夏至

劇場公開日:

解説

3姉妹を中心とした家族の絆を静かな語り口で描くドラマ。監督・脚本は「シクロ」のトラン・アン・ユン。撮影は「花様年華」のリー・ピンビン。出演は監督夫人でもあるトラン・ヌー・イエン・ケー、「季節の中で」のゴー・クアン・ハイほか。

2000年製作/112分/フランス・ベトナム合作
原題または英題:A la Vertical de L'ete
配給:アスミック・エース=日本ビクター
劇場公開日:2001年7月14日

ストーリー

ヴェトナムの首都ハノイ。母親の命日に集まったスオン(グエン・ニュー・クイン)、カイン(レ・カイン)、リエン(トラン・ヌー・イエン・ケー)の3姉妹は、とても仲が良い。しかし実はそれぞれ、誰にも言えない秘密を抱えていた。カフェの女主人である長女スオンは、幼い息子がいるものの、夫クオック(アンクル・フン)には愛人とその子供がおり、自分も行きずりの青年トゥアン(レ・トゥアン・アイン)と逢瀬を重ねていた。次女カインは新婚で、ライターの夫キエン(チャン・マイン・クオン)は処女小説に行き詰まっている。妊娠が判ったが、今は夫と二人の秘密にしておきたい。三女リエンはまだ学生で、役者の卵の兄ハイ(ゴー・クアン・ハイ)とアパート暮らし。恋人のホア(レ・ヴー・ロン)とは最近うまくいっていない。そんな中、命日の酒宴で母の秘めた初恋の話が明かされた。貞節な理想の夫婦を両親に見ていた3姉妹は、母が父以外の男性に恋していた事実に戸惑う。そして三姉妹が抱える秘密も、少しずつ露になっていく。やがて父親の命日。彼女たちは問題を抱えつつも、家族の絆を強め、関係の調和を保っていくのだった。

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映画レビュー

3.0映像美にうっとり

2019年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

萌える

 『青いパパイヤの香り』『シクロ』の監督トラン・アン・ユンが5年ぶりに撮った作品。  撮影はマーク・リー。邦画『春の雪』(2005)でも撮影を担当している台湾監督だ。冒頭から圧倒的な映像美によって魅了してくれる手腕はお見事。長女の夫が植物専門の写真家で人間を撮るのが苦手だという設定と、この映画の撮影の対比が妙にバランスのとれた伏線となっている。そして、すべてのカットに妥協を許さないまでの色にこだわった映像。目の保養になりました。  ストーリーは理想的な両親の愛をモチーフにして、徐々に姉妹の不倫の事実が描かれはじめる。長女は名前も告げずに男と密会を繰り返し、次女は妊娠したお腹をしげしげと見つめる。3女リエンは俳優の兄ハイと一緒に暮らし、恋人からも遠ざかり、兄と近親相姦になりそうなハズなのにならないぎりぎりの描写が素晴らしいです。

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kossy

2.5ベトナムの風景が見れるのがいい。 やっぱり、ベトナムは女の人がよく...

2015年5月12日
iPhoneアプリから投稿

ベトナムの風景が見れるのがいい。 やっぱり、ベトナムは女の人がよく働くんだなーって感じた。 3姉妹、それぞれの恋愛がどろっとしてるようでピュアな気がする。

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peachyell

4.5スクリーンに流れる心地よいベトナム時間を楽しむ

2009年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

トラン・アン・ユン監督の映画は、途中で自己完結したような食い足りない内容のものがあるのだけど、この作品だけは別。美人姉妹の恋物語が、ゆるやかなベトナムの時間の中で、スローテンポながらスリリングに展開されて、なかなかに面白い。  恋物語以外で、この作品の見どころはベトナムの生活文化だ。朝、皆で外でフォーをゆつくりと味わいながら食べて、昼間は春巻きを美味しそうにほおばる。いったいこの人達、いつ仕事しているのだろう、なんて思うくらいに、ベトナムのゆっくりと流れる時間の中での人々の豊かな生活ぶりは、本当にうらやましくなるくらい。  もうひとつの見どころは、世界遺産に登録されているハロン湾の景観。海から岩山がニョキニョキと生えてきたかのような幻想的な美しさで、映画の中の風景として印象に残るものだ。この映画を見たら、ベトナムに行きたくなります。

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こもねこ