で戦闘が発生。数時間後に姿を現したピブンソンクラームと日本軍の間に軍隊通過協定が結ばれ、停戦命令が出されるに至った。

映画はタイの隣国フランス領インドシナ(仏印)への日本軍の進駐で不穏な空気が漂う1941年5月に、タイ軍が兵力増強のため少年義勇兵を募集するところから始まる。前半は少年義勇兵になった主人公たちの訓練の合間に恋や友情も挟まれる青春ストーリー。後半は12月8日未明に上陸してきた日本軍との激しい戦闘が描かれる戦争映画となる。おそらく実際の戦闘よりもちょっと大規模すぎるんじゃないかという気もするが、映画的にはそうしないと盛り上がらないだろうしなあ。主人公の姉の夫がタイで写真屋を開いている日本人なんだが、実は日本軍特務機関員という描写もある。青春映画&戦争映画としてなかなか面白い佳作だった。

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バラージ

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