「虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!! 友情・努力・勝利が描かれた、スポ根映画の決定版🔥」ロッキー3 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!! 友情・努力・勝利が描かれた、スポ根映画の決定版🔥
ボクシング映画『ロッキー』シリーズの第3作。
前作から3年、今や国民的ヒーローとなったロッキーの前に、野獣のようなハングリー精神を持った挑戦者クラバー・ヤングが現れる…。
○キャスト
ロッキー・バルボア…シルベスター・スタローン(兼監督/脚本)。
前2作と比べ、格段にエンタメ要素が強まった『3』。
昔はそれほど好きじゃなかったけど、今観てみると結構オモロい!😆
スタローンvsハルク・ホーガンという、あまりにもアホらしいドリーム・マッチが観られるのは『ロッキー3』だけ!
『1』や『2』はたしかに名画だが、かなりカロリーが重めで中々気楽には観られない。
その点、この『3』はほとんど漫画みたいな映画なので、アハハと楽しい気持ちで観ていられる♪
とにかくテーマ・ソングである「アイ・オブ・ザ・タイガー」が名曲♪♫♩
OPでこの曲が流れた時点で、この映画優勝🏆最高にFOOOOO⤴︎と気分が上がる。
そしてこのOPが上手いんだ!!
スタローンってやっぱりすごい映画人!!
世界チャンプになり、すっかりヒーローとなったロッキー。『2』の時にあれだけ苦戦したcmを卒なくこなし、雑誌の表紙にまでなっている。
服装も高級スーツにネクタイという、これまでのロッキーからは想像もつかないようなスタイルでビシッと決めている。
あのチンピラだったロッキーがよくぞここまで…、と感動する一方、なんか浮かれてチャラチャラしているのが伝わってきて、「おいおいそんなんで大丈夫かよロッキー💦」と心配せずにはいられない。
そんなロッキーの映像と交互に映し出されるのは、野獣のような迫力を持った男、クラバー・ヤング。
完全に浮かれているロッキーと、黙々とトレーニングをするクラバー。
このOPを見れば、観客は本作がどういう物語なのか一発でわかる。この端的かつ的確な演出、素晴らしい👏
成功したロッキーに対するジェラシーが抑えられず、警察の厄介になってしまうポーリー。
ポーリーってどうしようもないクズなんだけど、やっぱり憎めない。
レギュラーでありながら、作品を通して全く成長しないって中々珍しいキャラな気がする。人間の精神の偉大さを描いておきながら、こういう人間の矮小さとかダメさを描くこともおざなりにしていないのがやっぱり『ロッキー』シリーズの優れた所だと思う。
ポーリーにお説教するロッキーの姿を見て、「いや〜、ロッキーも成長したな〜」なんて思っていたのだが…。
世界チャンプになっても、やっぱりどこか情けなくって弱さを抱えているのがロッキー・バルボアというキャラクターの魅力。
「引退撤回だオラァ!!あのムカつくゴリラ野郎をぶっ飛ばしてやるッーー!💢」と息巻いていたかと思いきや、過剰なサービス精神を振り撒きながらアホな練習をしちゃうロッキー。
「クラバーに勝つ為にも、ハングリー精神を取り戻すんだ!!」と息巻いておきながら、だんだん怖くなってきちゃって練習を怠け始めるロッキー。
ほんと、こういう人間臭い所が堪らなく可愛い😍
完全無欠なスーパーマンとしてキャラクターを扱わず、本質のところではチンピラ時代のダメ男っぷりが残っているというのは、人物描写として非常に優れている所だと思う。
だからこそ観客はロッキーに感情移入しちゃうし、その後の本気モードになったロッキーに声援を送りたくなるんだろう。
映画評論家町山智浩さん曰く、ロッキーとアポロの砂浜トレーニングシーンは「映画史上初の異人種同性間セックスシーン」なのだそう。
たしかに、あの短パンと海の波、弾ける汗、そして嬉しそうに抱き合う2人の姿。これはラブシーン以外の何者でもない。
意図していたとは思えないが、やっぱりこういうシーンが生み出されるというのは、スタローンのリベラルなモノの見方ゆえなのでしょうか?
ちょっと残念なのは、最強の敵クラバーの描きこみが足りないという点。
服装などから推察するに、彼はおそらく黒人とネイティブのハイブリッドという設定なのだろう。
彼の過剰なまでに勝利を求める姿勢は、彼の出自や育ってきた環境にあるのかもしれない。
掘り下げれば面白そうなキャラクターなのに、ただの狂犬キャラに終始してしまったのは勿体無い。
是非、『クリード』シリーズで彼の救済をして欲しいものです。
『3』でもロッキー=スタローン本人という図式は変わらない。
💪「すっかりスーパースターになり、いい家といい服、いい車に乗れるようになった…。
しかし、最近アーノルド・シュワルツェネッガーとかいう、俺とキャラが被っているマッチョなオーストリア人が、『コナン・ザ・グレート』とかいう映画に出演してキャーキャー言われているようだ。
現状に満足しているとすぐに足元を掬われるぞ、しっかりしろ、俺っ!!あの時のハングリー精神を思い出せ!!」
と、スタローンが思ったのかどうかは知りませんが、いずれにせよ、ハングリー精神を忘れ始めた自分に対して喝っ!の意識はあったんだと思う。
それでこんな映画を作るんだから、スタローンって凄く俯瞰的に自分自身を見ているという感じがする。
この姿勢は見習いたい。
本作のエンディングが最高っーーー!!!
個人的にはこの映画のスタッフロールへの入りが、映画史上最高のそれだと思う。
本来はここでシリーズを完結させる予定だったらしいが、たしかにこのエンディングはシリーズの総決算としては最高の形だったかも知れない。
ゴッドファーザー、お勧めです。part 1&2は、よかったら。そもそもマフィアとか殺人とか男の世界の映画にまるで関心ありませんでした。ところが!もうはまりました。何十回も配信で見ました。スクリーンでも1と2は見ることできました。お時間とおきもちあったら是非❗️
エイドリアン!そうですね。最初はあんなに恥ずかしがり屋さんで内気で寡黙だったのに!彼女は「ゴッドファーザー」でも強くなりましたね。part Ⅲでは姉御、極道の女に育ってました!