「少年達、男達、女達の欲望と生きざま」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
少年達、男達、女達の欲望と生きざま
もう、しばらく、他の映画を映画として観ることなどできないんじゃないかと思ってしまうくらいの凄さ。「名画」なんていう、ありふれた呼び方しかできない、己の語彙の貧しさが恨めしくなるほどの「名画」。
3つの時代をつなぐ4時間25分のドラマは、少年時代のガキンチョ5人のギャング団で始まります。その後、大人マフィア、クリーン・マフィアへとつながり、全員の人生が「終わる」ところまでを描きます。ヌードルス1人は命だけはあるものの、中国アヘンを吸いながら過去の幻想に笑顔する姿、人生、終わった男の顔で映画は終わります。
NY市警の前、「画面一杯」にそそり立つペンキ塗りの壁の前に寄り添う、三人の少年の姿に胸が苦しくなり、涙が止まらなくなった。ユダヤ人街に生まれ育った4人と、ブルックリンから引っ越して来た1人。アメリカの片隅で、こんな物語を繰り広げて死んで行った5人の人生が、何でこんなにも胸を締め付けるのか、判らない。今の私達、こんなに生々しく生きていない。飢えてもいない。人生を捨ててもいいくらいに好きになる女もいない。無茶もしなければ、する必要性も無い(と思っている)。
「生まれ」と「街」が生み出した欲望のままに生き死んで行った男達と、彼らを彩った女の物語に、これほどまでに惹きつけれるのは、欲望のままに生きたかった、と言う想いが深層にあるからかもしれない、なんて事を考えたりする日曜日の午後。
10時に開演、終わったら2時半ですよ。
お腹空いた。。。。。
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