少年の黒い馬
劇場公開日:1980年12月20日
解説
海難事故から奇跡的に生きのびた11歳の少年と黒いアラブ馬の愛情深い触れ合いを描く。製作総指揮はフランシス・フォード・コッポラ、製作はフレッド・ルースとトム・スターンバーグ、監督はキャロル・バラード。ウォルター・ファーリーの原作を基にメリッサ・マシソン、ジーン・ローゼンバーグとウィリアム・D・ウィットリフが脚色。撮影はキャレブ・デシャネル、音楽はカーマイン・コッポラ、編集はロバート・ダルヴァが各々担当。出演はケリー・レノ、ミッキー・ルーニー、テリー・ガー、クラレンス・ミューズ、ホイト・アクストン、マイケル・ヒギンズ、エドワード・マクナマラ、ドグミ・ラルビ、クリステン・ビガードなど。
1979年製作/アメリカ
原題または英題:The Black Stallion
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1980年12月20日
ストーリー
1946年、地中海北アフリカ沖。少年アレック・ラムジー(ケリー・レノ)は、考古学者である父(ホイト・アクストン)と共に中近東の旅に出ていた。船であちこちを走り回るうちに、アレックは、ある港で積み込まれた一頭の黒い馬に目を奪われた。それは、野生のアラブ馬で、特別船倉に収容されるのを嫌がり暴れている、見るからに精悍そうな馬だった。ある日、父が船客たちとのギャンブルで持ってきた短剣と小さな馬のイコン(彫り物)を手にしたアレックは、それを大切な宝にした。その日の夜、突然嵐が起こり、船は転覆し、アレックは、海に投げ出された。と、その時もう一つの影が嵐の海の中に飛び込むのがアレックの目に映った。それはあの黒馬だった。しかし、そこで彼は意識を失った。気がついてみると、アレックは、ある無人島に流されており、横たわっている岸辺の片わらには、例の短剣と馬のイコンがころがっていた。アレックは黒馬を探した。そして、ロープが岩にはさまれ、もがき苦しむ馬の姿を発見した。助けられた馬は、自由を取り戻し海岸線に向って走り出した。そんな馬の姿を見て友だちになりたいと願ったアレックは、馬に親しみをこめて近づくのだったが、野生の馬はそれを拒否した。ある日、アレックは浜辺で猛毒をもつコブラに襲われかかるが、危いところをあの黒馬に助けられた。それから、遂に馬は少年の手から海草を食べ、やがて少年を背中に乗せ、波打際を走った。アレックは、馬と心が通じたことを感じ感激した。孤島に流されてから6カ月たったある日、一隻のイタリア漁船が偶然島を通りかかり、アレックと馬が発見された。ニューヨークに戻ったアレックは、我が子の生還に歓喜する母ベル(テリー・ガー)に,生死を共にした黒馬を飼うことをねだった。ベルの許可を得たアレックは、黒馬にブラックと名づけ、可愛がるが、ブラックは、突然の文明生活にはなかなか馴れず、近所で問題ばかり起こした。庭を荒らし、どこへともなく走り去ったブラックを追って、アレックはとある牧場にたどり着いた。そこは、ヘンリー(ミッキー・ルーニー)という元ジョッキーで名調教師だった初老の老人の家で、彼は昔の夢を追ってひっそり暮していたが、ブラックを一目見るなり、アレックにブラックの調教を申し入れ、アレックは快くOKした。翌日から、アレック、ヘンリー、その親友スノー老人(クラレンス・ミューズ)の3人によるブラックの調教が開始された。みるみるうちにブラックの速度は増し、ある夜、3人は市の競馬場でこっそりブラックを走らせてみた。そこでの好記録で自信をもったヘンリーは、競馬界の実力者で人気スポーツ・アナのネビル(マイケル・ヒギンズ)にブラック対サラブレッドのマッチ・レースの相談をもちかけ、ネビルはそれを承諾した。世紀のレースがシカゴで開催された。固唾をのんで見守る観衆の前でブラックに股がったアレックが登場した。敵は全米最強のサイクロン号とサン・レイダー号。いよいよ、スタートし、激しいレースが展開された。出足は不調だったブラックも、先を行く馬ににじりより、じわじわと実力を発揮し出した。そして、ムチも手綱も使わないアレックのリードに従うブラックは、遂に先行馬を追い抜き、栄光のゴールを踏むのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- キャロル・バラード
- 脚色
- メリッサ・マシスン
- ジャンヌ・ローゼンバーグ
- ウィリアム・D・ウィットリフ
- 原作
- ウォルター・ファーリー
- 製作総指揮
- フランシス・フォード・コッポラ
- 製作
- フレッド・ルース
- トム・スタンバーグ
- 撮影
- ケイレブ・デシャネル
- 音楽
- カーマイン・コッポラ
- 編集
- ロバート・ダルバ
- 字幕
- 高瀬鎮夫
受賞歴
第37回 ゴールデングローブ賞(1980年)
ノミネート
最優秀作曲賞 | カーマイン・コッポラ |
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