「【思い出されること】」ローラーとバイオリン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【思い出されること】
この短編は、なんか好きだ。
まあ、スコアとしては、そこそこなのだけれども、タイトルの「ローラーとバイオリン」もなんか良い。
タルコフスキーは水の表現を取り入れることで知られているが、この映画処女作の水溜りに太陽が反射して、その光がサーシャとセルゲイをゆらゆら照らす場面は、2人が瑞々しく見え、とても美しいと感じる。
サーシャとセルゲイが、それぞれ仕事と習い事の道具(つまり、ローラーとバイオリン)を通じて、心を通わせる感じもよく伝わってくるし、昔、僕自身が、ダンプとか作業車に興味津々で、こうした働く車を操る大人を尊敬の眼差しで見ていたことが思い出されるのだ。
それに、最後、サーシャは映画に行けず可哀想だったけれども、子供の時分は、親がこんな風に口うるさく介入してきて、あれこれ煩わしかったことも思い出した。
子供は、世界のどこにあっても似たようなものなのだ。
セルゲイは女性と映画に行けたようだし、まあ、大人は大人で上手くやってますよ。
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