「出会いも恋も始まらない」ワンダーランド駅で odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
出会いも恋も始まらない
どうも運命の二人らしいのだが出会いも恋も始まらない、出会いの前を延々映画にするという試みは確かにユニークだが他の監督がそうしないのは訳がある。
本命に出会うまでの繋ぎなのだから出てくる男も女も難があるのは当たり前、言葉遊びのようなセリフが虚しい。ギャンブル狂とかお盛んな有閑マダムとか親世代のいい加減さも興をそぐ。要するに結末を知ってしまったミステリーが成り立たないのと同様だ。
加えてテレビのようなアップの多用、地下鉄の混雑での圧迫感をだすには有効だが街場でもアップのカットバックが繰り返される、全編に流れるボサノバは主人公の気怠い心情なのだろうが演出と不釣り合い。監督は相当の天邪鬼、ロマンティック風なタイトルで釣っておきながら月並みな恋愛ものにしたくなかったのだろう。
それにしても「ハリセンボン」は愛くるしい、いっそアランを主人公にした水族館物語に彼女が絡むロマンティックストーリーにして欲しかった。
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