「映画史上に残る傑作だ。」ローマの休日 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史上に残る傑作だ。
純粋に無邪気な王女役、オードリー・ヘプバーンと、一見世慣れてるが、根は純朴な記者役、グレゴリー・ペックが、実に忘れがたく魅力的だ。
特に英国では、16歳年上で離婚歴があるタウンゼント大佐と恋に落ちながら、政府や王室の猛反対に直面し、結婚しないという声明文を出すしかなかったマーガレット王女のスキャンダルと、公開時期が被ったことでも知られる。
身分違いの男女が偶然出会って惹かれあうという、極めてシンプルな現代の寓話だからこそ、ユニークなエピソードを積み重ね、コメディとロマンスを織り交ぜた脚本や演出と、主演の2人の魅力的な好演が、おおいに輝きを持っている。
物語を通じて、上品かつ洗練された雰囲気の中、コメディタッチのユーモアもあり、温かさにあふれている。ロマンティック・コメディの1つの定型を確立し、後の作品に多大な影響を与えた、映画史上に残る傑作だ。
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