わたしは女優志願

劇場公開日:

解説

16年間離ればなれで暮らしていた父娘が再会して起きる騒動を描くヒューマン・コメディ。ニール・サイモンの同名ブロードウェイ劇をサイモン自身が脚色し、演出に当ったハーバート・ロスが監督した。製作はハーバー卜・ロスとニール・サイモン、製作指揮は「愛と喝采の日々」「泣かないで」と、ロスとサイモンの作品を多く手掛けているロジャー・M・ロススタイン。撮影はデイヴィッド・M・ウォルシュ、音楽はマーヴィン・ハムリッシュが担当。主題歌をハムリッシュと彼の妻のキャロル・ベイヤー・セイガーが共同で作っている。出演はウォルター・マッソー、アン=マーグレット、ダイナ・マノフ、ランス・ゲストなど。

1982年製作/アメリカ
原題または英題:I Ought to be in Pictures
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1982年8月21日

ストーリー

リビー(ダイナ・マノフ)は19歳。ブルックリンの外れにある祖母の墓に別れを告げ、ハリウッドに向かった。16年前に彼女の母と離婚した父のハーバート(ウォルター・マッソー)が、ハリウツドで活躍しているのだ。バスやヒッチハイクで大陸を横断。バスで隣りあわした兵士に、「私はハリウッドに行って女優になるのよ」と語るリビー。セシル・B・デミルも知らないその兵士と、ロサンゼルスで別れたリビーは、父の家に電話するが、途中で不安になり切ってしまった。コーヒー・ショップにすわっているリビーに、モンテ・デル・レイと名乗る男が話しかけ、モデルにならないかと勧める。ウェイトレスが「あいつ、ポン引きよ」と注意すると、リビーは「知ってるわ。でも、あれが私の最初の出演依頼なのよね」と答えるのだった。勇を鼓して父の家に行くと、女性がいた。ステファニー(アン=マーグレット)と自己紹介する彼女は、父の愛人だった。16年振りに会った父は彼女が誰なのか思い出せない。それに仕事の方もうまくいってない様子。ついに2人は喧嘩し、リビーは出ていった。ステファニーの言葉でハーバートは自分の非を認め、娘を有無を言わせずに家に連れて来る。リビーは演劇学校の友達ゴードン(ランス・ゲスト)の紹介で、映画スターのパーティの駐車係のバイトをし、客の車に自分を売り込むチラシをばらまいた。「そんなことしてもなんにもならない」という父。「何かしなくちゃ駄目なのよ」と反論するリビー。やがて、心が通い合うようになる父と娘。翌日、リビーはニューヨークに帰ると言い出した。父の愛を求めて旅をしたので、それが得られた今は心置きなく家へ帰れると言うのだ。出発の日、ニューヨークの家に電話したリビーは、無理やり父に母と話をさせる。始めはぎこちなくしゃべっていたハーバートもしだいになめらかにしゃべっていた。リビーをバス・ターミナルまで見送ったハーバートは、他の男に旅行に誘われていたステファニーに「行くな」と言う。これこそ彼女が待ち望んでいたハーバートの断固とした言葉だった。車の窓にハーバートを売り込むリビーのチラシを見て、ほほえむハーバート。バスで隣り合わせた青年は「ニューヨークで俳優になるんだ」と語り、リビーは「私?わからないわ」と答える。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0私の生涯のベストムービーの中の一本

2020年2月29日
PCから投稿

脚本と音楽が素晴らしい。
胸に突き刺さるセリフと鳥肌が立つような名曲。
ブロードウェイ劇の映画化なので会話中心。
ニールサイモンらしく人情の機微をよく捉えており、泣けるし笑えるし考えさせられる。
ラストシーンなど感極まり嗚咽だった。
38年前の作品でDVD化されておらず、これだけの名作が埋もれているのは本当に残念。

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馬券師