忘れじの面影(1948)

劇場公開日:

解説

ステファン・ツヴァイクの小説『未知の女からの手紙』の映画化。主演者ジョーン・フォンテーン(「デカメロン夜話」)が主宰するラムパート・プロの1948年作品で、製作は「ジュリアス・シーザー(1953)」のジョン・ハウスマン。「月光の女」のハワード・コッホが脚色し、「快楽」のマクス・オフュルスが監督したものである。撮影は「ギャングを狙う男」のフランク・プラナー、音楽ダニエル・アンフィシアトロフ(「銅の谷」)。フォンテインをめぐって、「デカメロン夜話」のルイ・ジュールダン、マディー・クリスチャンスズ、マルセル・ジュルネ、アート・スミス、キャロル・ヨークなどが出演する。

1948年製作/86分/アメリカ
原題または英題:Letter from An Unknown Woman
配給:東宝
劇場公開日:1954年7月3日

ストーリー

ヴィン。女でいりで決闘の約束をしたステファン(ルイ・ジュールダン)は前の晩のうちに逃げるつもりだった。天才ピアニストといわれた彼も、荒れた生活に今は希望もない。その夜、彼は1通の手紙をうけとった。リーザという女からの手紙ー10年前、リーザ(ジョーン・フォンテーン)と母が2人住いするアパートの隣室に新進ピアニストとして嘱望されるステファンが越してきた。そのときからリーザはステファンをかげながらしたうようになったのだ。しかし母の再婚でリーザは心を後にのこしつつリンツへ移らねばならなかった。18の時、新しい父が結婚の相手にと紹介した男を断って彼女はヴィンに出てモデルとなった。そしてある晩、思い出のアパートの前でステファンと会った。ステファンは街の女にでも接するような気易さで彼女をあちこちともてなしてくれ、白バラを買い「君にふさわしい」といって髪にさしてくれた。思いを達して夢のような一夜のあと、2週間後の再会を約してステファンはミラノへ行った。だが2人は再び会うことができなかった。リーザは妊娠し、生まれた子にステファンと名付けた。そして9年、ジョン・ストファと結婚したリーザは、思いがけなく劇場の階段で女と接吻しているステファンを見出したのだった。しかし、彼は荒びきった生活に溺れ、リーザを思出すこともできぬ。翌日、リーザは思出の白バラを買ってステファンを訪れたが、彼はやはり昔の彼女を想いだしはしなかった。彼女は逃れるようにステファンのもとを去った。その夜、子供がチフスに感染し、看護したリーザにも伝染して彼女はこの世を去ったのである。手紙は病院から送られてきたのであった。

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映画レビュー

3.5せつないけど純粋な恋心

2024年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

音楽家に恋した少女の一途な思いには 同情するが、2週間の間に何かあった のかと思いきや、 ただのチャラ男ということにがっかり。 最後は思い出して決闘に行くんだね。

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ほんのり

4.0【”見知らぬ女からの手紙。そして女が且つて恋した音楽家がある貴族から決闘を申し込まれた訳。”今作は、一人の女性が恋したやや軽佻浮薄なる音楽家に翻弄された哀しき流転の人生を描いた作品である。】

2024年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

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NOBU

3.0我が青春時代のスクリーンの恋人の映画

2020年12月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

我が青春時代のスクリーンの恋人の一人、 ジョーン・フォンティーン主演映画として 鑑賞。 「レベッカ」や「断崖」等での、 右唇を引き上げたような微笑や怯え顔 がなんとも魅力的な女優だった。 さて、この映画、難しい恋愛感情を描く。 相手を一生忘れじとする側と、 たくさんの異性関係の中で、一夜のことだけ と相手のことを全く思い出すことも出来ない 側が接点を持った悲劇と言えなくも無い。 後年は豊かな生活を送るヒロインが、 相手の想いが、自分を思い出すことも無い たった一晩のことだけだったのだと 一度は理解しながらも、 諦めきれずの行為が悲劇をもたらす。 理性では理解しても、感情は別物 となってしまう恋愛の難しさだ。 原作では芸術家は最後まで彼女のことを 思い出さないとあり、最後の手紙で 彼女のことを思い出す映画のラストよりも、 原作の方がリアリティはあるのだろう。 しかし、この映画では何故か思い出し、 彼女の想いを知ったがために、 決闘から逃げる心づもりから一転、 罪滅ぼしからか、彼女の夫から撃たれる覚悟 の決闘に臨むような、センチメンタリズム 満々のシーンで終わらせた。 最後まで思い出さない原作はどのような結末 なのか、少なくとも決闘シーンは無い のだろう等、興味津々だが、 この原作本に出会うことは 難しいのかもしれない。

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KENZO一級建築士事務所

4.0ウィーン

2020年11月15日
Androidアプリから投稿

ウィーンを舞台にした「恋ひとすじに」を観たら フランス映画みたいだったので、ウィーン情緒を感じさせるという オフュルス監督のを見てみました 昔は古風… と思っていた… が、今回、かえってその評価の高さが しみじみ感じられました リザの少女から女性への成長も 不自然ではないし、その化粧気のなさ、可憐さがフォンテーンがアメリカ女優であることを 忘れるほどでした 少女がピアニストの才能に惹かれ、彼自身にも一目惚れしてしまう様子も愛らしかった (ルイ・ジュールダンの どアップも素敵です) 芸術家は自己チューなことが多く 悲劇ですが トキメキも伝わってきました 街の音楽隊、カフェ、レストラン、馬車、花屋、公園、舞踏場、恋に寛容な人々… 真面目な彼女でも ウィーン > リンツ なのが よくわかります これ無しでも生きてゆけないのかも

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jarinkochie

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