「さて、ドイツからの亡命者と告発するが、ナチスドイツなのか?ユダヤ系...」私は告白する マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
さて、ドイツからの亡命者と告発するが、ナチスドイツなのか?ユダヤ系...
さて、ドイツからの亡命者と告発するが、ナチスドイツなのか?ユダヤ系なのか?
どちらか分からない。
その点が重要だと思うが。
ユダヤ系の哀れな女性を助けたドイツ人亡命者?
微妙な話だ。
『地上より永遠に』のモンゴメリー・クリフトを使っている。さて、地上より永遠にが真珠湾攻撃の様子を含んでいる。さて。なんか臭うなこの映画。
マサシさんへ、コメントありがとうございます。
ヒッチコック作品では、傑作の「見知らぬ乗客」と「裏窓」の間に制作された「私は告白する」は、一寸弱いですね。ただ舞台がカナダの古い城壁都市ケベックなのが良かったと思います。フランス語が公用語になっている複雑な歴史ある古都の認識しかありませんが、原作者のポール・アンセルム(1851年~1914年)はランボーと同年代のフランスの作家兼実業家だったようで、3幕の戯曲『私たちの2つの良心』は1902年に発表されたことから、犯人のドイツ移民の設定はウィリアム・アーチボルトとハンガリー出身のジョージ・タボリによるものと思われます。特にタボリはナチズムに翻弄された困難な前半生を送り、大戦後脚本家としてハリウッドに招かれたとあります。ヒッチコック監督は、どんな脚本家と組んでも、最終的にはスリラー映画の醍醐味を観客に提供した天才職人ですから、手段を択ばず映画の面白さを追求したと言えます。カナダが舞台の事件で敬虔なカトリック神父を苦しめる犯人をアメリカ人やカナダ人、フランス人にするよりは、ドイツ人にした方が抵抗が無かったのでしょう。戦後しばらくのアメリカ映画やドラマでは、ドイツを敵国扱いするのが常態化していましたから。ただ苦楽を共にした愛妻家に見えた犯人が妻に銃を向けるのは、本来心中が結末です。どちらにしても、最後まで諦めず説得する主人公の神父の良さがクリフトの寡黙な演技で綺麗に表現されていました。
最後の詰めの甘さがあるヒッチ作品でも、キリスト教の告解を題材に考えさせる映画で私好みでした。